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elf tachi no itoshii hougyoku ha mori no naka
宮緒先生、記念すべき先生の70作目おめでとうございます…!☺︎・:*+.
クロスノベルスさんの先生の作品と言えば、昨年の「千年後宮」の
どエッッな内容に度肝を抜かれた記憶がありますが、
こちらの新作も(「千年〜」ほどではないにせよ)複数攻め、二輪挿しありの
濃厚な絡みのある物語でした。
主人公は子爵家当主の甥で騎士のリュシアン(受)。
魔族との戦いで絶対絶命!となった際、双子兄弟の美しいエルフ、
ボレアス&ゼフィロス(攻)に助けられます。
彼らになぜか名前ではなく「宝玉」と呼ばれ、
紆余曲折を経て、エルフの森へと共に赴くリュシアン。
この世の楽園と言ってもよいほど美しいエルフの森だけれど、
「宝玉」とは何なのか?二人が森へリュシアンをいざなった理由は?
等々、ボレアスとゼフィロスがリュシアンに隠していた秘密が
次々と明らかになりー
と続きます。
こちら、てっきり二人の美しき双子エルフが出てくる
耽美な世界観かと思いきや!
なんかなんだか、この双子エルフが受けのこととなると
どこかネジが外れていて、おっちょこちょいだったり
頓珍漢な行動に走ったりするのが可笑しくて(*´艸`)
特に笑ったのが、エルフは眠らないことから、
満腹で眠気を覚えたリュシアンのことを病気と勘違いし、
見当違いな看病をしようとしていたシーン。
ただ眠りたいだけのリュシアンを必死にガクガク揺さぶったりしている姿に、
堪えきれずに声を出して笑ってしまいましたꉂ(๑˃▽˂๑)
二人の使い魔である鳥たち、ぴこぴこ動く尾羽を持つ
ラピとリュビも、とんでもなく可愛い!!✨
そんな二羽や、シリアスな展開の合間に訪れる
穏やか&コミカルな場面に心癒されました(*´˘`*)
で、こちら。
先生があとがきでも書かれているように、前半の人間パートと、
後半のエルフパートでは全く違ったスリルとドキドキを味わうことができ、
まさに「一粒で二度美味しい」状態。
(濡れ場はエルフパートから)
特に刺さったのは、人間パートで断罪され追放された
リュシアンの弟・セザールがエルフパートで再登場してきたところです。
悪人は断罪されて終了ー
という展開が多いかと思いますが、まさかこんな形で出てくると思わず、
胸が熱くなったシーンでした。
(なんとプロット時点では再登場予定はなかったとのこと。
出て来てくれて良かったー!)
悪人が悪人のままスパッと切られてジ・エンド。
というのもスッキリ気持ちの良いものですが、
”あの”セザールがこんなふうに変わって、胸震わせてくれるなんて。
別れ際にリュシアンにかけた言葉も胸熱すぎて。
全てのキャラの中で、なんだかんだ1、2を争うくらいに
好きになってしまったかも。。(1位は今回ヒール役のあの方です..)
前半の人間パートで明かされる、リュシアンの出生の秘密。
そして後半エルフパートで明かされる、双子エルフの出生の秘密。
種族は違っても、どこか似た境遇を持つ双子に共感を覚え、
次第に気持ちが傾いていき、愛へと変わるー
そんなリュシアンの気持ちの変化にいつの間にか共感し、
グッと前のめりでページをめくっている自分がいました。
自身の生まれの真実を知ったことや今までの扱われ方から、
性的なものに嫌悪感を持っていたリュシアン。
エルフの森でボレアス・ゼフィロスに体を奪われた際は、
快楽に溺れる体と嫌悪感を持つ心、その乖離に耐えられなくなっていた
彼ですが。。
心から二人を求め、愛し合って求め合って抱かれるラストは胸熱…!
