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psycho
花にして蛇シリーズ2作目。
サイコパス7人兄弟・次男のお話になります。
1度だけリバしてます。それだけご注意を…。
オムニバス形式なので前作未読でも大丈夫かな。
でも1作目のアダム×ノアの登場率が高かったので、
最初から読んでおくと解像度が上がると思います!
さてさて2作目は次男・オーガスト…!
前回は殺人に感情を持たない末っ子アダムに対して、
オーガストは嬉々として拷問を楽しむタイプでした
そんな男が恋という感情を知ったらーーー?
いや~~~~今作もめっちゃ良かったです(∩´///`∩)
◎必要悪として訓練・管理されたサイコパス
◎サイコメトリー能力を持つプロファイラー
と、本来なら追う者と追われる者の関係なんですが、
オーガストの特性が特性なので一概には行きません。
これがま~~~~!!!
深層心理に触れて沼に落ちていくような愛なのです。
オーガストの潔癖さが意外にロマンチストとなって、
キュンキュンしながら読みました(∩´///`∩)
オーガストもアダムと同様に
「人を愛せない、感じる能力がない」と自認してます。
けれど自分のお気に入りに対しては激しい執着がある。
自分の側に置いておかないと気が済まないのです。
ルーカスに出会って自分のモノにすると決めた時、
最初にしたのが「ルーカスに嫌われない努力」でした。
アダムやノアにアドバイスをもらって頑張るのですよ。
そしてオーガストの理想型が、
アダム×ノアのような恋人関係なところも驚きでした。
(甘ったるい関係をバカしてるのかと思ってたら…)
(自分もルーカスとこうなりたい!と言ってて…)
(オーガストの意外な可愛さが萌えに刺さった…!)
どうすればルーカスと理想の関係を築けるのか。
試行錯誤を繰り返しながら嫌われない努力をする姿が
ホンットもぅ!めっっちゃ良かった~~~~!!!
って書くとサイコパスみがないよう見えるかもですが、
いやいや、しっかりサイコパス思考は全開なお人です。
ルーカスを大切にするのも、
欲求のまま行動したらこの世から居なくなっちゃうし、
ルーカスの居ない世界が耐えられないから大切にする。
ーーー的なね…。(∩´///`;)
サディスティックな願望はあるにはあるんですよね…。
だからこそ自分のタガが外れるのをとても恐れてて、
セックス時は縛られて痛めつけられる側になりたいと願うのです。
で。一方のルーカス。
正義感がとても強い人で、
正義感ゆえに行動した先で周囲から浮いてしまって…。
精神的に追い詰められて、現在はボロボロの状態です。
特異的な能力を持っているけど誰にも信じて貰えず、
精神病扱いされて、FBIからも離職し、、、
オーガストに出会った頃は人間不信に堕ちてました。
ルーカスが普通の状態で出会っていたら
オーガストがやっている殺人を許さない気がします。
けれどルーカスはオーガストを拒めませんでした。
世界で、たった唯一の、理解者だったからーーー。
プロファイラーであるルーカスが
オーガストの深層に触れる度に絆されていく過程は
バックボーンの組立が見えるのでストンときました。
それほどにルーカスの心は
寄る辺がないほど不安定で読んでてシンドイんですよ。
これは精神を病んでもしかたない…(;ω;)
というかよく今まで耐えてきたね…(;ω;)
(この辺りの描写はマジしんどかった)
(サイコパス度は1作目より上かもしれん…)
そんなルーカスを守ろうと動くオーガストが胸熱だし、
オーガストに守られるのを嫌がるルーカスも胸熱です!
病んでても矜持は捨てない…。対等なんですよ…。
1度だけリバがありましたが、
ごく自然な流れだったので個人的には良かったです。
ストーリーの展開と合ってるリバは良質ですね…!
2作目も良かった~~~!!!
あと7人兄弟を俯瞰して見られてのも大変良かった。
ルーカスのプロファイル付きなのでわかりやすい…。
(兄弟となってるけど実質上下関係はなく、)
(兄弟同士の会話は幼稚性があるとことか、)
(解像度が少しずつ上がって良き良き)
(あと父・トーマスの過去もチラッと出てきた…!)
次回作も楽しみですヾ(*´∀`*)ノ
昼間は大学教授。その裏の顔は…と、血で真っ赤に染まったダークヒーローのようなマルヴァニー一族の次男坊・オーガストに目をつけられてしまったのが、きっとルーカスにとっては不幸だった人生が幸運に変わる7日間の始まりだったのでしょう。
とある大富豪に引き取られた、人を殺めることになんのためらいもないサイコパス7兄弟の恋を描いたシリーズの2作目となる今作は、物理学者として大学で教鞭をとる次男が主人公。
血生臭さや、女性が被害者として絡む性犯罪関係の描写が苦手な方にはおすすめできませんが、破れ鍋に綴じ蓋・最高の出逢い・特殊性癖・リバあたりのワードに興味がある方にはもしかするかもしれません。
時系列的に1作目のその後となっていますので、まだの方は先にそちらを読んだほうがより楽しめるかと思います。
やや機械的なオーガストの独特な口調と思考の数々に、いったいどんなヤバい恋を繰り広げてくれるのか?とワクワクしながら読み進めると、期待以上のヤバい恋が待っているではありませんか。
人や物に触れると記憶が読み取れてしまう、いわゆるサイコメトリー能力を持つルーカスと、サイコパスであり自閉スペクトラム症でもあるオーガストの組み合わせはまさに運命的なものでした。
人を愛したことがないオーガストが抱く執着心と、不器用ながら必死にルーカスを求め守ろうとする一途さを見れば見るほど、だんだんかわいらしく思えてくるのだから本当に不思議。
突拍子もないむちゃくちゃな行動ばかりなのに、なんだか許せてしまうんですよね。
ルーカスと出逢って以来、まるでアンドロイドにはじめて血が通ったようというか…あまりの人間1年目っぷりに頭を抱えました。
良くも悪くも嘘がないストレートな言葉しか伝えられない彼は、思考が読めるルーカスにとってはこれ以上ないほど心安らげる人だったのかもしれませんね。
逆もまた然りで、戸惑いながらも自身のすべてを受け入れてくれたルーカスがオーガストにとって唯一無二の存在になっていく様子も読み応えがありました。
2人とも、孤独や生きづらさを知る理解者とやっと巡り逢えたのかな。
そして、フェティシズムがくすぐられる描写も必見です。
殺しを愛してやまないオーガストがベッドではマゾヒズムの傾向があるだなんて、設定作りが上手いなあと。
なんとなくルーカスが受けなのかと思いきやそうでもなく、この2人はおそらく上下はどちらでも良いのだろうなと個人的にはうれしいポイントのひとつでした。
1番新しいなと思ったのは、ルーカスが攻める側でも受ける側でも、サイコメトリー能力によってオーガストが感じている快感を同時に得てしまうというとんでもなくおいしい設定。
読んでいて非常に斬新で、抱きながら抱く…そうきたか〜!となりました。ぜひ。
ルーカス周辺に付きまとう事件関係もピリッとしたスパイスが効いていて、要所要所でヒリつかせてくれます。
ただ、もう少し短めにまとめられたのではないかなと思うところも。
ですが、1作目同様に悪をバッサリぶった斬る思い切りの良さはある意味爽快だったので、こちらの評価になりました。
他兄弟とのやり取りも楽しかったですし、次はどのマルヴァニーの恋が描かれるのかが今から楽しみです。