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表題作と続編の2本収録されています。
「純愛のジレンマ」
由比の目線で進みます。
由比(受け)はいきなり拉致され、父親の入院と跡継ぎ教育を受けろと大津(攻め)に言われてマンションに隔離されます。大津の上から目線な教え方に反発を感じる由比。高校受験の際に、勉強を教えてくれたと告げられても、由比は大津を覚えていません。おまけに酔ったおしおきに強姦されてしまいます。翌日から、久しぶりに会社や大学へ行かせてもらったものの、周囲の人達の変貌に衝撃を受けた由比は、大津の前で泣いてしまい…。
「純愛の微熱」
大津の目線で進みます。
表題作の後日談。同居を始めて2週間、大津はそろそろ限界で…。
裸で寝た翌日、大津が風邪をひいてしまい、由比が看病をするというオチでした。表題作より長いバスルームでのエッチは読み応えありました。
「巻末マンガ 朝食」
イラストを描かれた奥貫先生のマンガ、2ページです。
先に出かけるから、と告げて立ち上がった大津。すぐに片づけるからと袖をまくって茶碗を洗う大津の姿に見とれる由比でした。
でも、一度に洗うから持って来い、と言う大津ですが、「茶碗洗う=食事が終わる」なので、一緒に出かけたら良いのでは…ひょっとしてそれが狙い?と思ったりしました。だとしたら、大津が可愛い。
作者様があとがきで書かれてましたが、表題の「純情」なのは大津でした。7年前からずっと好きだったという。ただ、「ジレンマ」の方はもう少し欲しかったです。大津が由比を好んでいるのは、ちょこっと透けて見えたのですが、それでも牛詰めに知識を押し込む教育方法やため息をつく態度はどうなんだろうと感じ、由比がなじった言葉に同感でした。「由比が社長になってしまえば、もう想うことさえできない」「でも、恩人に頼まれたのだから立派な跡継ぎに教育しないと」でしたら、分かりやすいジレンマだったろうになと思いました。とはいえ、大津にしては、由比には忘れられているわ、以前の言うとおりにしたら文句言われるわで寂しかったかもしれませんが…。
奥貫先生のあとがきに、マメ柴な由比が登場します。頭をぽんぽん、ってしてあげたくなる、もふもふぶりでした!
分かりにくい優しさの年上攻め、素直だけど負けず嫌いな年下受け、再会もの、大人の純情(笑)がお好きな方にお勧めします。