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anohito
『片思い』に出てきた二人の親友、門脇とさえない数学講師松下の物語。
二人のキャラクターもあってかとても静かな物語という印象でした。
静かで、それでいて鮮烈な恋の物語。
逞しくて良い男のあふれているBLの世界で、このさえない上に繊細で病弱な松下のキャラクターは貴重かも(しかも攻ですよ)。
だけど決して弱いだけじゃない。弱い中にある優しさや強さや一途さ。
なんか、門脇が守ってあげなきゃいけない気持ちになるのもわかる気がするんですよね。
恋に不慣れな二人はどちらも臆病で、このもどかしさがたまりません。
時々登場する『片思い』の二人とは本当に対照的です。
でもあのバカップル(失礼)が出てくるたびなんか場が和むのでちょっと気が抜ける。
続編の中で見せた門脇の強さが心に残りました。
木原さんは話が面白いので好きなんですが、バッドエンドだったり後味が悪かったりすることも多いので「これはどっちなんだろう?」と毎回ドキドキするんですが、その心配は無用なお話で良かったです。
これは受けが攻めより17歳も年下なんですが、精神的には絶対受けの方が大人で人間ができてる所が面白かったです。受けは最初身も心も不感症っぽいさめた人だったんですが攻めへの思いが愛だとわかった途端に別人のように情熱的になりました。
攻めは本当にこれ以上のへタレはいないだろうっていうような性格で、おまけに虚弱体質。作中で何回風邪ひいてるんだよって感じです。番外編でまで(笑)でも最後にやっと今までのことを少しは反省したようで「今まで守ってもらってたけど、自分も少しは君を守れるように頑張る」みたいなことを言ってたのが微笑ましかったです。
二人は典型的な理系人間でお互いに仕事の面でもリスペクトし合える理想のカップルなのに後半の話で最大の敵キャラ、攻めの妹(とても気が強い)が現れます。二人の関係がばれた時が、まるで昼ドラのようなザ・修羅場って感じですごかったです。受けの頬を引っぱたいて「この泥棒猫!」みたいな雰囲気で、シリアスなシーンで受けも可哀想なのに・・・申し訳ないんですがちょっとニヤニヤしてしまいました。
前回【片思い】がへたれツンデレバカップルなら、今回は老成した大人カップルです。
受の門脇が攻の松下への想いに気づき、決断するまでの過程がものすごく潔くて良かった。
仕事を辞め、家族にカミングアウトし、全てを捨てて松下のいる神戸に追いかけていくんですが、なにこのメロドラマ展開は!
全体を通して静かにしっとりとお話が進みますが、門脇の強さが猛烈に愛しいです。
松下おまえしっかりせんかい!てどついてやりたくなることもしばしば。
最後の1行にもう胸がいっぱいで……。
ため込まず何でもいって欲しい、といった松下に対する門脇の答えが愛しくて、せくなくて、読後は満足感に満たされて幸せです。
前作『片思い』でメインカプの友人、そしてメインカプがくっつくのに重要だった人物・門脇がメインの話。
ゼミの飲み会で酔いつぶれてしまった門脇は誰かが自分の髪を撫でている気配に目を覚ます。
そこにいたのは数学講師の松下だった。
後に門脇は松下が自分に好意をもっているのだと気づきます。
17歳の年の差。
門脇はちゃんとした恋をしたことがなく、最初は松下の想いをきっぱり断っていました。
松下も数学一筋といった感じでお互い恋についてはなにもわかりません。
なのでいい感じかな、と思っても離れたり。
門脇も松下も落ち着いていて、しっとりした恋の話だと思いました。
2人とも常に敬語でしたしねw
何かをみてそれを数式にあらわしたくなる、でも恋には法則はない。
松下が「門脇の1日をビデオに録画して門脇尚史の法則を発表します」と言ったときはちょっと可愛いなあって思いました。
『それから』はタイトル通り松下の門脇のその後の話なんですが、松下の妹がでてきてちょっとぎくしゃくしてしまいます。
この妹さんがすごい気が強いというか…松下と門脇の関係を知ってきつくあたってしまいます。
松下を守ろうとする門脇、門脇を守ろうとする松下がそれぞれ切なかった。
家族に受け入れられないのは辛いですよね…(´・ω・`)
『同窓会』は前作『片思い』の三笠と吉本メインの話。
本編でもでてきましたがこの2人は喧嘩しすぎですw
典型的なヘタレ×ツンデレでおもしろかったw
三笠が「好きだよー」と言ったら吉本は「うるさい黙れ」っていう感じでこの2人ほんとに好きですw
喧嘩するほど仲が良いというか結局お互い好き同士なんですよね~
門脇に「三笠元気?」と聞かれて、吉本が「ブチ殺したくなるほど元気だよ」って言ってたのには笑いましたw
『片思い』のスピンオフ作品です。
『片思い』でカップルとなった二人の親友のお話。
ストーリー的な繋がりはないので読んでおく必要はないですが、『片思い』と『あのひと』のカップル四人がイッキに登場する巻末の短編『同窓会』を楽しむためには、『片思い』を読んでおいたほうがベターだと思います。
『片思い』がヘタレとツンデレのどつき漫才だったのに対して、こちらはしっとり静かなオトナのお話。
恋をしたことのない門脇と、彼に恋してしまう17歳年上の大学の先生と。
門脇は年上の男から寄せられる感情を知り、「恋愛感情ってどんなものなんだろう?」と不思議に思います。
年上の男の愛情を拒絶しつつも好奇心がまさり、つかず離れずの関係を続けるうちに、どんどん仲良くなっていく。
門脇がはっきり拒否しないために、大学の先生はさらに調子に乗ります。
据え膳が目の前をウロチョロしてたら、そりゃあその気になっちゃうさ。
ある日門脇にセックスをしかけ、最後までしちゃいます。
門脇も抵抗しない。
まあいいか、なんて考えている。
毎日毎日浴びるように愛情を与えられカラダを重ねても、門脇の心は波立たない。
恋ってなに?
