貴なる公達アルファと情男オメガ

kinaru kindati alpha to jouotoko omega

貴なる公達アルファと情男オメガ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
38
評価数
8
平均
4.8 / 5
神率
75%
著者
墨谷佐和 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
りんこ+三原しらゆき 
媒体
小説
出版社
コスミック出版
レーベル
セシル文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784774766249

あらすじ

美丈夫の貴の公達〈アルファ〉× 虐げられた情男〈オメガ〉
平安朝の新たなるオメガバース絵巻!!

葉月は権大納言家の者でありながら母の身分が低く、
情の者〈オメガ〉であるために蔑まれ、その美しさを妬まれていた。
頼みの父が亡くなるやいなや、下働きや姉たちの文の代筆などをさせられる葉月。
そして名門・二条家へ世話係として上がるように言われるが、
実情は放蕩息子の夜伽係だった。

襲われて、助けを呼ぶ葉月を救ってくれたのは
美丈夫の貴の者〈アルファ〉である晴通であったがーー!?

表題作貴なる公達アルファと情男オメガ

19歳、右大臣家の長男、右近の中将、貴の者(アルファ)
16歳、権大納言家の末子

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

和×シンデレラ×オメガバースのトリプルコンボ

和風オメガバース…とりわけ平安調の貴族社会を時代背景としたオメガバース作品です。セシル文庫さん初のオメガバース作品ということもあり、作者の墨谷佐和先生が紡ぎ出す雅な世界観の描写が風流で美しく、また時代考証等も素晴らしいものでした( ´∀`)

運命の番要素あり。さらにさらにシンデレラ姫のストーリーを彷彿とさせる要素もありで、和洋折衷の設定が特盛です。ですが、最も目を引くのは第三性の呼称でしょう。
αが「貴」、βが「普」、Ωが「情」と呼ばれ、男のΩは"情男"と言われています。(女性の場合は情姫)
Ω男子に限って言えば、一部の層から卑しい者として蔑まれる世界観で、これはまぁオメガバではお馴染みな感じですね。

設定こそ爆盛りですが、BL界に流通しているオメガバースの世界観と大きく変わるところはないので、するすると読み進めることができると思います。気になることがあるとすれば、貴と情の呼び名に不慣れなことくらいかな。
不憫な境遇に身を置く葉月が、貴族社会の中のプリンス・晴通と恋仲になっていくストーリーは、王道といえば王道。もちろん、肉付けの部分のオリジナル設定は見逃せない部分で、"陰陽師"や"呪詛"のワードが飛び交う時代らしさのあるストーリー展開にはハラハラし通しでした。

世の女性から憧れの存在である晴通とのロマンスは、運命性と発情のタイミングでもって2人の想いがグッと近付きます。
それ自体は喜ばしい展開だし、晴通からのアプローチがアツアツなのは、ヨッシャー!なんですが、不憫な境遇で生きてきた自己肯定感の低い健気な子は、周りの発言にのまれて自分の気持ちに蓋をしてしまうから、ホントに困ったもんですわ…( ;´Д`)

2人は無事に番になれるのか。
葉月は自分の気持ちに向き合うことができるのか。
"運命"は2人を受け入れるのか。などなど、その顛末を最後までお見届け下さい。

やんごとなき人たちから恋路を見守られ応援されている状況には嬉しくなりましたし、物語冒頭に出てきた葉月の実家の面々の悔しが顔が目に浮かびます。ケケケ( ̄∀ ̄)
物足りなかった部分があるとすればまさにそこで、葉月を追い出した異母兄姉とその母親には何らかしらの制裁があれば良かったなと思いました。
葉月のその後を見て、キィーッてなってる姿を見ることができていたら最高の読後感でした^ ^

0

雅なイラストに目を奪われる…!平安時代がモデルの、和風オメガバース物語

墨谷先生の新刊は、平安時代がモデルの「平鳳朝」貴族オメガバース。

Ω男性が「情男(じょうおとこ)」として虐げられる世で、
不憫な身の上の主人公・葉月(受)がスパダリ貴族に救い出され、
帝のお側に上がることになり、やがてー

というシンデレラストーリーです。

先生が一生懸命考えられたという(「あとがき」より)その時代に合う
「アルファ」「ベータ」「オメガ」の呼称がとても素敵✨

それぞれ「貴の者」「普の者」そしてオメガは「情の者」。
先生がおっしゃっているように、「情」には”発情”のイメージもあるけれど、
愛情や情け深い、など愛深き意味も込められていて、ああ、良いなあ…と思いました☺︎

そして、心奪われたのがりんこ+三原しらゆき先生のイラスト!!
雅で美しく、時に可愛らしい子どもの姿に、読みながら目が釘付けになりました。

特に印象的だったのが、スパダリ攻め・晴通が「泣くな」と言って
葉月(受)を抱きしめるシーン、
そして葉月が帝の息子、常葉と初対面する時のイラストです。
もーーーー、ふくふくほっぺの常葉の可愛さといったら…!!!

あと、晴通が半分衣を脱いで騎乗から弓を射るシーンも最高オブ最高でした◎
セクシーさに身悶えた…
(片方だけ露出してる乳首がー!!)


お話の本筋としては、先に書いたとおり雅なシンデレラストーリーです。
”受けの力強さ”や成長、ガツガツ自ら開拓していく姿勢が好みな自分には、
やや物足りなく感じられるところも。

最終的に晴通の「北の方」=妻となることも周囲の抵抗なく叶ってしまい、
後半サラッと進むハッピーエンドに、若干「あれっ?」と思ってしまった点も
あったかな、、

身分差、男同士という壁、”情男”として蔑視される立場…

それらを葉月が打ち破り、乗り越えていく姿。
そしてオメガ(情の者)への偏見にも立ち向かっていく姿を期待していたのですが、
晴通の溺愛と周囲の理解によって、割とすんなり結婚まで事が進んだなあ…と。


とはいえ、もちろんそこに葉月の努力や献身がないわけではなく!

ラッキー要素だけではなく、彼自身が持つ能力・磨いてきた箏や笛の技術、
そして健気に晴通や常葉に尽くそうとする姿勢が葉月を周囲に溶け込ませ、
受け入れる姿勢を生んだのだと思います。

そして晴通のこれからを思い、自ら身を引こうとしたところも、
よくよく考えてみれば葉月の「強さ」の一つなのだろうなあ、と。

オメガとしてアルファを求めてしまう体を持つ葉月にとって、
想い続ける人を”諦める”ことほど、辛い決断はなかったはずだから。。

結婚、そして出産した後の葉月がやがて、物語の担い手として名を馳せていったー
というラスト。余韻の残る素敵な形でした・:*+.


受けの葉月のことばかり書いてしまいましたが、
雅な世界の年上スパダリ・晴通の揺るがない愛には安心感しかなく☺︎
子どもにからかわれて赤くなっちゃう姿のギャップが可愛かったです。

平安が舞台の和風オメガバース、じんわり温かくなる幸せをいただける
物語でした。

2

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