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tenseiokurikaesu shiroyagiouji ha, saiai no kishi to meguriau
今回は敵国の騎士団長と第一王子のお話です。
神子として転生を繰り返す受様が
皇国の神子の野望を砕き、最後の神子となるまで。
神が身近な存在だった遠い昔、
禍の種が生まれると、それを封じるために
仔山羊の角を額に持つ神子が生まれるとされました。
受様は小国に神子として生まれ
青年となった時に故国は大飢饉に見舞われます。
受様は神の慈悲を乞う民の声に従い雨を呼び
故国だけでなく大陸中の命を救います。
受様は神の許に還るつもりでしたが
乳兄弟で受様の騎士となった攻様には
最愛の受様の死が受け入れられませんでした。
受様が祭壇で光を纏う神の声なき声の問いかけに
応えようとした時、攻様は受様を抱き上げて
光に向かって剣を突き上げ、神に叛意を示したのです!!
攻様に貫かれた光は、歪みも大きく膨れ上がって
受様と攻様を飲み込んでいきました。
それ以降、受様は何度も神子として転生し
最愛の攻様と同じ魂をもつ者と必ず再会し
攻様の助量を得て災禍を打ち払ってきました。
今世の受様は
ハイルング王国の第一王子として生まれますが
山羊獣人である受様には王位継承権はなく
王侯貴族は受様を疎ましく思う者も少なくありません。
そんな中、隣国グランツ皇国が
祈りで戦を勝利に導く白き神子を導き手として
ハイルングに触手を伸ばしていたのです。
受様はグランツの内情を探り続けて
狼獣人ながらも白き神子の引き立てにより
騎士団長にまで上り詰めた男の捕縛に成功します。
ハイルングに連行されてきたその騎士団長は
受様の愛した攻様の今世の姿で!?
受様の想い人として転生する攻様と
神子として転生する受様の輪廻転生ファンタジーです♪
タイトルとカバーイラストに惹かれて手にした1冊ですが
思った以上に凝った設定で面白かったです。
受様は攻様の存在を知った時、
白き神子に引き立てられたとはいえ
獣人であるが故に影では差別され、汚れ仕事も負わされる
騎士団長の微妙な立場を利用しようと考えます。
そして上手くすれば
ハイルングに寝返るのではと考えたのですが、
騎士団長が攻様だと知って彼を数奇な運命から
介抱したいと望むようになります。
攻様は恩赦で受様の騎士となり行動を共にする事で
白き神子に忠誠を誓いながらも
民に寄り添い、白き神子に立ち向かおうとする
受様を守りたいと思うようになっていき
攻様を転生の輪から逃そうとしながらも
攻様への想いを諦めきれない受様の恋の行方と
白き神子との対決にハラハラ&ドキドキ♪
そして最後に受様が知らない
攻様と神が求めていた未来へ向けての大ドンデン返しで
予想外な着地点となっていてとても面白かったです。
モフモフ、大好きです。攻め受けどちらも獣人ということで、もふもふが楽しめるかな?と思い手に取ったこちら。
獣人設定を生かした”甘噛み”などの萌えるシーンや、途中の「??」が終盤回収され「そうだったのか!」となったところもあったんですが、そういった箇所に辿り着くまでがちょっと長かったかな…?というところで、「萌」としました。
あと気になったのは、文体がちょっとなんて言うんだろう…本当にあくまでも自分感覚で、なんですがちょっと洗練されていない気がして(前の文と同じ言葉が次の文で繰り返されていたり、言葉のチョイスあたりが)読みにくさを感じたところはありました。
禍と共に、それを救う存在として禍とついになって生まれ落ちてくる神子。
神子の証である仔山羊の角を持つミットライト(受)は飢饉や干ばつに苦しむ国を救うため神に祈りを捧げ、生涯でただ一度だけ叶えられるという願いを聞いてもらいます。
そしてその代償として身を捧げる(処刑される)寸前、護衛騎士・ヴィレ(攻)が神に剣を振りかざします。
そうして神の怒りに触れた二人は、永遠に転生を繰り返す呪いにかけられ、何度も何度も生まれ変わってーー
と続きます。
敵対関係×主従(神子/王子と護衛騎士)×輪廻転生、そして獣人……いろんな設定があってもモリモリ感はなく、丁寧な説明や展開で分かりやすかったです。
狼獣人の攻めが「狼の愛情表現」としてミットライトの耳やら頬やらをかぷっかぷっと甘噛みするシーン、もふもふではないけど、すごく萌えた・:*+.
子狼がミットライトの指をかぷっとするのも許さず、ぽいっとしちゃう大人げないヴィレにもニヤニヤ(。-∀-)
そして、”「神の呪い」はいかにして解けるのか?”という最大のテーマが「あれっ?」という形で終わった……のか?と思いきや、実は!という部分、「おおっ、なるほどね」と思わず呟いてました。その可能性は全然考えてなかった!という驚きがあり、ミステリーなど大好きな自分はとてもワクワクしました◎
「我らが望みはただ一つ。永遠に二人であることのみ。」
500年(!)という時を経て、ついに今世で結ばれた二人。「この先ずっとずっと、幸あれ!」と願わずにはいられないラストでした・:*+.