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alexandrite
耽美の女王・山藍紫姫子御大の大作。
主人公はエスドリア国の麗しい聖将軍・シュリル。
そのシュリルを激しい憎悪の眼で見つめる漆黒の男・マクシミリアン。
マクシミリアンは、シュリルの正妻だったのに離縁されて自殺した妹の復讐を誓ってシュリルを拉致するが…
痛めつけようとして初めて知るシュリルの秘密。それは…
…という感じで。
結局シュリルは両性具有者なわけなのですが、そうと知った男の取る拷問法はひとつ。
性的に嬲る。
隠された秘密をこれでもかと暴く、屈辱/恥辱系の嗜虐性。
表現もシュリルの持つ女性器への陵辱の方が主になり、読んでると「BL」を読んでいる気分がどんどん薄らいでしまう。
シュリルの方も、はじめは不感症的なんだけど次第に女性器での快感に目覚めて、女性の感じる快感に翻弄される。
一方勿論後孔も犯されるんだけど、こちらでの快感は得てないようです。
もう一人シュリルに執着して「妻」にと願う将軍からのレイプも延々。
道具、3P、二輪挿し描写もあり。
山藍先生の圧倒的に耽美な単語のチョイスと言い回しで、素晴らしく美しく哀しいロマンスである事は間違いない。
しかし、男女もの官能小説、容赦ないSM系AVの文字版にも読めてしまう。
一読した率直な感想は、シュリルが可哀想。同じ女として。みたいに思ってしまった。
つまりシュリルを「男」として読めなかった。両性具有でも女寄り過ぎたと思う。
しかし、作品としては一流だと思う。言葉の魔術にかかります。
凄い作品だったぜ…。
両性具な子は初めまして…な気がする。
が、正直そんなに萌えませんでした。
自分の中ではやはり、男の体でヤってこそのBLがいいかなぁ。
表紙は性別を有耶無耶にした美しい人形のような人間、受けのシュリルらしさがよく描かれていると思うのですが、長髪がなー…。
長髪好きじゃない自分の好みもあるのですが、余計に女性らしく見えてしまう部分ともなり、もう少しギャップを感じたい気持ちもありました。
凌辱部分はしっかり書かれていたのではないでしょうか。
酷いの好きとしてはそれなりに満たされました。
蝋燭が活躍していた。これはなかなかにドキドキしたぞ。
自殺は禁忌とされているので、どれ程傷付いても自死を選べず、命を奪うよう懇願する様にもゾクゾクしました。
スケッチもいいぞ…!!!
花を模した用語たちに、最中は色々こんがらってました。
後ろだけはピンときたけども。
終着点はそれなりにシリアスなかんじになるかと予想していましたが、そうではなかった…!
瞳の色が変わるっていいですね。
この作者にしか書けないような世界が広がっていたと思います。
すごい世界を見せられた~~~
とにかくすごい世界観、お耽美満載!美しい世界!!
だけど、しんどい、しんどい…
両性具有は地雷な私に、これなら!と薦めてもらって読んだのですが、地雷ですね!!!
BLカテゴリーじゃないからか、男だけど女性器を持つのが醍醐味だからか、エロシーンも女性器中心で、ほぼほぼ男×女。
途中までtnk付いてんのかどうかも分からなかった。花芽=包茎tnkで良いんでしょうか?
