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chinkon guardian
これまでのあれこれがどんどんひっくり返され、実は捏造だったとか全ては仕組まれていたとか、怒涛の展開。聖器や神話等の文化的背景を知らないまま読み進めても、最後までとても面白かった。キャラクターの魅力に引き込まれる作品。
前巻最後に衝撃をもたらした趙雲瀾の前世の記憶が、実は捏造だったと明らかになる。が、真実が分かっても沈巍の辛い状況には変わりがなくて、こんなことをやらかしても、沈巍を応援したい気持ちは変わらない。
趙雲瀾が一緒に死んでくれるように、なんて願いで世界を思うままに動かし、趙雲瀾以外には冷酷。でも沈巍は趙雲瀾を守るためなら趙雲瀾をも騙すので、何度もケンカに。
冥府や現世を巻き込み壮大にやってるのに、趙雲瀾に怒られたらしゅんとして姿を消して、恋敵にまで怒られる沈巍が愛おしい。
そして、最後の最後でまたやらかす沈巍。趙雲瀾の記憶を消し、自分一人の命で大災厄に決着をつけようとする。幾千年前から人の愛し方は変わっていないんだな、と思わせる行動が切ない。
で、ここでやっと郭長城が活躍する。抜き出して見るとそれってアリなの?と思わなくもないが、最初からあれもこれも伏線が張られていたおかげで、するっと納得できた。欲を言えば、郭長城は新人という立場を活かし、読者の案内役を担って欲しかったな。
ラストは爽やかな大団円。沈巍の重い愛はきっと一生変わらず、ときに趙雲瀾を怒らせては謝り倒して仲良く過ごすんだろう。過酷すぎて沈巍に肩入れしてたけど、趙雲瀾も沈巍に本気になってからすごくイイ男になったと思う。
巻末には外伝が収録されており、特に最後の「山鬼」が良い。一万年の間、輪廻の輪に乗り人生を繰り返す趙雲瀾と会わないとの誓いを破った、たった一回の一生のお話。沈巍の恋が苦しすぎてめちゃくちゃ泣いた。
趙雲瀾の魂を持つ沈三のピンチを見過ごせず、つい助けてしまう沈巍。そうして恋に落ちた結果、沈三は精気を吸い取られ、悲しい最期を迎えてしまう。その後は何度も何度も別の人と幸せになる趙雲瀾を見守り続ける沈巍。
全ての始まりとなる崑崙君とのエピソードや、一万年もずっとただ見守るだけの沈巍の心情を思いながら本編を再読すると、二人の邂逅がより輝いて見える。沈巍の名前の由来を話すシーンなんて涙なしには読めなくなる。
まだしばらくはこの二人に浸っていたいと思うくらいハマった。Priestさんの他の作品も単行本化されたら絶対読みたい。
中華ダークファンタジーノベル、最終巻です。
本編は4分の3くらいで、残りの100ページは外伝(短いお話)を4編収録。
いやあー、苦しかった。読むのがたいへんでした。
1巻は気楽に読めるのですが、2巻でスケールが壮大になります。
中国の神話の世界に詳しいと苦労しないのかもしれないのですが、私は初耳だったりおぼろげだったりと物知らずなため、2巻でどうにかこうにか読み砕いていったところが3巻で「実は嘘でした、本当のところは……」とやられると、もうここで「えーっ」となってしまい、一気に気持ちが萎えまして。あとは文字面を追いページをめくる苦行。自分との戦いでした。
本当に、中国の神話を知っている人なら楽しめるかもしれないので、こちらのレビューは話半分にしてください。
神話の世界と現代をつないでいく、スケールの大きなお話です。途中で恋愛要素がほぼ無くなります。
それをとりかえすように、本編ラストやら巻末の外伝は甘々です。
黒猫の大慶(ダーチン)、蛇娘の祝紅(ジューホン)、えせ坊主の林静(リンジン)、アウトローっぽい楚恕之(チュー・スージー)、怖がりのコミュ障新人郭長城(グオ・チャンチェン)など、特別調査所の皆さんが個性豊かで楽しいので、こういってはなんですがBL要素よりもこちらの皆さんの方をたくさん見たかった。そういう意味でも1巻が楽しかったです。
本書は中国ドラマ「鎮魂Guardian」の原作小説ということで、私はドラマは未視聴ですが、どうやら原作とドラマはだいぶ異なっているとのこと。
どんな仕上がりなのかとても気になります。この神話部分がどう描かれているのか。わかりやすく描かれていたら私のこのモヤモヤも解消されるかもですし、特調のみなさんの活躍がメインでもそれはそれで楽しいと思われます。