拾われ令息は堅物探偵に愛される

hiroware reisoku ha katabutsu tantei ni aisareru

拾われ令息は堅物探偵に愛される
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
4
得点
26
評価数
11
平均
2.7 / 5
神率
0%
著者
志波咲良 

作家さんの新作発表
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イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403526145

あらすじ

闇医者だった養父を亡くし貧困街で便利屋を営むシオンは、ある日探偵に声をかけられる。その男ロイドはシオンが身につけるペンダントを見て顔色を変えた。ペンダントの出所を知りたがるロイドに貧困街を出るだけの金を要求するシオンだが、ロイドにうまく丸め込まれ報酬と引き換えに彼の仕事を手伝うことになる。日々をともに過ごし、依頼をこなしていくうちに、二人の間には信頼関係が芽生えていく。シオンはロイドと離れがたいとも感じ始めていた。ところがある任務の最中、シオンが養父に拾われる前の失われていた記憶が蘇り……? 過去ありのクールな探偵×記憶喪失の甘ちゃん便利屋、シネマティック・ラブ!!

表題作拾われ令息は堅物探偵に愛される

裏社会専門の探偵、25歳
無戸籍の便利屋、18歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

怒涛の燃料投下にやられた

説明が多い導入の会話のテンポがあまり心地が良いものではなかったからなのか、メインキャラクター2人に惹かれるまで時間がかかりました。
それゆえに、ちょっと掴みは弱く感じてしまいましたが、気がつけばするするっといつのまにか良い関係性のバディになっていくではありませんか。
取引をきっかけにひとつ屋根の下で共に暮らしながら、探偵業を交えて少しずつ心の距離が近付いていくロイドとシオン。
他人状態だった2人の歩幅がだんだん揃ってきているのが分かるんですよね。
じわじわ縮まる距離感が良かったです。

しかしながら、ここまでバディ感があると恋愛要素がやや唐突な気も。
BLというよりも、どちらかというと探偵バディもの寄りな印象が強かったです。
ただ、前半から後半にかけての色味の違いがおもしろくって!
なにかありそうな2人の暮らしを追いかけていると、前半と後半で見えるものががらりと変化する仕掛けに見事に引っかかってしまうんです。
これには思わずおおっ…?!となりました。
なにかがあるとは思っていたけれど、なるほどそっちにそれがあったのかと一気に掴まれましたね。おもしろかったです。
そして、視点違いが1番いいところで絶妙に効いてくる痒いところに手が届く素敵仕様となっています。

恋愛面と、この2人の関係性での性描写は自分のツボとは若干異なってはいたものの、後半が非常に良かったので3.5寄りのこちらの評価になりました。
中盤までをもう少しすっきりとリズム良く読めれば、具材が多い後半がもっと盛り上がったかなと思います。

0

探し求めたのは大切な貴方

今回は裏社会専門の探偵と無戸籍の便利屋のお話です。

貧民街で便利屋として生きる受様が
探偵の攻様との出会いで過去と未来を手にするまで。

受様は幼い頃に馬車で大事故に遭い
御者らしき人物の死体が手にしていたペンダントを手に
痛む体を引きずって森の中をさ迷っていたところを
養父となる闇医者に助けられます。

養父は冤罪で医師免許を剥奪されてすべてを失って
貧民街で隠れ住んでいても人々を救い続けた元貴族で
受様は名を与えられて大事に育てられます。

しかしながら受様は記憶も戸籍もなく
3年前に養父が亡くなると日銭を稼ぐために
便利屋となります。

そんな日々の中で夏なのに薄手の黒いロングコートを纏い
およそ貧乏人には手が出せない牛革ベルトの時計をした
眼光鋭い攻様に「どこのシマの者だ」という問いかけられ
受様は小心者を装って嘘で逃れようとしますが

受様の化けの皮はあっという間にはがれ
攻様の視線が外れた主観にで逃げを打ちますが
硬い表情の攻様は逃してくれません。

受様が攻様の手を振り払う為に腕を振り上げた瞬間
はだけたシャツの間から件のペンダントが飛び出すと
攻様が大きく目を見開いてペンダントをみつめ
受様のものか、どこでに入れたかと問うてくるのです。

受様はコレを手にしていた状況を口に出しかけますが
攻様の焦り方と余裕のなさから情報料を得ようと試みます。

しかしながら攻様は受様の情報の信憑性があったら
払ってやると後払いを提案してくるのです。

しかも裏社会専門の探偵だという攻様の仕事を手伝う事で
報酬を支払うと潜入捜査に連れ出されて!?

