条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
kimi wo wasureta boku to koi no yuurei
タイトルに「幽霊」とありますが、"ゴースト"の幽霊とは無関係。全然怖い話じゃないです( ´∀`)
記憶を失った奏汰と、彼に寄り添う葵……大事な記憶がスッパリなくなったことによって、すれ違ったり勘違いをしていく切な系ラブストーリー。自分に好意を寄せる葵と共に『恋人としたい七のこと』を実行しながら、失われた記憶や蓋をした恋心を取り戻していきます。
しかしながらその過程は容易ではないし、恋愛事に関して言えばいかんせんもどかしいし焦ったい。記憶の核心に迫りたいのに迫れない奏汰と、奏汰が思い出してくれるのをひたすら待ちと続ける葵のせめぎ合いは、なかなか時間がかかります。
特定の期間の記憶がないのはある種の防衛反応じゃないかと。ポッカリと記憶が消えた空白期間に、きっと2人の間に何かあったのだと想像するに容易いです。
葵はただただ奏汰を好きだと言うばかりで、過去の詳しいことはあまり言わず、嘘を言ってる感じもある。そこには奏汰の亡くなった弟が関わっている節もあって、記憶喪失の裏には2人にとって…または3人にとって大事な鍵が隠されています。
それに迫るには自分の中にある葵への恋心にも向き合う必要があるけど、記憶を失った時点では葵への好意も忘れてしまっているので、2人の関係を再構築しなきゃなりません。世話焼きワンコの葵の過保護ぶりに戸惑いながらも、奏汰は恋の芽吹きを感じるところとなります。
奏汰にガンガンアプローチして好意をたくさん伝えていくことで、葵は何かを訴えようとしていますし、葵の行動の意味…『恋人としたい七のこと』のリストを奏汰と1つずつ叶えていくことも、奏汰へのメッセージとなっています。
葵がなかなかキスをしてくれないこととか、終盤の謎回収に向けての伏線がいっぱいなので謎解きゲーム的な面白さもあるのがイイですね^ ^
これまで奏汰が目を背けていたことが、奏汰の記憶喪失をキッカケに露わになっていきます。長年自分の気持ちに蓋をしていた奏汰の頑なな想いをこじ開けるチャンスのとき……が、しかし。記憶を呼び戻すにつれて、葵と一緒にいられない理由も思い出すことになります。
奏汰は葵の想いに応えられるのか。過去を振り切り未来に向き合えるのか。恋人としたいリストに込められた思いとは……などなど。葵と奏汰の恋の結末がどうなっていくのか目が離せません。
自分の気持ちにようやく素直になった奏汰は必見です。かなり遠回りした2人の恋の歩みの終着点を最後まで見届けましょう^ ^
受けの記憶喪失から始まるお話。
全体的に穏やかな切ない雰囲気でストーリーが進みますが、ありがちな記憶喪失ものではなく一捻りある展開が随所に見られ、最後まで楽しく読むことができました!
受け視点なので、攻めはずっと寡黙でミステリアス。行動力で示すタイプで過保護に世話をしてくれる様子から受けは徐々に心を開いていきます。
この2人、実は…な関係性なのですが、ここは大事なネタバレなので語らずにおきます。
受けの亡くなった弟くんも大事な存在。私には君が太陽のように感じられたよ。。
伏線から想像し得るその後の展開を良い意味で裏切られることが多く、お話の構成力に驚くばかりです。(下手に書いてしまうと面白みが無くなってしまうので、私のレビュー力では語れることが少ない…!)
BL要素な面で語りますと…
割と重めな執着攻めで、とにかく受けの親友(元セフレ)の話題は地雷で嫉妬爆発、後に親友と3人での飲み会をセッティングさせ直接牽制。
受けに長いこと翻弄されてきた為とにかく「過去の男の存在」に敏感で、年上の受けに甘えられると喜び、自分が「受けの初めて」だと分かるとギラギラします(笑)
受けの頑なさも複雑な関係性も、長い時間をかけてこんがらがっていた糸がするすると解けるような結末で良作だと思います。
手嶋サカリ先生の次回作また楽しみにしています。
葵×奏汰
14年間の記憶を失ったホラー小説家・奏汰(29)のもとに現れたのは、
自分の恋人だと名乗るイケメンの葵(26)。
奏汰が持つ「恋人としたいリスト」がすべて終わるまでという条件で、強引に同居生活が始まってしまう。
葵の優しさに潜む強引な執着とスパダリ度がいい。
そんな葵に惹かれていく奏汰が迷い悩みながらも、
まだ恋人になりきれないままエロ行為を繰り返す2人。
少しずつ日常を重ねる中、
じわじわどころか奏汰のいじらしさ(いやらしさ)が刺さる!
(全体的に予想以上にエロい。)
記憶喪失ものの王道かと思いきや、
次第に明かされていく2人の複雑な関係性――
奏汰の周りの人々から知る葵のことや、
奏汰が書いた「幽霊」に秘められた恋心。
奏汰の記憶が蘇り始める中で、
葵の同級生でもある奏汰の弟との三角関係。
葵の一途さ、
弟の隠された本心、
奏汰が抱く弟への特別な感情。
絡み合うそれぞれの想いが切ない。
奏汰が持つ「恋人としたいリスト」の真の意味にたどり着いた瞬間、感動で心が震えた。
10年以上のすれ違いを乗り越えて──
ラストで心が温かくなりました。
明るい雰囲気のお話をお求めの際には向かないかもしれませんが、スタンダードには進まない、一風変わった切なめのお話をお求めなら楽しめるのではないでしょうか。
いわゆる記憶喪失作品の中でもあまり見かけないひねりが効いていて、作家さんの話作りの上手さが光る作品でした。
記憶を失った主人公と、主人公の恋人候補としてのお試し期間中だったと語る年下の青年が半同棲生活を送りながら、記憶からパッと消えてしまった大切ななにかを拾い集めていくお話。
失った記憶と恋人としたいことリストの設定からして、これは本来ならばメイン2人の恋愛面に注目するところだとわかってはいるものの、本音を言うと恋愛面ではないところに目がいってしまいましたね。
BLのLの部分がちょっともどかしすぎたのと、メイン2人にこれ!と強く惹かれるものが感じられなかったからなのかもしれません。
思っていたよりも性描写が多めだったのも、しっとりとした作品の雰囲気には合っていなかったような気も。
うーん、どちらも好みによるかな。
作中のあちこちになんだか匂う箇所がちらほらとあるものですから、途中までは「きっとこんな感じになるのだろうな」と、読みながらついついぼんやり考えてしまうのです。
でも、奏汰とともに記憶のかけらをひとつずつ拾い集めていくうちに、おやおやおや?と予想とは少々異なるひねりのある展開になっていくんですね。
伏線はここだよと匂わせながら、予想通りにいってくれそうでいってくれないおもしろさがあります。ここがよかった。
恋愛面とキャラクターに関しては好みど真ん中とはなりませんでしたが、意外性のある話運びは好みでした。