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rairyu denka to ougon ni narenai hanayome
想像以上に良かったー!
真面目で寡黙なクーデレ攻めと、THE男の子!な明るくてやんちゃ、頑張り屋さんな受けのお話です。2人の持つ性質の科学的な相性の良さが、そのまま関係性に反映されているのが面白い!
竜人の国の中でも雷竜という珍しい性質を持って生まれ、王弟ながら周囲から遠巻きにされてきた攻めのロウエン。興奮したり怒ったりすると無意識に帯電し雷を発生させてしまうという体質の持ち主です。
そんなロウエンに嫁ぐことになったのが地の精の国の第三王子で銅の精である受け・サーシャ。兄である金の精を望まれての国同士の婚姻だったのに、竜人王との政略結婚を嫌がった兄が駆け落ちし、急遽の代役に指名された花嫁。到着早々、鋼なんて…と蔑まれることに。
本当は王×金の精が成立するはずだったのに、王弟×地の精というじゃない方の2人が婚姻を結ぶことになります。
気が進まないサーシャに対して誠実に関係を築こうとするロウエン。2人の距離が徐々に縮まっていく様子が丁寧に描かれていました。
ロウエンは周囲の人から尊敬はされつつも、体質により物理的に危ないのでずっと1人で孤独に王族の役割を全うするため真面目一辺倒で生きてきた人。
遊び方すら知らない彼をサーシャが外に連れ出したり、温かい食事を楽しむことを教えるシーンは印象的でした。
徐々にロウエンが嫉妬心を露わにしたり、サーシャが胸の高鳴りを雷電のせいと勘違いしたり…可愛いんだ。
雷を受け止めて大地に流すというまさしく避雷針の役割ができるからお互いがお互いでなければならない…という雷×銅という科学的な相性の良さが、そのまま2人の関係性に反映されているのには唸りました。
何よりそんな2人を周囲の人がニコニコ見守っているのが温かく。
特に、序盤の輿入れ道中で不安いっぱい愚痴っぽくなってるサーシャに、従者レンが「それはサーシャ様の被害妄想です」とズバっと言うところ好きでしたww
悪役はともかく、割と言いたいことは言うけどサッパリ気質のキャラクターも多いし、みんな心根は温かく、読んでいて小気味よかったです!
お話もキャラクターもとっても良かったので神評価!…なんだけど、自分の好みとして考えると受けがちょっと元気っ子すぎて少年ぽさを感じるという点と落ち着いた穏やか攻めが萌えとして刺さりにくく、「萌えってなんだ…」という境地に陥ってます^^;
駆け落ちした金の精の兄王子や、ちょっと謎めいた存在だった従者レンのお話など出ればまた読みたいなー!
先生の他の作品も読んでみたくなりました。今後も楽しみにしています!
望まれていた「金の王子」ではない時点で、デリンゲル国としては期待はずれだった赤茶色の銅の王子・サーシャ。
そんなサーシャをぜひにと許嫁として迎え入れたのは王弟のロウエンで…
と、本来予定にはなかった者同士のお話なのですが、ページをめくる度にどんどん2人のことが好ましくなっていく素敵な1冊でした。
ルビー文庫らしい作品かなと思います。
竜の形をとることもできる竜人や銅の精など、独自設定がふんだんに盛り込まれたファンタジー作です。
小難しいことは特になく、読み進めていくうちになんとなく把握出来るはず。
この独自設定が後からしっかりと効いてくるのがお見事でした!