闇医者の養父を亡くした無戸籍児の受様と
ある事情で闇社会専門の探偵をする攻様の恋物語になります♪

受様は養父に助けられる前の記憶がなく
名前も養父にもらって貧民街で育ちますが
基本的に素直な性格なので裏社会の探偵なんて
危険な生業をする攻様には何をしてもほぼ勝てません。

最初は報酬のために攻様の助手をするのですが
誰かを救う手助けをする事、それで感謝される事で
少しづつ攻様都の課関係性も変わっていきます。

そしてある貴族から臓器密売に関するを受けた事が
受様の養父との関わっていき
受様の失った記憶へつ繋がっていく展開は
攻様との関係も変えていく展開でハラハラ&ドキドキ!!

受様が攻様を生涯をともにする相手として手に入れるまで
楽しく読ませて頂きました (^-^)/

伏線は丁寧に張られていますが
後半部が駆け足で怒涛な展開なので
山場までの配分はもっと考えて欲しいかなと思いました。

0

最初と最後で見える景色が変わっていく謎解きの面白さ

結構謎解き要素がつよつよの物語です。

主人公はスラム育ちの便利屋の青年。闇医者だった養父も亡くなり、独りぼっちで不安定な生活を送っているのに、タイトルでは"令息"となっている点にご注目いただきたい。
まー…なんというか、ワケアリ感がプンプンです^ ^
シオンが身につけているペンダントを見て、食い入るように質問攻めしてきた、これまた事情アリの探偵の反応からしても、何かありそうなのが見てとれます。

令息というワードは、後半にさしかかる時点までは特段存在感の強いワードでもなく、正直私も忘れかけてたくらい。でも、とある探偵の依頼内容と事件の全貌がこの「令息」と言われる謎解きにも繋がってきて、過去にシオンの身に起きた事件と現在の事件を結ぶ鍵になっていくのです。
そうなるとですね、前半部に色々な伏線があったことに気付くわけ。養父との関係もそうだし、ロイドの試着室での反応もそう。シオンの過去と出自が明らかになっていくと、この物語ってこんなにも色んなことが複雑に絡み合う深い話だったのねと、ただただ感心するばかりでした。


スラム育ちの便利屋の青年が、裏社会の探偵とひょんなことから利害が一致し、バディのように探偵稼業に精を出していくのが一応の物語のベースです。この2人の関係が運命的な縁にも派生していくストーリーは、読み応えたっぷり。事件と謎解き要素が強くとも、BLとしての存在感もちゃんとあるので、恋愛模様も楽しめます。
最初の対立モードのロイドとシオンが、共に生活し、共に仕事をしていくうちに恋心が芽生えていくのはBLパートの見どころです。お互いの好意が見え隠れしていく仄かな恋心を見守る度にドキドキいっぱいでした。


後半……とりわけ、終盤は怒涛の伏線回収なので見逃し厳禁でお願いします( ´∀`)
こんな事実が、こんな事情が、とシオンを取り巻く謎が一気に回収。養父の思い、ロイドの覚悟……そんな背景をしっかり感じては胸がジンワリと温かくなりました。
最初と最後で見える景色が違うのも、この作品の味。便利屋と探偵の関係で始まったロイドとシオンの関係がどう変化し、どんなエンディングを迎えるのか最後まで見届けて下さいね^ ^

1

過酷さと優しさの世界

二度目ましての作者さんです。
読み慣れないからか時間がかかりました。

二人のこれまでを思うとヒリヒリするというか泣けるというか。
スラムで必死に生きて。絶対に忘れられない存在を想いながら。

二人暮らしでだんだん打ち解け心を許していくのがとても良かったです。
善き相棒として一緒に依頼をこなし、守られたり。
しかしあの時もこの時もロイドは…。はーーー!!!

なんとなくそうかな?な予想通りな展開でしたが、これまでの人生の過酷さを想うと、そしてロイドの覚悟を知ると…。

最善なラストなのかな?
ロイド視点もあったら良かったなあ。

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