それって美味しいの?みたいな。
なんかねー、悲しかったですよ。まだキライになって強く拒否って逃げるほうが救いがあるっていうか。
こんな男を抱いても、どんなに愛を捧げても、それこそ糠に釘を打ち込むようなもんだろうなと。
大学の先生もそういうむなしさを感じていたのか、結局は先生のほうが門脇から離れていきます。
突然の別れを告げられたあと門脇は、しばらく呆然としながら過ごします。
自分のなかにあった恋愛感情を自覚した門脇の行動のすばやさは見ものです。
おまえは走れメロスかとw
怒涛の勢いでビシッと身辺整理してから、生まれてはじめて愛した男のもとに向かうのだ。
『それから』は続編。
視点が先生の側にうつります。
『美しいこと』のヒロスエタイプの、イライラする男でしたw
いい受けを捕まえたもんだ。
『同窓会』は、さらにその続編。
相変わらず『片思い』カップルのどつき漫才が楽しくて、ゲラゲラ笑いながら読みました。
『片思い』のスピンオフで、吉本と三笠の親友・門脇の話。
大学生の門脇は、さして親しくもない講師の松下から好意を打ち明けられ戸惑う。
親友たちの恋を見てきているだけに男同士だからという偏見はないのだが、恋愛経験が乏しく、そもそも人を好きになるという事がどういう事なのかあまり実感がない。
付き合うことに関してはきっぱりと断ったものの、卒論を控えてなにかと松下と接するうち、一緒に居ても互いに気を使わずに済む相手だとわかり、徐々に親しくなっていく。
そんなある日、体調を崩した松下を見舞いに訪れた門脇は、請われるままに躯の関係を持ってしまう。心の伴わない行為を良いことだとは思わないのに、何故だか拒めず……。
松下39歳、門脇22歳、17歳の年の差。
もとより虚飾のない淡々とした描写に加えて、二人とも穏やかで感情を顕にするタイプではないので、全体的に落ち着いたトーンでストーリーが展開していく。
「木原音瀬は痛くてどうも苦手」と言う方でも、これならダイジョウブかも。
ただし、かなり初期の作品で残念ながら、絶版。マーケットプレイスでは結構高値が付いている。
ちなみに、私は、たまたま覗いた中古オンラインショップで適正価格で入手できたのだが、『片思い』のほうは、未だ手に入っていない。
表題作では、恋に奥手な門脇が自分の気持ちに気付き、決断するまでが描かれる。
書き下ろしの『それから』は、神戸の大学に移った松下と、仕事を辞め、院生として彼を追いかけていった門脇のその後。一緒に住むようになって蜜月を過ごしながらも年齢差を気にして不安に苛まれる松下。そんな折、松下の妹が訪ねてきて、二人の関係がばれてしまう……。
この松下の妹の言い分というのは、世間の一般的な見方という位置付けなのだろう。
それに対し、怯まずに渡り合う門脇に拍手を送りたくなる。
『あのひと』に比べると、愛憎というものが現実味を帯び、ずいぶんと生々しい。
けれど、それだけに直向きさがひしひしと伝わってくる。
もう一編の書き下ろし『同窓会』は三笠と吉本がメイン。
前作は読んでいないものの、この二人に関してはもう、犬も食わないなんとやら(笑)
なんだかんだ言っても結局はラブラブってことで。
「片思い」で友人だった門脇のスピンオフ話。
片想いの登場人物がちょこちょこ顔を出しているのでそちらを先に読んでおいた方が楽しめるとは思います。
大学生・門脇〔受〕は、数学講師・松下〔攻〕が自分に想いをよせている事を知ります。
友人達が男同士のカップルなので、門脇自身にゲイに対しての免疫はあるし偏見もないのですが、その感情が自分に向けられているというものはあまり歓迎出来るものではなく、最初の内は松下の想いに抵抗があります。
しかし彼の元で本を借りたり、彼のマンションで一緒にいる内に次第に門脇は、松下に持っていた心のバリケード的なものが無くなっていく。
そして松下に門脇は抱かれるのですが、そこは実に淡々としていてセックスに抵抗がない訳ではないのだろうけれど、門脇にとってはそれ程大きな出来事ではないかの様に、淡々としているのです。
松下が神戸の大学へと行く事となり、一緒についてきて欲しいと乞われますが、門脇はそれを断るも、その後でやはり行ってしまうのですね、彼の元へと。
松下の妹が我の強い自分勝手なタイプの女性で彼らの仲を知って別れさせようともしますが、失敗します。
淡々としてみえるようでいて、彼らの愛情の強さが分かるシーンでもあります。
「同窓会」吉本、三笠達との同窓会です。
吉本と三笠は相変わらずなんですが、このカップル好きだなー。
作中にも彼らはちょこちょこ出てくるんですが、吉本が怒ってばっかりいるんだけど結局は三笠が好きっていうのが実に可愛いです。
門脇と松下の2人共が数学を愛していて、その話を楽しそうに語る部分がなんか好きでした。