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migawari doushi no futsugou na renai
お見合いに代理人として現れた者同士がくっつく話でもあるし、同性愛者の息子を受け入れられない親と子の争いでもある話。理解できない親は悪、ゲイは可哀想、とゲイにだけ過度に寄り添う安定のBLだった。
景と聖哉の出会いは見合いの場。景は代理で出席し、別人だと騙す役割。対して聖哉は最初から謝罪している。相手がそう出たから自分もバラしただけの景に惚れるなんて、聖哉はよほど出会いがないのかと思ってしまう。
会話は探り探りで回り道しまくりなのに、聖哉の距離の詰め方は明らかに友人以上で積極的。ただ、“対等”と言いながら、食事全奢りや受け攻めが相談なしに決まっている等、所々引っかかった。何度も言わなきゃ気にならなかったのに。
一から十まで気遣う聖哉の振る舞いは、相手を子ども扱いしているように見えた。
見合いの種明かしは、親が景を騙したという話で、親子の話し合いは胸糞。どちらも相手を理解しないで、自分が理解してもらえないことで頭がいっぱい。親の願いが古い価値観であっても、歩み寄ろうとする母に呆れる景に不快になる。
異なる価値観を認めないのは親も子も同じで、どちらも自己中。景が一方的に正しいように描かれるのは、違和感しかない。相違でなく正誤の意識が前提にあるのが透けて見える。
まあ見合いのセッティングは親に問題ありとは思う。相手に失礼。
対等や多様性といった単語を都合よく使うってこういうことかと思った。そんな聞こえの良い言葉で飾らず、自己弁護や正当化も抜きにして、むき出しで話し合ってくれたら心に刺さったんじゃないかな。悪者になる覚悟の一つでも持ってからやり合って欲しい。あれなら話さず縁切る展開の方がまだマシ。
とはいえ、多くのBL支持者の価値観には合うんだろうと思う。よく見る描き方なので。
年上(31)×年下(28)
ゲイ×ゲイ
二人の間の、大人の駆け引きみたいな雰囲気がエロい。
攻めの、受けに気づかれない程度に口説いてる感じ好き。
なんと言っても父親がカス。同性愛者の息子を否定はしないけど、認めもしない。
「女と付き合えば考えが変わるんじゃないか?」なんて……それで性的指向が変わるわけないだろ、まず無理やり変えるもんじゃねえとイライラ。
自分の子に、異性と結婚して子を作ることが幸せだ、と押し付ける親が本当に気持ち悪い。
しかし! 親の言いなりにならない受けが本当に偉い! 強い! 「変わろうなんて思ったことも考えたこともない」って読み手を安心させる一言に感動。
「俺は男としか付き合えないし、今で充分幸せ」と父に言うけど、「女と結婚しても幸せにはなれない」って肝心なことを伝え忘れてるよ……大事な事だからそれも言わなきゃ……。
もちろん攻めも強い。お互い家族と関係が悪くなるかもしれない、それでも俺は君が欲しい、という攻めの、BLの鑑みたいな告白。
最後はちゃんと解決して終わる。お互いの親は昭和に取り残されてるだけで、あと少しで時代に追いつくと思う。
意思の強いカプに拍手。
従兄弟に自分のかわりに見合いに行ってくれと頼まれた景、ところが行った先には見合い相手の兄がいて…という話。初対面から彼が気になり向こうも幾度となく誘ってくれるけれど彼の指向はどうなのかが分からない。
探り合いの緊張感とか、会話の端に感じる好意とか…2人はどうなるんだろうと読んでいて先が気になって気になってお互いの家族との関係も色々とあり…。エレベーターのシーン好きだったな