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mitsugetsu shukuya ni toriko wa kurizaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
非常に面白かったです。私は神評価は200冊に1冊くらいの、かなり厳しい割合でしかつけないのですが、これは神評価です。
それぞれの立場によって意見が異なる、というのは当り前のことなんですが、この作品はそれがしっかりと描かれていてとても好感が持てました。
読者と同じ目線である受は、最初はあまり視野が広くありません。自分の立場でしかモノが見れないんですね。
それを先輩秘書に意見を聞いたり、攻から違う世界を教えてもらったりして、次第に見分を広めていきます。他者にとって、それがどういう意味を持つのか。思いもしなかったことに気づかされ、視野がぐんと開けていく感覚は爽快感がありました。
特に面白かったのが、カジノ法案談義のシーンです。
攻は反対の立場も、賛成の立場も、両方の意見を理解しています。三点くらいの視点で物事を立体視しているんですね。受よりも視野が数段広く、また長期的に物事をみて、その視界のどの立場にも立ち返ってみることができる。
これ、上に立つ人間にとっては必須の能力ですよね。彼は名目だけでなく、中身も非常に優秀で賢い人だなと感じました。
誰につくのが得策か悩んだり、人脈作りに奔走したり。恋愛だけでなく、政治モノ、内政モノなんかがお好きな方には、中々お勧めな作品だと思います。
赤坂プレジデントホテルのカジノ企画『ラスベガスinアジア』を軸に展開する連作『花鳥(蝶)風月』シリーズ4作目・完結です。
しかし、このシリーズは設定が段々堅苦しく(重苦しく?)なって来ます。
コメディなんだから、一応でもリアル面で凝るほどアンバランスな気がするんだけど。
まあ、単に私の好みじゃないからっていうのはあるでしょうが。
というか、こちらは『確かこのシリーズはコメディだったハズだよね!?』と思ってしまうくらい、コメディとしては余計に感じる仕事関係が詰め込まれていてもううんざり。
コメディとしてもシリアスとしても、どっちつかずで中途半端に感じました。
個人的好みで、所謂『お仕事もの』がものすごく苦手なんですが、同様に『政界もの』もまた苦手なんです。
たとえ、コメディでキャラクター設定だけの問題だとしても。
その上、キャラクターもまったく好みじゃない。松平(攻)も真宮(受)も何の魅力も感じません。
なので、もう冒頭からまったく気乗りしませんでした。読んでてもすぐに気が逸れてしまって・・・
日向さん作品は、個人的好みはハッキリ分かれるものの、ラブストーリーとしてはともかく(大抵はコメディとしては)面白いと思うことも結構あるんですが、こちらは『私の受け付けない傾向の日向さん』でした。