本当に可哀想なくらいtnkいじってもらえない。いや、可哀想なのは私なんだけど。分かりやすい射精や前立腺への刺激の描写がないので、たっぷりなエロエロ描写も求めてる方向性が違って…官能小説としてはすごいんですけどね。tnk、女性器、孔と刺激されてんのはどひゃーーーとなりましたけども。
男×男を感じるところは、ストーリーを通しても少ない。
シェリルも両性具有だからこその運命、苦悩はあるけど、女性として扱われてる感が強い。
逆恨みで凌辱されるのがしんどい、しんどい。そこまでする?の連続。心を通わせたかと思ってたのに、なんであっさり別れてしまうんや!国に帰されたら酷い目に合うに決まってるやん!用無しになったと意気消沈なとこにラモンの凌辱シーンが長くてエグくて長くて、いつになったら救われるの…しんどい、でも先を知りたい…マクシミリアンに会うために殻を破るために雪山を駆け抜けるシーンは素晴らしくて、やっとの想いが!!!耽美!!!あーもう、すごいすごいぞ!!!となっての、あれ?終わった??ここで??という結末。
ご褒美的なあれがないのもあってか、ハピエンだけど、清々しさや満たされ感より、登場人物それぞれのキリキリした心の叫びが深く残る作品でした。手酷い凌辱からマクシミリアンを必要と思う経緯が、疎まれ何も感じてこなかった自分に向き合って痛みや感情を与えてくれたからってのも斬新で一筋縄でいかない感や何もかもがなんかすごかったのは確か。
この本の美麗な表紙の作者は、小島文美さん。
実物を見たくて、電子版を讀んだあと古書を買いました。良書なら、紙本も欲しくなります。本文にあるシュリルのイメージとピッタリの表紙絵。
挿絵が無いし、表紙が綺麗、人前でも平気で開いて読める安心装丁。
美しいシュリルが、凌辱されて苦しむ場面の連投ですが、場面や世界感が御伽噺風の綺麗な描写なので、可哀そう・恥ずかしいと思いながら、惹きこまれて読めてしまう。名作として「教えて姐さん」で紹介されるまで、読みたいと思わなかった本ですが、面白くて、瞳の色の変化場面を数えながら、20回くらい読み直しています。感謝!
主人公シュリルは、周囲を圧倒する美麗な容姿の聖将軍、国王の守護12将軍。
革命が起きて王や多くの貴族が逃亡先で死亡。シュリルは、マクシミリアンとラモンの計画により隣国のマクシミリアンの城へ追い込まれ、そのまま軟禁されてしまう。シュリルの首は懸賞金をかけられ、本国へ戻れない。
「魔性性の美」シュリルは、男でも女でもない美しさを持つ人。シュリルの不思議な体と瞳を知るにつれ、魅力に惹き込まれていく二人。シュリルは地獄の凌辱を受けるのに、容色の美しさは増していく。シュリルの秘密が暴かれた後の着衣は常に女性用が用意される。・・軟禁中のシュリルは「姫」と呼ぶべきかも。
3章以降から、シュリルのトラウマをマクシミリアンが解消していく・・愛しているのに、上げた拳を下げられないマクシミリアン。
心を動かせないシェリルが人形ではなくなっていく。シュリルが意思を持たない人形のようになったのは、幼少期のトラウマが原因、自発的な意思を持てなくなった。
父に何度か殺害されかけて、「命にかえても両性具有を隠し通すから」と父に助けを懇願したシュリル。
シェリルが怖れるのは「自死しかない状況に自分が追い込まれる事」
国教で自殺は禁止されている。マクシミリアンに「私にはお前が必要だ。自分を殺して救ってくれるから」と言った数日後、シュリルは本国に返還となり、死ぬより辛い日々を送ることになる。
シュリルが蟄居する城はラモンが管理する。
ラモンの監視下で暮らすシュリル。ぞっこん惚れたラモンは、シュリルの秘密を公にして正妻に迎える手続きを始める。
シュリルが怖れる両性具有の公開。「結婚=秘密の公開を死を以って拒否」したいシュリルは、殺して救ってもらうためにマクシミリアンの城へ逃亡する。マクシミリアンに殺されることが、シュリルの甘美な夢。
