片思い

kataomoi

片思い
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×27
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
61
評価数
16
平均
3.9 / 5
神率
25%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
桑原祐子 
媒体
小説
出版社
ビブロス
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
片思い
発売日
価格
¥850(税抜)  
ISBN
9784835212227

あらすじ

吉本の友人でカミングアウトしていた三笠の、突然の結婚宣言。彼の恋愛問題に振り回されてきた吉本だが、実は彼に結婚してほしくない理由があった。思い余ったすえに吉本がとったとんでもない行動とは!? いっぱい泣いても、きっと最後は幸せに。話題独占の大ヒット作、お待たせの登場!書き下ろし続編のほか一編も収録。

表題作片思い

三笠高志 21歳
吉本智 21歳

同時収録作品花の宴

高橋義幸 父親
高橋雅人 中学生

その他の収録作品

  • 恋は盲目

レビュー投稿数10

かわい有美子さんの『透過性恋愛装置』以来の、ツンデレ受けに、萌え悶えました

『甘い生活』で見事な下剋上を堪能したあと、この小説で見事なツンデレを堪能してしまいました。
萌えの総合デパートや~♪
ツンデレでこんなに悶えるほど萌えたのは、かわい有美子さんの『透過性恋愛装置』以来でした。
ただ、『透過性~』がツン70%デレ30%なら、この『片思い』はツン99%デレ1%かな。でも大丈夫、その1%でハァハァできますw

ツンデレに大切なのは、「ツン」の部分だと思うんですよ。
中途半端な「ツン」じゃダメ。そのキャラに本気でムカつかせて欲しい。いい加減にしろ!と思わせてほしい。
その状態で引っ張るだけ引っ張って、焦らして焦らして、そしてやっとこさくる「デレ」。
もうね、天地の二、三個ぐらい簡単に創造できそうなぐらいのカタルシスを味わえます。

この小説の主人公の「ツン」具合は、そういう意味で徹底してます。
高校時代からの友人だった男(ゲイをカミングアウトずみ)に惚れてしまった主人公。しかもその友人は、昔からずっとバカにしてた相手なのだ。
そんな相手に惚れてしまった自分に苛立ち、苛立ちを友人にぶつけ、それでも好きで好きで。プライドが高いから自分からは口説けなくて。それ以前に、自分もゲイだということすら打ち明けられてなくて。
しかも友人は女と婚約しちゃってて――。

思い余った主人公は一計を案じます。
酔ったふりで誘惑して、一夜を共にするのだ。
そこまでの計画は成功するものの、一夜明け、その友人の反応を目にして、主人公はさらに傷つくことになります。
主人公の片思いに過ぎなかったこと。友人にとって、そのセックスはただの一夜のあやまちに過ぎなかったことを理解するのだ。
もうね、狂うほど切ないんですよ。

同時収録作の『花の宴』は、痛い木原イズムがたっぷり詰まった作品です。
ラストちょっと泣きました。
この二人の続編が読みたいな。

4

同時収録「花の宴」が面白い!

「片思い」受けのツンデレが微笑ましくって、(この作品の前に読んだのがWELLだったから余計に?)木原さんってこういう可愛い感じのも書くんだなぁ(*^_^*)・・・と
思ってたら・・やっぱりきました。
痛いのが!!同時収録「花の宴」。
痛い。激痛です。でもこの激痛が癖になるから困りものです(笑)
絶版ものなのでオークションで高値で購入したのですが、買った甲斐がありました。
雅人のその後がかなり気になる・・実父の残した言葉、義兄の心情も。
「花の宴」の続編って書かれてないんでしょうか?
う~ん!・・とにかく面白かったです(*^_^*)

1

ツンとデレの間で悶える

驚異のツンデレ受登場です。
ツンが9割9分9厘で残りがデレ、みたいな半端ないツンツンでした。
そこら辺のなんちゃってツンデレなんてお呼びじゃないくらい、受の吉本のツンツンぶりは激しく、攻の三笠を見てるともう可哀想な犬みたく思えてきますが、実は好きになったのは吉本が先。
なにこれなにこれ、ツンが行きすぎて拗らせてて堪らない!

プライドが高い故に、絶対に下手に出たくない吉本の不器用さに悶える。
紆余曲折あって最終的にはハッピーエンドなんですが、吉本がたまらなく可愛いかったです。
デレの部分がほんの僅かも、最後の最後の【デレ】が破壊級でした。
どんなに三笠が望んでも、せっついても、懇願しても脅しても『好き』と言わなかった吉本が、三笠が眠った後で囁くように「好き……」と言うんですが、そこがもう悶えるくらい可愛くて、もんどり打ちます。

3

プライド男の片思いは、哀れ可愛い。

主な登場人物は、三笠(攻め)、吉本(受け)、門脇(別作品の受け)という高校時代の同級生トリオ。高校卒業後は吉本と門脇は進学、三笠は就職と異なる道を歩み始めたものの、今でもよく三人で会っている。