エルフの伴侶が心から相手を求めた時、
エルフの額にある宝石が取れて伴侶に贈られるー
そんな設定もロマンチックで美しく、うっとりしました。
表紙や挿絵の攻め2人のイラストも美麗✨
…なんですが、受け・リュシアンに関しては美しさよりも
やや「可愛らしさ」が目立つ感じ…?
個人的にはもう少し妖艶というか、美人に寄ったお顔をイメージしていたので
ちょっとその点自分のイメージとは違ったかもです;
不憫受けの、度重なる葛藤の末の救済ストーリー。
宮緒先生ならでは!の執着溺愛攻め(しかも二人!)と絆され受け、
そして濃厚な絡みと幸福感あるラストを堪能できる一冊でした◎
宮緒葵先生の作品と言えば、クセの強い攻めによる執着と独占欲のゴン攻めに加え、ねっとりと舐るような濃厚情事シーンが定石です。
まさに!……まさに、この作品の双子のエルフも、"宝玉"であるリュシアンを目に入れても痛くないほど愛でては可愛がる溺愛の仕方がスゲーハンパない。どこまでもリュシアンを大事にし、何を置いても優先する姿は伴侶というより、僕のような従者のような……とにかく愛し方が甘くて芳醇で、ヒャッハーの連続でした!\(//∇//)\
双子攻めに意識持っていかれがちですが、特筆すべきはストーリーの上質さ。
いつもなら宮緒作品のクセ強な攻めキャラに圧倒されるものの、この作品ばかりはキャラの個性に引っ張られず、ストーリーの面白さにただただ圧倒されっぱなしでした!
すごかった……一気読みしちゃうくらい、めちゃくちゃ興奮しました!!
ストーリーとしてはざっくり大きく分けて2つ。人間世界でのお話とエルフたちの住む世界でのお話で構成されています。
前者は、不遇な環境で生まれ育ってきたリュシアンが、言われのない不名誉を回復するまでのストーリーとなっていて、リュシアンを害してきた者たちへの制裁をメタメタのギタギタにやり込めるところが、た…たんのしーーー♪
これまで味方だと思ってきたアノ人の鬼畜な一面にウヘェ……からの哀れな末路に、これが興奮せずにはいられますか?!((((;゚Д゚)))))))…ってな感じで、容赦ないヒール役への懲罰にスッキリ。デトックスにも似た爽快感を感じること間違いなしでしょう^ ^
誰にも愛されることなく孤軍奮闘してきたリュシアンを双子のエルフが助け、守り、めちゃくちゃに愛する。ただのハッピーシンデレラストーリーじゃありゃしません。
最低から最高へとリュシアンを取り巻く環境が変化していくその過程もですが、誰もが敬うエルフたちからの寵愛を受けるのが、卑しい出自のアイツ?みたいな反応も併せて楽しめる展開が最上級のワクワクを演出。サイッッコウでした!
後半の伴侶編は、双子の伴侶となって楽園でさぞかしドロドロに愛されまくる日々が…なんて想像をしていたのですが、これは半分正解で半分は予想外。双子が生まれたルーツと、人間界での魔獣襲撃との密接な関係に端を発した陰謀がなんとも手に汗握る読み応えでした!
もちろん濃密なセックス3Pもあるけど、彼らを取り巻く事件性の部分も同じくらいの濃度で展開していくお陰で、最高と最高がぶつかりあって、結果的に超最高の世界。どこのシーンを切り取っても読み惚れるしかないところに感動でいっぱいです。
ストーリーの良さ、キャラの良さ、世界観のよさ、読後感の良さ、個々の点からも素晴らしい作品ですが、素晴らしいのはそのバランス力でしょう。どこが突出してるとかではなく、個々別の素材の良さをそれぞれが引き立たせていて、作品全体がすごくよくまとまっています。
宮緒作品にはごくたまにキワモノ系がお目見えすることがありますが、この作品は万人受けしそうな感じ。話も分かりやすいですし、すごく読みやすいです。
神話的な神秘性やファンタジーの壮大さも相まって、実に見事な物語でした。色んな方におすすめしたい逸品作です。