追ってきたラモンとマクシミリアンの決闘。
シュリルが身を呈して止める。ラモンに斬られたシュリルが意識を戻して目を開けるのか、心配になってしまうけれど、「目を開けたらもうひとりじゃない」で終り。
あっけない耽美風というか、簡素で余韻ない結末でした。
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▶著者からのコメント:Amazonから
「冷たい緑の瞳が、紫色に変わる瞬間、男の中の女が目覚める。(略) 官能小説としてお楽しみいただければ幸いです。ブログでもご紹介しています。」ブログ: https://amba.to/326LpsN
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シュリル/shrill/Surrillとは:鋭い、甲高い
★著者のHP見たら、アレキサンドライトを身に着けて参加する会を主催してた・・あんな高額の石を?・・Σ(゚Д゚)
アレキサンドライトは、ロシアの王子の名前を冠する輝石。緑と紫に瞳の色が変わるので、その輝石の名がtitleになったと分かりました。ダイヤモンドより価格が高い希少な輝石。
BLレーベルではない山藍先生の作品を読むのは初めてだったけど、思った以上に読みやすかった。陵辱シーンなど痛い場面も満載だけど、流麗な文章と決して下品にはならない言葉選びで、どんどん内容に引き込まれてしまう。
ストーリーとしては、復讐心からの陵辱に愛が芽生えていくパターンの王道。なんだけど、そこに革命やら裏切りやら、両性具有であることが原因で起こった悲劇やら、そんなシュリルに異常な執着を見せる将軍ラモンなどが次々絡んできて飽きさせない。官能シーン以外の部分も読みごたえがあって、波瀾万丈の展開で面白かった。
いつ二人の感情が愛に変わったのかというところも丁寧に描かれており、キャラクターの心情の変化にも無理がない。BLを読んでいてたまーにある、いつの間にそんなに好きになったの?というのがまったくなかったので、ずっと耽美な世界観に浸っていられた。
中盤あたりで一度、マクシミリアンとシュリルに、蜜月と言ってもいいようなシーンがあるんだけど、そのあたりの描写が本当にエロティックで素敵。
雪の中、湖への乗馬デート、からの馬上エッチなんだけど、小道具の水晶のディルドを攻め様が懐に入れて温めてくれていたとか、後の回想では攻め様の指を噛んでしまった受け様の頭を攻め様が撫で、噛ませたままにしてくれていたとか……優しさと甘さにうっとり。
前後が痛かったり辛かったりするので、そこの場面の甘さが引き立てられ、余計に心に残る。
ただ、陵辱シーン含め、濡れ場はBL的ではない。そもそもこのお話はちるちるに登録されてはいても、BLではないと思う。シュリル自身の認識としては自分は男性のつもりではあるんだろうけど、二人の攻め様はそうは思っていないんじゃないか。濡れ場での女性的な表現もたくさんあるので、BLとして読むのは個人的にはおすすめはしない。
今回は耽美小説、ロマンス小説としての評価としておく。
山藍さんの小説にはすごく好きなものもあるんですけど、
この作品は個人的にダメでした。。
受けが女性的すぎる気が。
あと監禁、凌辱から愛に発展って、どうしても無理があると思ってしまいます。
そういう設定多いけど。憎み合ってたのに急に何で?って。
あと延々と調教されてるので、エロいとか通り越して読んでて辟易としてきました。かなり暴力的だし。
ただまあBLというより耽美小説として、山藍さんらしいといえばらしい気も。
山藍さんの独特な文体と世界観が存分に楽しめました。
BLというよりも、もっと耽美色の強い、古典のコスチュームプレイを観るような感覚で読むと大変面白い作品だと思います。