ストーリーは吉本目線で進みます。ゲイの吉本は自他ともに認める美形で、スタイルも良く、頭も悪くない。自分に自信がある=プライドが高い男です。そんな吉本は実は、「迷惑なバカ」と高校時代からキツく当たってきた、三笠のことが好き …… 当然、そんな屈辱的な事実は受け入れられないんだけどねっ。「告白してきたら、受け入れてやらんでもない」くらいの気構えでいる吉本に、ある日、三笠が「女と結婚する」と報告してきて ー プライドの塊はさてどうする?というお話。

個人的にはいい塩梅の木原節です。吉本はイヤミな男だけど、プライドが高いだけで人間的にゲスというわけではない。プライドを守るために、ときには貧乏くじでも引かざるを得ないタイプ。「こいつ、実は哀れなヤツだな」と、けっこう周囲にバレてるんじゃないかな。だから自然と可愛く見えてきて、三笠が吉本に落ちちゃったのにも説得力を感じました(笑)

続編では吉本も社会人に。関連事業に携わっている三笠ともども、社員旅行に出かけていきます。イヤミに磨きがかかった吉本と、そんな吉本を持ち前のおおらかさと単純な愛情で包み込む三笠。本編よりだいぶ甘いバカップルに成長していて、一安心(?)です。

余談:
『片思い』は不思議なくらい、どのシーンも好きです。流れるように話が進む、というよりは、小説が「シーンの繋ぎ合わせ」で成り立っていることを実感させられる一冊。例え一場面だけ抜かれていたとしても、そこの文章が面白いから読んでしまうと思う。そういう意味でお気に入りの作品です。

2

表題作は痛くない

かなり古い作品なので、表題作は、木原さんにしては拍子抜けする程、痛くない、普通の意地っ張り物です。
それでも、攻めの三笠の鈍感さ故の傲慢さやつきあい始めてからの溺愛ぶりとか、受けの吉本のツン暴走とわかりにくいデレっぷりとかは、木原さんのキャラだなあって思います。

この本には表題作の他に、表題作カップルの数年後を、吉本の部下視点から描いた作品と、この2編とは全く無関係な独立した短編が収録されています。

独立した作品「花の宴」はちょっと痛めかな
痛いと言うよりは寧ろ、古典的な耽美小説の趣。
その昔の、少年愛物ってこんな風だったなあって、なんだか懐かしくてよかったです。

0

ツンツンです。デレナシ!だがそこが素晴らしくいい!!

BL殿堂入りで名前が出ていた作者さんのものを適当に数冊づつピックアップして買ったのですが、木原音瀬さん。
「片思い」3編入っていますが、最初の1編だけ読んで「きついな、これ…」と、一気に数冊買ってしまった事を後悔しました。
攻めが、、、バカ以外の何物でもないというか、受けが言ってますが、脳みそつるつるだと思いました。
こんな奴、嫌!!!と激しく思ったわけですが、2編目は1編目の続編で、、なんか、、非常にいいです。
1編目のなんだかガチャガチャしたような無理矢理くっつけたような変な感じがなくなっていて、キュ~ンwwwとキてしまいました。
ツンデレという言葉がありますが、この受けさんはツンツンです。
デレはどこにもない。ただーーーーし!!ツンはツンの甘え方があるんだなぁ、、と感心してしまいました。
非情によろしかったです。キュンwときました。

で、思い出したのですが、この作者さん今までに何度か買ってたわ。
私は、買って「チッ!失敗した」とか「ふ~ん」と思った作品はどんどん記憶の片隅に圧縮収納していくので忘れてましたが、背中に羽根があるとかいう「 place」、のっけからビックリ展開の「 WEED」を過去に読んでました。
「 place」は「へー…」と思いながら最後まで読みましたが、「WEED」は途中放棄しました。
自分の中では絶対に越えてはいけない線というのがありまして、「WEED」はのっけから余裕で越えました。
この後何がどうなろうとも知りたくねぇよ!!クソが!!と思う程度に越えました。

そして片思いを読み終わり今はデブ受けの「ドントウォーリーママ」を読んでいるのですが、読んでいて思い出した作者さんがいました。
砂原糖子さんの「イノセンス」
非常にいい作品だと思ったし、MY殿堂入りでもあるのですが、なんというか、、危険な線を攻めてくるというか、、なんというか、、マイノリティにズバッ!と斬り込んでくるというか、、「イノセンス」は私の殿堂入りではあるのですが、砂原糖子さんは私のNG作家さんです。
文章は凄くうまいとは思うけど、ちょっと娯楽じゃないというか、、真面目になってしまう考え込んでしまう作家さんで、木原音瀬さんもこの先読んで行けば多分、、NG作家さんになるような気がしています。
巧いけどきっつーいところを攻めこんでくる、純粋に娯楽として読めない作家さん。

0

意地っ張り

受けがすごく意地っ張りなツンデレ君でしたw
吉本はある日突然、友人の三笠の結婚宣言を聞かされます。
それに吉本は激怒。なぜなら三笠は自分はゲイだとカミングアウトし、今まで吉本達友人を散々困らせてきた男だったのです。
三笠が惚れっぽい性格らしくwこれまで散々恋に失敗してきたそうですw
でも実は吉本もゲイで。なので三笠がこんなオープンで、当時自分が好きだった相手にもあっさり好きということが許せなかったらしく、日々三笠にきつい言葉を投げかけていました。

三笠の結婚宣言を聞きそれが嫌だと思う吉本。
なんとしても三笠を結婚させまいと思考を巡らせますw
もうね、吉本の意地っ張りは異常ですw「自分から好きというのはいやだ」とかなかなか素直にならないんですよね~
ダメ男×意地っ張りなカプでした。
『恋は盲目』は7、8年後の話で、吉本の部下の磯崎視点。吉本ツンツンしすぎですw磯崎がちょっと可哀想w
でも三笠を見るとほんと"恋は盲目"って感じがしました。どんなに吉本に怒鳴られても「あいつはああいう奴だから」とか三笠いい奴すぎる!

