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koi suru hoshikuzu BLSF anthology
絶妙にブックカバーにはまってくれない、あのハヤカワ文庫サイズで580P超の分厚さ。
なんて読み応えのあるアンソロジーなのでしょうか。
男性同士の恋愛を描くBLというジャンルに、SF要素をプラスした短編小説10作とショートコミック2作が掲載されている今作。
1作あたりの長さも読みやすく、1作1作が濃くて本当におもしろかったです。
普段BLを執筆されている印象がなかったSF系作家さんの作品が読めるのもすごく新鮮でした。
これはもう、まるで宝石箱のような1冊なのではないかと思います。
近未来、現代風、どこかにある架空の世界。
AIのようなシステムに生活を管理されることに慣れた人々や、科学技術によって寿命を超越した人々。
脳の乗り換えが可能になっている、今後もしかしたらあり得るかもしれない世界。
海からの脅威に歌い戦うファンタジー要素が強い作品もあれば、オメガバースの発見を描いた作品もあり、バース性を別の種族と角度からアプローチした作品も…と思いきや、ある日突然精子が死ぬ音が聞こえるようになってしまった1人の男性の苦悩の日々が描かれた異色作まで。
物語の舞台や設定はまさに多種多様。
とてもバラエティに富んでいて、どこを読んでも魅せてくれます。
SFとBLって、思っていた以上に相性がいいのかもしれませんね。
どの作品もカラーが異なっていて楽しんで読めたのだけれど、中でも榎田先生・木原先生・尾上先生の作品に心惹かれました。
特に木原先生はいったいどうやってこの設定を思いついたのだろう…
発想も話運びもおもしろくて、気がつけば没頭してページをめくる自分がいました。着地点がまたすごい。
近未来や、少々癖のある設定がお好きならきっと好みの作品が見つかるはず。
一気に読みふけりたい方にも、ちょっとずつつまんで読みたい方にもおすすめです。