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青春マリンブルー・ロマンス!!
umi no tsuki
いい作品でした。
海を舞台にした、潮風の香りのするお話です。
水軍の末裔である日本人大学生(攻め)とタイ人留学生(受け)のラブも良かったんですが、それよりも、海の男たちが必死でベン・ハーしてる姿を想像して萌えてしまいました。
実用的な筋肉をつけたみずみずしい小麦色の肌が、しなかやにオールをさばく姿…あう、鼻血出そう。
セックスよりも、船が難破しかけたときのほうが興奮してしまいました。
いつき朔夜さんは文章力があるので、安心して読めますねぇ。
ラブ的要素では、大きな事件は起きません。後半なんてとくに、必死でエッチできる場所を探してるだけ、みたいなw
けど、それを凌ぐほど海の描写が美しくて、満足しました。
受けがタイ人というのを、私はこの本で初めて読んだのですが。
BLではなかなか変わった設定ではないでしょうか?
タイ人であるアレンのピー信仰(タイ族による精霊信仰)が
物語に大きく関わり、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
アレンの中に息づく古来の神。
その信仰のために、彼はある悩みを抱えることになるのですが。
風俗習慣の違う日本人の海士が、アレンの全てを優しく力強く包んでくれます。
海士は海の男です。凛々しいです。
海士とアレンの恋模様に絡んで、
玄海灘にて行われる「水軍船の実験航海」の描写があるのですが。
これがもう熱い!
海!船!に青春を賭ける男達が熱いのです!
読んでいて、心躍りました~!
そして同時収録されている短編「みおつくし」「アオスワイ」。
「みおつくし」は遠距離恋愛中の海士とアレンのお話。
携帯電話での会話は胸キュンです。
「アオスワイ」は二人でアレンの実家(タイ)へ行くお話。
ページからタイの空気を感じる情景描写が素晴らしいです。
しかし作者はタイには行かれた事がないと知り、吃驚しました。
佐々木さんの挿絵目当てに購入しました。
初読み作家さんです。
文章は読みやすく、結構一気に読めました。
昔、瀬戸内海の覇者であった水軍の言い伝えが可能かどうかを実際に航海して実験してみるという、BLでは珍しいお話なのではないかと思います。
ほんとに偶然なのですが、このお話を読む直前に村上水軍に由縁のある地の近くを旅行してきたところだったので、余計に興味深かったです。
男らしい攻め様と、過去に何か暗い経験をしてそうな異国から来た美しい受け様。
お話を読むにつれ、隠された秘密が明らかになるのも楽しみでした。
欲を言えば、受け様の過去をもう少し詳しく知りたかったかな。
なにかと悪い方向へ考えてしまう受け様の不安を取り除こうと頑張る攻め様がカッコ良かったです。