『花の宴』はまた表題作とは別の話。
父×息子のドロドロ近親もの。木原節炸裂な話でした。
もうだんだんお父さんがおかしくなってしまいます。まさに痛くて切ない話でした。
表題作もよかったですが、やはり木原先生のこういう話も好きですね。

3

ひねくれもの萌え

昔からずっと嫌いだと思ってきた男に浮上した結婚話。
主人公の吉本。それですぐ自分の気持ちに気づくのかと思いきや遠い遠いまわり道のすえとんでもない行動にでてしまう。このひねくれっぷりが楽しかった。

物語の中ではちょっぴり嫌なヤツに分類したくなりますが、この彼の葛藤やらあまのじゃくな行動にすごく共感してしまいまして。

続編は第三者視点の主人公カップルのお話。主人公の磯崎くん(就職した吉本の部下)がひたすら不憫です。これを読んで吉本がツンデレであることに気づきました。
三笠がとことん彼を甘やかしてるのが笑えます。
わーなんだこのバカップル。
この二人ベッドの中だけ関係性が逆転……とか勝手に想像して一人萌えております。
別にツンデレ単体にはそんなに萌えないけれど、それを含めた関係性には萌えるなあ。婉曲的。

甘甘な二本と比べて『花の宴』はなんともJUNEのかほりの漂う重い話でした。
連れ子同士の再婚。
父と義兄の関係。
義兄への想いと行き場を失った反感。
そして義兄は亡くなり壊れていく一家と父親。
一族の血。
なんていうかもうドロドロ!
だけど個人的にこういうテイストは嫌いじゃないです。

3

痛くない木原さんと思いきや…

表題作と、短編。
おお、これは痛くない木原さん作品だなーと思ってたら、本編じゃなくて同時収録の読みきり短編の方が痛い系来たですよ!
話的には、自分は表題作より「花の宴」の方が好みです。

「花の宴」
両親離婚後、父親に引き取られている雅人。
父親は再婚しますが、雅人はこの義母とは折り合いが悪く嫌われている。
そんな時、雅人は、連れ子の義兄と父親がセックスしているのを見てしまうのですな。
しかし義兄は病気で死んでしまい、そして父親の真意が判明する。
病み系の父親の狂愛の対象は実は、息子である雅人にあった。
ラストは悲劇的に終わりますが、病み系攻+実父子というのが萌えツボに入りました。これでがっつり一冊読みたかったと思わせる短編。

本編の「片思い」はツンデレ受のツン具合が可愛くて、ツンツンツンと来てデレ来たよって感じ。
自分は基本的には健気受スキーなので、ツンデレにはさほど萌えないタイプなんですが、吉本〔受〕はツン部分が特に可愛かった、これは良いツンデレ。

0

未だ定義なき時代の…

表題作の主人公・吉本は、今でこそ『ツンデレ』と即断される性質だと思われますが、この単行本が出版されたのは2001年。雑誌掲載は何と1999年(実に10年前!)、あとがきによれば原型はさらにその2、3年前だったとあります。年代ものですね!
簡単にツンデレと書きましたが、吉本の『ツン』部分の強さはプライドの高さから由来しています。その高さ山のごとし、ナルシスト吉本。ゆえに自分から告白なんて有り得ない!しかもあんなホモ(ちなみにゲイという言葉は作中に無かったような…)のくせに女と結婚しようとするような男、に!というわけで起こした行動が酔ったふりの誘い受け!しかも思いがバレても好きとか言わない!「大嫌い」と言う!…と、これらの『ツン』部分の徹底さがさすが木原先生だぜっ…それでこそ最後の最後のデレが光るってものですよな。と思いました。
しかし続編「恋は盲目」での吉本係長は…使えない部下を鍛えるために厳しくしてるのかもしれませんが、もうちょっと態度をどうにかした方が…ナルシスト要素も強いような。三笠にメロメロになってるのは面白かったのですが、もう一つ楽しめなかったかもしれません。

そして「花の宴」。これはまた暗いしおどろおどろしい…。そういう雰囲気は嫌いではないので結構楽しめたのですが、どうせならもっと読みたい分量だったので、残念でした。雅人君と政宗君のその先は無いのでしょうか?一人称なのに神(語り手)の視点が入るのも何だか不思議な心地でした。

一冊を通しての統一感に欠けること、萌えの満足感ももう一歩だったことからこちらの評価です。
…辛すぎかな…。

1

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