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harutsugegedori ha koi o hakobu
和菓子の美味しさ、和歌の美しさをじっくり堪能できる作品だった。相変わらず文章は読みやすく、和菓子は美味しそうだし知識も増える。
年齢のせいかクリームたっぷりの洋菓子より和菓子のほうが好ましく思えるようになってきていることもあって、こういうしっとりした話はすんなり入ってくる。
苦い恋を経ての大人の恋愛という感じで甘さは控えめだけど、激しくはないがしっかりR18なシーンもあってよき。
ゆったりしたい日に読むにはちょうどよかった。和菓子を買ってきて、冷たいお茶とともにもう一度読みたい。
社長命令で和菓子の引き取りに『満珠庵』を訪れた秘書の十織さん。でも、なぜか人気商品でお祝いの品でも
ある「紅白梅もなか」を見た途端、体調不良となり…
そして、四季折々の素敵な和菓子に思いを馳せながら、
和菓子を愛し続ける『満珠庵』社長の和音さん。
実は、お二人には繋がりが?
過去のトラウマとは?
京都の老舗和菓子屋を舞台に、和菓子と和音さんに癒されていく十織さんと、そんな十織さんから目が離せない和音さん。
途中、切ないすれ違いがありましたが、最後はお互いに
思いを伝えあえ、ハッピーエンド。
表紙絵からも春告鳥と共に、お二人の幸せが伝わってまいります。
読了後、心がほっこりと暖まる素敵な作品でした。
和菓子のようにさっぱりとくどくなく、それでいて見せ場もキッチリ作った物語構成が素晴らしい!そこまでボリュームもないからサラサラッと読めるのに読み応えは十分。個人的には、もう少しページを増やして、2人の関係をみっちり描いても良かったかなと思います^ ^
昔の幼馴染みとの再会から始まるドラマチックなドラマにズッキュン!
十織の社長がマジでキューピット。お菓子買いに行って来いとか、コラム載せろとか。そんなん社長権限なかったら、出会いもしなかったし、親交も深めることもなかった。社長ー…ありがとー!!
和菓子が結んだご縁で、2人の関係がグッと進んでいく物語です。
イケメンと美人のカップリングなので、目の保養…。挿絵は表紙のその一枚しかないのが勿体無い!もっとイラスト見たかったです(〃ω〃)
最初の失態から始まる再会劇、クラスメイトだった過去、元カレのトラウマとなった引き出物事件などなど、2人に繋がるストーリーがてんこ盛り。それぞれがとっても面白かったです。
和菓子のこと、和歌のこと、情緒あるちょっとした知識に裏付けされたお菓子エピソードに魅入られました。しかも十織のことを考えて作られたお菓子……さりげなく出された美しい菓子の誕生エピソードに、昔からの強い想いが込められている深い愛情と恋心にうっとり。2人の再会劇はある意味運命だったんだな、と思えて仕方なかったです。その意味では、元カレからのお祝い返しも無駄ではなかった…かも?
その元カレへの制裁が、物語の中でちゃんとされたことが一番スカッと!
クズはクズで、救いようのないクズっぷりである意味安心しました。同情の余地もなく、ボコボコにできるんで。
和音にカウンターかけられてタジタジになる元カレが超ダサ。気持ちわりー男を夫にした嫁さんに同情する…あと子供にも。
和音のやり返しがカッコいいのと、その後の2人の甘い空気との落差がめちゃ良かったです!私も客として見届けたかった…( ´∀`)
いやもう電子のみ配信ってのが勿体無いくらいおもろーでした。
和菓子の甘さと同じくらい…いやそれ以上の2人の甘さに酔いしれた物語。おすすめです!
京都が舞台の同級生の再会のお話。
思いがけない再会はちょっと苦いものでした。しかしそこからの展開がとても情感豊かで心に染み入るものとなりました。和菓子を通じ四季を感じ人の心も表現していく。
藤原家隆の和歌に込められた思いを和菓子で表す。その和菓子を差し出す気持ちが優しく愛おしくまだ気づいてはいないけど心の春が近くに訪れているよと暗に伝えているようでした。
言葉だけではなく和菓子で伝えるという表現も素敵。五感で味わう和菓子の魅力も伝わり季節のものを買いに行きたいな。
こちら、153ページと短めなんですが、とても好きなお話でした・:*+.
「京都」「和菓子」「和歌」これらのワードにアンテナがぴぴっと反応する方に、特におすすめです。
京都が舞台の、小学校時代の友人との再会愛ストーリー。
元彼に「結婚する」と酷いフラれ方をした失恋から3年。いまだに立ち直れていない主人公・社長秘書の十織(とおり・受)は、社長命令で出かけた先の和菓子屋で自分のトラウマとなっている和菓子を目にし、倒れ込んでしまいます。
そんな十織を介抱してくれたのが、和菓子店の若い男性スタッフだったのですが、後日彼がスタッフではなく社長であり、なんと小学校時代の同級生・和音(攻)だったことが判明しー
と続きます。
再会直後から既に和音に惹かれていた十織が、和音の仕事への姿勢や優しさなどに触れ、さらにどんどん惹かれていくのが手に取るように分かり、読んでいるこちらまでドキドキ、きゅーんとしてしまう。。
3年前の恋のトラウマから、ノンケの和音に対しどうしても一歩が踏み出せない十織。
そんな十織の心を決して傷つけることなく、優しく開いていく和音に、溺愛スパダリ攻めの片鱗を見ました(。-∀-)
何よりも自分が「ああ、いいなあ」「好きだなあ」と思ったのが、作中に出てくる藤原家隆の和歌。
店に取材に来た十織に和音が和菓子を出すのですが、その和菓子のイメージとなった元歌です。その意味が本当に素敵で…
「花の咲く春を待ち侘びる人がいる。だけど、雪を押し上げて芽吹く若葉の姿にも、春の訪れを知ることができるのだと教えたい」
”まだ気付いていないあなたの足元に、身近なところに恋の花が芽生えようとしてるよ” と図らずも伝えるような形となったこの描写がとても素敵で、しばらくじっと文面を見つめてしまいました。
京都の街並み、和菓子屋の店内、そして和菓子の一つ一つのイメージがさーっと広がってゆくような描写が心地よい、素敵な再会ラブストーリー。
今度ちょっと足を伸ばして、和菓子屋さんまで季節の和菓子を買いに行ってみようかな、買いに行きたいな、なんて思える、心温まるお話でした。