言葉選びや語尾の言い回しなど、乱歩くらいの時代の妖しさといかめしさがあって、アンティークの重厚さと退廃的なロマンティシズムに酔わされました。
手を変え品を変えの濡れ場はもちろん素晴らしいのですが、なにより闇雲に煽るだけの描写ではなくシュリクの熱量を感覚として伝えてきてくれることに感嘆しました。
そして全編通して、美しい。
人物や背景、舞台はもちろん、言葉が美しかったです。独特の単語もそうですが、音の響き、並び、言葉のテンポも非常に滑らかで美しい。
耽美主義ってこういうことだよね、と感じました。
読む人を選ぶ部分もあるのかもしれませんが、もともと耽美ってそういうものなので、これをBLとして同じくくりで語るのは違う気がします。
非常に上質で濃厚な名作です。
美貌の受けが拉致監禁され強引に体を奪われ凌辱・調教、ありとあらゆるプレイをされたにもかかわらずいつしか憎んでいたはずの攻めを愛してしまう…というパターンの原点のようでした。
そして、受けの抱える秘密がこの作者のお得意の分野ということで、耽美の女王様の小説を初めて読ませていただく作品としてこれを選びました。
ひとことで感想を言いますと、心身ともに痛くてエロエロでもうおなかいっぱいでした。調教ものには萌えより苦痛を感じてしまうので評価は低くなりましたが、BL歴が浅く読んだのがここ数年の作品ばかりなので、20年以上前の作品は大変新鮮ではありました。
また、バラエティーに富んだ凌辱方法や痛みの与え方で飽きさせません。他の貴族と二人で犯したり性器を縛ったり下僕に性器をスケッチさせたり場所もいろいろで…。
深い理由があっても強姦はあまり好きなシチュエーションでないうえ、延々と調教され続ける愛のないエッチは読んでいて楽しくなかったです。
木原音瀬の『箱の中』でも思いましたが、BLレーベルではなく一般の文庫本のため残念なのはイラストがないという点です。
カバー絵のシュリルはとても素敵に描かれていたので、煌びやかな夜会服や軍服やドレス姿を見たかったです。
うっかり、フランス革命を舞台に描かれた少女マンガの男装の麗人の姿が浮かんで仕方がなかったです。
シュリルはかわいそうな身の上や生い立ちで、信用していた従者や主君にも裏切られその上まだ降りかかる不幸に最後まで不憫でした。
隣国の貴族マクシミリアンの狭量な八つ当たり的な復讐に書き込まれたようなシュリルは不運としか言いようがありません。
時代背景から政略結婚は当たり前で結婚相手との幸せは求めないはずで、国家間の都合で結婚が決まって王の命令で受け入れたシュリルが、今度は王の手筈で離縁することになっても世情からしても文句はいえないことは他国でも貴族であればマクシミリアンにもわかっているはず。
結果的に妹が自殺する羽目になるのはシュリルのあずかり知らぬことで理解できませんでした。言いなりで何もしなかったのがシュリルの罪だというのならあまりにも偏執的で執念深いと思いました。
その復讐のためにシュリルを同じ目に合わせるというのも幼稚な言い訳で理解できませんでした。
好きな場面は、二人がかりでシュリルを犯し身も心もボロボロにして放置するのですが、翌朝の食事に執事の采配でマクシミリアンが子供の頃辛い時に癒した優しい献立で、シュリルは、ん?とは思ってもよくわかなかったというところです。マクシミリアンにも甘いお菓子で和んだり癒してほしかった幼い日があったんだなと思うとちょっとだけかわいそうになりました。
憎んでいた相手を愛していく過程がまた王道でこの手法の元祖という感じで興味深かったです。
相手の孤独や生い立ちの不幸具合に絆され共感していき、時折見せる優しさに戸惑いつついつしかお互いが必要なのだと自覚して過去の悲劇を乗り越えて寄り添って行くという流れが綺麗に描かれていました。
格式のある三ツ星レストランでフルコースをいただいた感じです。
