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hiroware reisoku ha katabutsu tantei ni aisareru
結構謎解き要素がつよつよの物語です。
主人公はスラム育ちの便利屋の青年。闇医者だった養父も亡くなり、独りぼっちで不安定な生活を送っているのに、タイトルでは"令息"となっている点にご注目いただきたい。
まー…なんというか、ワケアリ感がプンプンです^ ^
シオンが身につけているペンダントを見て、食い入るように質問攻めしてきた、これまた事情アリの探偵の反応からしても、何かありそうなのが見てとれます。
令息というワードは、後半にさしかかる時点までは特段存在感の強いワードでもなく、正直私も忘れかけてたくらい。でも、とある探偵の依頼内容と事件の全貌がこの「令息」と言われる謎解きにも繋がってきて、過去にシオンの身に起きた事件と現在の事件を結ぶ鍵になっていくのです。
そうなるとですね、前半部に色々な伏線があったことに気付くわけ。養父との関係もそうだし、ロイドの試着室での反応もそう。シオンの過去と出自が明らかになっていくと、この物語ってこんなにも色んなことが複雑に絡み合う深い話だったのねと、ただただ感心するばかりでした。
スラム育ちの便利屋の青年が、裏社会の探偵とひょんなことから利害が一致し、バディのように探偵稼業に精を出していくのが一応の物語のベースです。この2人の関係が運命的な縁にも派生していくストーリーは、読み応えたっぷり。事件と謎解き要素が強くとも、BLとしての存在感もちゃんとあるので、恋愛模様も楽しめます。
最初の対立モードのロイドとシオンが、共に生活し、共に仕事をしていくうちに恋心が芽生えていくのはBLパートの見どころです。お互いの好意が見え隠れしていく仄かな恋心を見守る度にドキドキいっぱいでした。
後半……とりわけ、終盤は怒涛の伏線回収なので見逃し厳禁でお願いします( ´∀`)
こんな事実が、こんな事情が、とシオンを取り巻く謎が一気に回収。養父の思い、ロイドの覚悟……そんな背景をしっかり感じては胸がジンワリと温かくなりました。
最初と最後で見える景色が違うのも、この作品の味。便利屋と探偵の関係で始まったロイドとシオンの関係がどう変化し、どんなエンディングを迎えるのか最後まで見届けて下さいね^ ^
二度目ましての作者さんです。
読み慣れないからか時間がかかりました。
二人のこれまでを思うとヒリヒリするというか泣けるというか。
スラムで必死に生きて。絶対に忘れられない存在を想いながら。
二人暮らしでだんだん打ち解け心を許していくのがとても良かったです。
善き相棒として一緒に依頼をこなし、守られたり。
しかしあの時もこの時もロイドは…。はーーー!!!
なんとなくそうかな?な予想通りな展開でしたが、これまでの人生の過酷さを想うと、そしてロイドの覚悟を知ると…。
最善なラストなのかな?
ロイド視点もあったら良かったなあ。