雷がね、とっても良いんですよ。
攻めのことを護ろうとする受けの図も良かった。
こちらの作品。攻めにも受けにも好感が持てるうれしい組み合わせでした。
まず、攻めのロウエンがすごく誠実な人で。
その気になれば一度で何人もの命を奪える、誰よりも強い雷竜の力を持っている人です。
自身の能力の強さを知っているがゆえに、命の大切さについてもしっかりと考えられる聡明な人でもあります。
ずっと肩に力が入ったままの、真面目すぎるほどに真面目なロウエンの手を取ってサーシャが外へと連れ出し、暮らしの中の何気ない素朴な楽しみ・喜びを教え、息の抜き方も温かい食事も知らなかった彼が少しずつ安らげるようになっていく。
そして、政治という方法で無闇に争わないための戦いをするべく、日々仕事に明け暮れ邁進するロウエンの誠実な心に触れるにつれ、どことなく王子らしくない子供っぽさとやんちゃさがあったサーシャも次第に変化を見せていきます。
2人の間に流れる空気が心地良くて、少しずつむず痒い甘みを帯びていくのが分かるんですよねえ。
小さな好意が積み重なり、やがて恋になる。
唐突さはなく、あくまでも自然な流れで気持ちの変化と関係性の変化が丁寧に描かれていて良かったなあ。
感情の起伏があまり大きくなかったロウエンが分かりやすくやきもちを焼く姿も、恋のときめきを病気だと勘違いをするサーシャの図もほほえましくて大変かわいらしかったです。
2人の関係性の変化が良かった一方で、ロウエンの妹姫・ラディアの婚約や終盤の駆け足さは否めなかったかな。
デリンゲル国王の情けなさにもなんだかなあ…となってしまったり。
とはいえ、1冊の中ですっきりまとまって読めるお話となっています。
メインCPの雰囲気がすごく素敵な作品でした。
うぉー!めちゃ面白い。
設定がいいの、設定が♪
雷竜(電気)と、銅の妖精(銅)のカップルなんですけどね、パッと見た感じ分かりますか?…理系の方は気付くかもですが、科学的な相性をカップルの属性相性にリンクさせる目のつけどころ……いやー参りました。
最高にして最強の高相性。唯一無二とはまさにこのこと。ストーリーの最大の見せ場に絡ませてくるセンスが素晴らしいです!
作者さんがファンタジーが大好きとおっしゃっている理由がよく分かります。すごく楽しんで作品を創られているんだなって。その想いが作品からたくさん伝わってきて、私もワクワク楽しく読ませていただきました。
陰のある孤独な雷竜と元気いっぱいな銅の妖精の政略結婚が、恋愛結婚へと進んでいくストーリーがすごくドラマチック。後半に進むにつれてどんどん盛り上がっていく2人の想い想われる姿が幸せに満ちていて心が潤いました。
何が面白いかって言うと、"じゃない方"のカップル2人ってとこなんですよ。
雷竜・ロウエンは、銅の妖精・サーシャの政略結婚相手の王さまじゃなくて王弟で、サーシャは、黄金の兄王子の身代わりとして嫁いできた蔑まれ王子です。国交の重要性を重んじるためロウエンに嫁ぐことになったサーシャが、そんな状況にもクヨクヨせず明るく前向きに頑張り、そしてロウエンの誠実な人柄に惹かれていく。そしてロウエンもサーシャへの想いを強くさせていくことになります。
ロウエンは最初からサーシャに好意的ではありますが、一緒に過ごしていくほどに好意的な態度が濃厚になっていって、嫉妬したりなんかして(笑)
国交のためとかそんな大義名分どこいった?ってな感じの2人の両想いルートが楽しくて、読み進める手が止まりません♪
2人とも属性的に周囲からあまりよく思われてなくて、冷ややかな態度をとられるのはムカムカしますが、そのぶん2人だけの世界に入れ込むことが出来て、愛の育みを加速させることに繋がったのかなと思います。
"じゃない方こそ勝ち組"なエンディングはハラハラとドキドキで見応えたっぷり。ラブラブな良いシーンも、ピンチな悪いシーンもどれも魅了されました。
そうそう。ベッドシーンは必見中の必見ですよ!
幸せに浸るドキドキシーンなのに笑っちゃいました^ ^
ロウエンの雷がすごくいい仕事してるんですよ〜
どういうときに雷が落ちるのか……みんなに2人が幸せの渦中にいるんだな、って喜ばせるメッセージにもなっています。雷が畏怖の象徴だったのに、最後にして幸福の象徴になるとは、あっぱれ!
これはぜひ最後まで読んで欲しいなと思います。
ストーリーもキャラクターもその設定もろもろ含めて花まる満点の作品。個性的なキャラクターやテンポのいいストーリーのマッチングは見事でした。
読後感もよく、電子限定のショートストーリー含め最高な一冊です(*´︶`*)