まだまだ山藍先生の作品を理解するには未熟すぎたようなので、もうしばらく保管しておいて修行の上いつか再読してみたいと思います。
私がこの世界に足を踏み入れるきっかけになった作品です。(もはや古典の域?) 先日、かわい有美子さんの両性具有もの「微睡の月の皇子」を読んでてまた読みたくなってしまいました。かわい作品の方は、両性具有といっても当人が別段苦にしてないので(なんてったって神様なので。恋人も神様だし)エッチのバリエーションが増えてラッキー、くらいなライトさでしたが、地上に生きる普通の人間、それも封建貴族の嫡男という立場ではあまりにつらい。まして本作の主人公シュリルは、そのことで実父に忌み嫌われ、殺されかけてもいる。彼にとってはすべての不幸の発端で、それこそ命がけで守るべき秘密だった。
でもその秘密は、彼を妹のかたきと狙う隣国の貴族マクシミリアンの手で暴かれる。革命に乗じてシュリルを自分の城に拉致監禁し、凌辱の限りを尽くす。最初は激しく抵抗するシュリルだが、マクシミリアンの復讐の意味を知り、甘んじて受け入れる。不本意にも自分が死に追いやってしまった可憐な乙女への贖罪として(それも彼の肉体の秘密と無縁ではないのに・・・)。
日ごと夜ごと繰り返される行為が、やがて暴力から愛に変容する過程を、山藍さんの筆は丹念に、かつドラマティックに描く。重すぎる秘密を独り抱えて誰にも心許せず、親にすら抱き締められたことのなかったシュリルに、初めて人肌の温もりを教えたのはマクシミリアンだった。
2人の関係が動きだす矢先、周囲もにわかに騒がしくなる。マクシミリアンには王女との縁談が舞いこみ、シュリルは母国へ呼び戻される。優秀な軍人でもあり、日頃は怖いもの知らずに己の意志を貫くマクシミリアンだけど、この時だけはシュリルを引き留める勇気が持てない。(今更どの面下げて好きだなんて言えるかよって感じですね)
一度は国境を越えて引き裂かれる2人。かねてよりシュリルに執着していたラモン将軍は、彼を完全にわがものにするため「女として洗礼を受け直して妻になれ」と迫る。身体の秘密を公表するくらいならいっそ・・・死を覚悟したシュリルは生まれて初めて周囲に流されず自分自身で選ぶ。雪の中馬を駆り、再び国境を越える。最後にいちばん会いたい人に、ひとめ、と。
旧版の後書きで山藍さんもおっしゃってましたが、マクシミリアンは本当に不器用な男です。なかなか本音を口にしないから、深い想いはその行動から汲み取るしかない。かたやシュリルは恋愛面では生まれたての雛鳥同然。いきなりそんな難易度の高い技を要求されても無理というもの。おまけに自分に自信がないから自ら「獲りに行く」という発想もない。命がけで会いに来たのにマクシミリアンの「奥方」の存在を思い出してドアで立ちすくむ。奥方が誤解してはいけないと女物の着替えを断るシュリル。なんていぢらしい・・・不器用なのはよくわかったから、早く何とかしてやれよ、と思わずにいられませんでした。
ラモンと2人がかりで凌辱してシュリルを立ち直れないほど痛めつけた翌朝、マクシミリアンがシュリルに出した食事がいかにもでした。激甘のお菓子とかクリームたっぷりの苺とか、一見???なメニューでシュリルも困惑してましたが、実は「泣いている子どもをあやすための特効薬」で、その効能は昔彼自身が身を以て知っていたんです。そんな分かりにくいやさしさが、彼のいちばんの魅力だと思う。ラモンもなあ・・・。シュリルにマジなのは解るけど、相手の一番嫌がることを強要する時点でアウトでしょ。エッチの時も若さゆえの持久力とかモノの立派さだけ誇られても…脳みそ総筋肉の体育会系馬鹿って感じで、ラストは「お呼びでない」感満載でした。そこらへん不器用でもマクシミリアンはちゃんとシュリルの望むものを見抜いて与えてあげてたと思うよ。
