きみがいなくなっても教室はそこにある

kimi ga inakunattemo kyoushitsu ha soko ni aru

きみがいなくなっても教室はそこにある
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
12
評価数
3
平均
4 / 5
神率
33.3%
著者
おにぎり1000米 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
星名あんじ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344854703

あらすじ

「きみがいなくなっても教室はそこにある」――かつて王立学院で魔術師を目指していたにもかかわらず、十年前の〈ある出来事〉をきっかけに魔力欠如者となったソール。現在はしがない古書店店主として、控えめな暮らしに身を置いている。そんな彼の店を訪れたクルトは、身分と容姿、能力を兼ね備え、魔術師としての将来を嘱望される完璧な学生だった。 学院の日々を想起させるクルトにソールは反発しながらも惹かれていき、クルトは魔力欠如ゆえにソールに興味を抱く。しかし十年前に何もかもを失ったソールには自尊感情がなく、クルトへの想いを押し殺すばかり。正反対のふたりの恋のゆくえは――? ある日店を訪れたのは、魔術師を志す学生・クルト。身分だけでなく見目にまで恵まれた彼の、”存在している”だけで放散される巨大な魔力に、ソールは学生時代の自分を重ねていた。出会いこそ剣呑だったがクルトはソールへの想いを募らせ、一方で心のひずみを抱えるソールは感情を押し殺すことしかできない。激しい衝突を経て、ソールを蝕む苦しみを心で捉えたクルトは、自分の意志である決断を下すことに――……?

表題作きみがいなくなっても教室はそこにある

クルト・ハスケル、貴族王立学院の最終学年学生
ソール、魔力欠如者となった古書店店主

その他の収録作品

  • 書き下ろし:口づけで封印

レビュー投稿数1

恋に目覚めた年下攻め最強

「魔力」や「魔術師」のワードが色々出てくるお話なので、ゴリッゴリのファンタジー物語かなと思っていたのですが、登場人物たちの繊細な機微に触れるストーリーだったなって印象でした。
人間関係や心理描写といった内面のところで魅せていくお話で、もんのすっごいページあるんですけど、そのボリュームのぶんだけ物語の進みが非常に丁寧。なめらかな筆致と品のある文章は読みやすかったです。


物語はいうと、出会いは最悪だった2人が次第に惹かれ合い、愛し合うようになっていくというもの。年齢差10コくらいある歳の差BLです。
感じの悪い古書店の主人と、これまた感じの悪いインテリ学生との"感じの悪い"出会いから始まるお話。マイナススタートの初見がどうやって恋に発展していくのかドキドキしました^ ^

ミステリアス美人な古書店の主人であるソールに、冷たくあしらわれた将来有望な貴族学生・クルトの心情変化と態度軟化はかなりの見どころです。
ここまで変わりますか?ってくらい、ソールにベタ惚れになっていくクルトが最高!
貴族の子息なのにご飯を作ったりしてソールの世話を焼くわ、暇があればソールを探すわ会いにいくわの大型ワンコ^ ^ ソールに好意を持ち始めてから嬉しさのあまり、歌を歌いまくって皆に揶揄われるルンルンなクルトがめちゃ可愛いかったです。

そんなことも含め、年下のクルトの若さ故の勢いあるアプローチに何度キュンしたことか分かりません(*´∀`*)
恋を知り、愛を抱き、欲を覚えていくクルトのアツい想いは、ものすごく真っ直ぐで健気。将来有望のお坊ちゃんだけに、外野の煩わしい声や妨害がウザったいですが、そんな声にも負けずソールへの気持ちを貫こうとする熱量はさすがです。
想い合っているのに、ソールの置かれた複雑な立場やクルトの家柄が足枷となっている状況は切ない……。それでも逢瀬を重ね、愛の言葉を交わし合う2人の恋人同士の時間は胸アツなひとときでした。


そんな2人の恋愛ですが、歳の差ラブをただただ堪能するってわけにはいかず、ソールが魔力を失うことになった過去の言及、禁書となった〈本〉についての謎にも迫る展開もあり、ストーリーはなかなかに複雑な様相を見せていきます。
クルトとソールの愛の育みはしっかりとあっても、2人の背景にある色んな制約やしがらみのせいで、どことなく距離を感じる感触にモヤっとすることも。クルトから激しく求愛されているのに、卒業までの関係だろうと、クルトの愛に思いっきり寄りかからないソール心の寂しさはやるせない思いでした。

ワケアリ店主に恋した学生の執着や愛の重さはハンパなく、好きな人の側にいたいと強く願う年下の本気にはめちゃシビれましたヽ(´▽`)/
最初のあのツンはどこへやら(笑)ソールに恋することでどんどん男前度が上がっていくクルトの成長を見守るのが楽しくて堪りませんでした。


全体的には納得のエンディングでしたが、細かいところでいくつか気になる点があったので、完全スッキリ!……とはならなかったです。
クルト父が2人のことを認める姿勢がハッキリと分からないうちは完全なハッピーエンドではないのかなと思います。「今のところ好きにしろ」って……また今後何かしてくるかも知れないわけで。どうなるか分からないのって逆にこわい…
まぁ素敵な結末なのは間違いないですけどね。

このまま、未来永劫2人がずっと幸せであることを願っています(´∀`*)

1

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