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ore no kawaii oni joushi
さくっと読めて明るい気持ちで読み終われる短編。オチが弾けてる感じでとても良かった。同じ職場の上司と部下のお話。
入社二年目の大樹は、偶然フォローしたSNSアカウントが上司の糸魚川のものだと気付いてしまう。その内容は、自分への恋心を赤裸々に綴ったもの。会社では怒鳴ってばかりの鬼上司の本音を知り、徐々に気になっていくが――という流れ。
大樹の体育会系の素直さや、一直線なところが眩しい。単純なのもよく分かり、経験豊富な糸魚川なら大した策を練らなくても落とせる気がするが、大樹から自発的に動くよう仕向けるのはさすが。情けなく恥ずかしい告白がとても素敵だった。
糸魚川はSNS上のつぶやきがイタくて可愛い。好きな子にパワハラしちゃう上司って今は微妙に笑えないとこあるけど、大樹のツッコミ付きでギャップを楽しめるので、気楽に読めた。名前呼びだけで腰を抜かす意外に純情なところも可愛い。
話のオチ前後のバタバタは、笑えるシーンがいっぱいだった。ギャグ要員になってしまったエドワーズと雄叫びを上げるゴリラな大樹、理彩のはっちゃけと悪びれない糸魚川。最後は理彩がカッコ良かった。
これからもくすっと笑える騒動を起こしてくれそうな終わり方で、爽やかな読後感。良き短編。