エロシーンは回数といい濃さといいたっぷり詰め込まれてますが、山藍さんのはどれ一つとっても他と同じものがなく、安易な読み飛ばしを許しません。そしてどんなに淫猥な表現を連ねようと格調高さを損なわない。
わたしの「原点」であり、記念碑的作品なのですが、今なお色あせるどころか、輝きは増すばかり。うっかり読み返すと、最近のBL作品があまりにお手軽に思えてしばらく読みたくなくなるのが難点といえるかも。
大袈裟かも知れないが、驚愕しましたよね。BLでここまでの作品があるとは思わなかった。
山藍紫姫子先生の世界を知ったのもこの作品。
本屋でこのシュリルが表紙じゃなかったら目にも止めてなかったと思う。
BLコーナーじゃなくて、一般の小説コーナーにありましたから。
性器に蝋燭の蝋をたらすシーンは本気で嫌がってるし、これは残酷だなと思った。マクシミリアンは良いけどラモンは私も嫌だ。
ちょっと精神的に参ってしまったシュリルには可哀想で、誰にも愛されない、愛してもらえない、殺して欲しいと懇願するシーンには涙も出そうになりました。
でも、あれだわ。こういう受けが酷い仕打ちされてるのとか好きなんだ。
シュリルって妊娠出来るのか?いつの間にか妊娠していて病気かも知れないって悩んでるシュリルとかみたい。
生まれたら、双子で一人は両性具有っていう妄想。
旧版はいつぞや読みましたが、角川版の大幅加筆してあるものを。
山藍先生はBL(当時は耽美と呼ばれていた)黎明期からその名を知られた作家さんです。
初期は欲望のドロドロと猟奇的ともいえるほどのエロスに、「小説JUNE」の中でも
抜きんでたものがありましたけどねー。
山藍先生は独自の特濃エロ世界を持ちながらも、
時代のトレンドに合わせて進化している作家なのダ!ということがよくわかる一冊。
中盤まではかなりのキワモノ、アンドロギュヌスや3Pが出てくるのですが、
ラストシーンは泣かせるじゃないですか!
いやー、初期作品によくありがちなホラーな世界とは全く違う、
ファンタジックな物語です。
…にしてもだよ!
現在はスタンレー・ホークシリーズやタリオシリーズで
独特な文体や描写、ある種、詩的ですらある会話の妙を披露なさっている先生ですが
この頃はところどころ、ガガガーーーッ!と文が走っていて
あぁ、なんか若いなぁというところに感動を覚えました。
いやもうね、「その先が早く書きたいのよっ!」というほとばしる熱情が伝わってくる。
「コーヒーがいいか紅茶がいいか」聞くような気軽さで「3P?それとも強制オナ?」と聞くタリオ・シリーズとは隔世の感がございます。
しかし、その美しき世界はかなりいい。
ヨシ、はじめて読む山藍先生はコレをご推薦…しようと思ったのだが。
いやー、コレでも地雷な人は地雷なんだろうなぁ。
しかし、色彩豊かな描写はスバラシイですよ!
感動。
読み終えた途端 涙が止まりません。
美しいシュリル。(受け)
男も女も超えた素晴らしいモノを持っているのです。
嫌悪感は一切ありません。
シュリルが 気高く 綺麗だから。
どんな事をしても奪いたいと想わせる美しい人。
攻め二人(ライバル)は 本当に愛してしまったのです。
好きだからこそ ひどく虐めたい。
男の感情がうまく表現されています。
ライバル二人の お互いへの嫉妬も醜いほどむき出しているし。
最後はどちらかと納まるのですが 読んでのお楽しみです。
名作です。
BL好きは 読むべし!!
萌えというより…美しいです。
傑作です!一気に物語に引き込まれてしまいました!
愛と官能と憎しみがうずまく、
まさにロマンス小説でした。
復讐のための行為から様々な思いが生じて、
どこから愛が生まれるのか、ぜひ読んでいただきたいです!
凌辱シーンが苦手な私ですが、最後まで読むと
最初とは違う感想を抱けました。
この作品は甘さは少ないですが、切なくて
攻め様の手によって変えられる受け様が魅力的で
目が離せなくなりました。
内容は、攻め様が復讐のために受け様に近づき…!
とそのほかにももちろんあるのですが、割愛すみません。
圧倒的です。
耽美というと手に取るのをためらわれる方もいるかもですが、耽美です。
で、一見難しそうに見えるかもですが、あらすじそのものは極めて単純なので、読めば簡単に物語世界に入っていけると思います。
直接的な心理描写の少なさも魅力だと思います。
正直BLには、つらい苦しい悲しいこの胸に生まれた感情は何だ?などと(←はいはい、恋心に決まってるだろと言いたくなる)、シーンごとにくどくどしい心理描写のある小説が多く、私はそれがどうにも好かんのですが、この小説にはそれがない。
長いお話なのにもたつきを感じないのは、このくどくどしさがないからだと思いました。
でも、登場人物の気持ちはちゃんと伝わってくるんですよ。
くどくどしいというか、極めて丁寧に描写されるのは凌辱シーンです。デコレーションの限りが尽くされている。
情も快楽も一片もない最初の悲惨な凌辱シーンからはじまって、どんだけバラエティに富んでるんだよと言いたくなるような濡れ場の数々の圧倒的なことといったらもう。
とにかくエロス。エロスの神様ありがとう。痛くて生々しいのに強烈に美しいです。この小説が耽美の代表作と呼ばれるゆえんだと思います。この手の耽美な凌辱シーンは女性にしか描けないと思います。
ラスト近くで主人公のシュリルが雪が降りしきるなかを馬で疾走していく場面があるんですが、訳のわからない涙が出ました。
ああ、綺麗だな…と思って。
名作です。
BL好きなら一度は読んでおくべき作品だと思います。
のちの作品に様々な影響を与えてますよね。でも、似たようなコンセプトの作品でこの作品を超えるものは、いまだ出てないなと思いました。
すごいです凄い
ウワサは以前から聞いていたのでやっと購入して読む機会に恵まれたのですが
素晴らしい
前編通してほとんどエロスなシーンなのに、登場人物の奥行きの広さ深さ、
気品が損なわれず耽美的名描写を通して
人物の形成を彫り深めていく手腕がとにかく凄いと思いました!
わー・・・
名作と呼ばれる作品は素直にさっさと読むべきですね
山藍先生の作品を大急ぎで大人買いしたのは言うまでもないです
凄い
この角川バージョン挿絵がなく文章のみというのも集中できてよかった(表紙の美しいこと…)
以前の挿絵も見たくて改めて他バージョン(イマージュから出た総集編)も購入しましたが美麗でコミックなどが楽しかったです
キャラクター達が素敵なので二次創作も見たくなりましたそのくらいキャラが立ってるんですね
こういったドラマティックなJUNE作品もっと読みたいですねー…
小説JUNEの復刊など夢見てしまいます
以前、上下巻で出ていたものを持っていたのですが、処分してしまったので、改めて角川版を読んでみました。
以前と若干受けた印象が違ったのは、あとがきにあった「かなりの手直し」のためでしょうか。それでも、やっぱり耽美という言葉がしっくりくるお話です。普段貴族だのなんだのというのは、あまり読まないのですが、こちらは突然読みたくなる・・・というか、マクシミリアンとシュリルに会いたくなるのです。キャラクターが魅力的なんですよね。
読んでみると初期のBLってこんな感じだったんだよって勉強になるかもしれません(笑)。
最近少ない「耽美的」な世界が味わえます。3人でコトに至ってしまったり、痛いのが苦手でなければオススメです。
攻・マクシミリアン(20代後半)
受・シェリル(22)
間男(?)・ラモン(シェリルより年下)
シェリルには妻がいました。
しかしお忍びの旅先で賊に辱められ、自殺してしまいます。
シェリルの妻はマクシミリアンの妹でした。
妹を死に至らしめた復讐として、革命に乗じてシェリルを浚います。
浚う途中で湖に落され水濡れに。
その衣服を奪い取ろうとしたマクシミリアンは、シェリルの異常な怯えに興味を覚え、シェリルの秘密を知ります。
復讐には絶好の秘密。
最初は本当に…恥辱陵辱拷問です。
間男(笑)のラモンと一緒にやりたい放題。
しかし雷に我を失い正気を失った様子のシェリルに、マクシミリアンの復讐心が少しずつ消えてゆきます。
シェリルは父親に殺されかけた事があり、一時は廃嫡されていたにもかかわらず弟の死によって再び呼び戻され、しかし弟のデスマスクを傍らに暮らす父から怨み呪われる少年時代を過ごしていました。
その記憶が雷とともに蘇って正気を失うほどに苦しむシェリルを知り、マクシミリアンに憎悪とは別の感情が生まれることに。
革命が終わってシェリルを国に帰すことになり、ラモンが現れます。
ラモンはマクシミリアンに激しく嫉妬しシェリルを責めますが。
シェリルの秘密を楯に取り、洗礼を受けなおして妻になれと迫るラモン。
生まれてからずっと力の強い者に従い、希望を抱かず、流されるままに生きてきたシェリルは、初めて自分の望みのままにマクシミリアンのもとへと走ります。
いつものレビューのようにあらすじを書き出すと、なんだか軽く感じられますが…物語は重厚です。
濃厚で、エロティックで、ドラマチックで切ない。
強姦から始まった関係が、いつしか互いに愛し合うように…というBL定番のストーリーなのに、心理描写も詳細で自然。
これまで読んできた定番ストーリーがご都合っぽく思えるくらい、読み応えがありました。
筆力は凄いし、他の文庫よりも詰まった行間・ページ数の長編を、全く飽きさせずに最後まで読ませてしまうパワーがあります。
マクシミリアンの苦悩も、シェリル心身の開花も、ラモンの執着も。
(ラモンはシェリルの秘密を知る前から執着してたよなぁ…)
全部が愛しい作品でした。
1991年の作品なので、むしろこの作品がその後のBLテンプレの基礎になったのかなぁ、なんて思います。
「冬の星座」と並び山藍作品と言えばこれではないでしょうか。
近年の仕事人?シリーズみたいなものもありますが、彼女の基本は古典のよう。
雰囲気はまるで文芸作品のような「色」を各作品持っています。
山藍さんの基本はもちろん「エロ」しかもBLとは基本的に作品の「色」が違う。
やはり「耽美」と言う言葉がぴったりで、普通のエロじゃない作品が多く、中でもこの作品は山藍さんの作品の基本を散りばめたような作品。
おなじみの人にはあれとあれと……とシチュエーションが浮かんでくるでしょうし、もしまだ作品に触れたことがない人は、おそらく今のBLに慣れているでしょうから、今のBL作品に飽きてきたらこちらもどうぞ~~と言いたいです。
BL作品は料理にたとえれば単品料理のようなものだとすると、山藍さんの作品はフルコースです。
禁忌はなし。しかも何でも有りです。
そしてけして安っぽくはなく、高級感があるところが何となくミスマッチ。
その独特な雰囲気が癖になります。
私は昔の上下巻の頃から持っていて、角川版など販売されるたびに買っています。
何冊持っているんだろう?って感じですが、私のBLとかやおいの入り口は山藍さんだったので。
もうコレクターです(笑)
そう思うと、だからラブラブ、あまあまでは物足りないんだなぁと思いつつ。
最初にこれだけ刺激的なのを読んでしまった私は不幸なのかも知れません(笑)
この著者お得意な●●モノです。一応、裏表紙の説明でも触れていないので、ここは伏字で。
その主人公シュリル(受)の秘密の●●をめぐって全ての話は進んでいきます。
自国の革命によって国を追われる事になったシュリル。
追われるというよりも、シュリルに恨みを持つ隣国の軍人マクシミリアンによる計略によって囚われの身になってしまいます。
もちろん、恨みがあって捕らえたわけですから、最初は甘さとは無縁ですが、逆に陵辱系好きの方なら楽しめるかもしれません。
何しろ二人がかりですから(笑)
ですが、お互いの”そうしてきた理由”が分かるにつれ、少しずつ惹かれ合い、体が通じ合っていく二人。
心までもが通じ合いかけた頃、やはり革命の問題があって、二人は離れ離れになってしまいます。
死んでしまいたい、と思うシュリルですが、最期はマクシミリアンの手で、と逃げ出します。
そこに至るまでに色々な謎が解けていくのも面白さのひとつかと思います。
そして、萌え属性を選べなかったのですが、タイトルにもある通り「復讐」だったり「ジレンマ」萌えじゃないだろうか、と感じました。
色々な出版社から発行されていますが、何故か出版されるたびに買ってしまう本だったりします(笑)