異世界龍神の夫選び

isekai ryuujin no otto erabi

異世界龍神の夫選び
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
18
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
0%
著者
かがちはかおる 

作家さんの新作発表
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イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784815532918

あらすじ

気づくと見知らぬ世界。そして頭には二本の角が生えていて…。 出勤途中だった青年は『龍神様』に転生していた。お世話係は、端麗な顔立ちの堅物の官吏エイメイと彼に仕える少年ショウレン。 干ばつが続き食料危機に瀕しているこの嘉の国に雨をもたらすためあなたは天から降りてきた、一日も早く力を取り戻してほしい――と二人から言われるのだが、そのためには人との交合、つまり誰かを選んで夜伽することが必要と知らされ…。

表題作異世界龍神の夫選び

龍神の世話役
龍神として顕現した元日本人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

龍神の心を掴むのは…

中華風ファンタジーで異世界転生もの。
突然異世界に転生し、国の危機を救うため身体の契りを結ばなきゃならない使命を背負わされた元・人間、現・龍神の夜のお相手選抜…いや、マッチングストーリーとでもいうべきでしょうか。いきなり知らない誰かとセックスしろと言われて拒む龍神(河伯)、龍神に相手を選べと急かす世話役、河伯に選ばれようと画策するお相手候補たち……それぞれの思惑が絡み合うストーリー運びに引き込まれました。

絶対やだーと拒否する河伯と、国のためにヤッて欲しい(人との交わりで龍神の力を取り戻せるとな)と請う世話役・エイメイのケンカ越しのやりとりがケンカップルのそれ。相性最悪と思っていたエイメイに徐々に惹かれていく河伯の気持ちの変化にアンテナを張り巡らして下さい^ ^
確かにいきなり龍神に転生してきた河伯からすると横暴に思えるエイメイからの懇願なんですけど、長く干ばつの国難に直面していることを思えば伝承に縋りつきたいエイメイの気持ちも痛いほど分かるんですよね。
国を救うためなら藁にでも縋りたいエイメイの国、そして民想いの気持ちが河伯に決心させ、ついに夫選びへと繋がっていくのです!

性的な関わりに恋愛の気持ちを挟みたい河伯と、あくまでも国難回避のために河伯に迫るエイメイとでは、セックスの意味合いが違うのは当然。でも、この夜のお相手候補のお見合いで、2人の関係が変わっていくのが、おおお〜〜…!!のサプライズでした。
この辺の流れは、お相手候補たちからの求愛もろもろも含め楽しんで欲しいかなと思います。真面目な男、自信満々な筋肉オジ、チャラ男からのアプローチは注目ですよ!


こうしてお相手選びが進み、相手を選ぶからには恋人のようにずっと一緒に過ごしたいと思う河伯の"夫選び"が上手くいって欲しいと願うのは、彼が人あたりの良いキャラ含め応援したくなっちゃう頑張り屋だからなんですよね。行動派で素直、受け身なだけのウジウジ性格じゃないのが推せます。
エイメイは心が読みにくいし、塩〜…って感じ。溺愛と独占欲いっぱいの攻めを期待する私にはちと物足りない淡白キャラでしたが、そのぶん河伯の愛情表現がアツかったので丁度いいくらい。こんなに頑張る受けは近年あまり見ないので、ちょっと感動しました。

相手の候補者たちを選びながら、でも世話役のエイメイに惹かれていく河伯の複雑な心境がドキドキもするしハラハラもします。
候補者たちの肉食ギラギラアプローチ合戦が激しく、それぞれの思惑で龍神をモノにしたい駆け引きがまーすごい。純粋な求愛であれば良いですが、その裏に見え隠れする邪な思惑に邪魔される展開から目が離せなくなりました。それをどう乗り越えていくかが一番の見どころ見ものですので、最後の最後まで見届けて下さいね。

ファンタジー設定を生かした、ドラマチックな結末に心がホッコリ。読後感も最高です。
エイメイの愛情表現がクールで、もう少し強い執着を感じたかったな……というところで星4つにしました。

2

異世界で竜人さまになりました

今回は堅物の官吏と龍神に転生した元日本人のお話です。

受様が龍神として契る相手を選ぶことを強いられた事で
その選択が候補者達の未来を変えていく顛末を収録。

受様は残業過多な会社員で連日深夜に及ぶ業務が続き
気分の悪いままに歩いていてタクシーが目の前に迫り・・・
気が付くと高く、青く、澄んだ空を
白い鱗をきらめかす龍として飛んでいました。

生まれたての受様にとって眼下の景色は見覚えがないものの
何かがおかしい事に気づきます。
空は明るいのに、大地はひび割れてやせたと地しかなく
水田や畑の作物も項垂れているのです。

そのうちに高度を保てず、
少しづつ落ちていくのを止められずにいると
長身の男と小柄な少年を乗れて走ってくる馬に気付きます。
馬を駆る男性こそ今回の攻様です♪

攻様は落ちてくる受様に手を差し伸べていて
受様も力帆振り絞って手を伸ばした時に
白い鱗が消えて白く細い手足をもつ人の姿で
攻様の胸に飛び込むのです。

受様の世話係となったと言う攻様は
龍神である受様に雨を降らせてほしいと嘆願しますが
攻様に龍神様と呼ばれても実感がわきません。

その上、龍神として力を発揮するために
早急に相手を選んで欲しいと言われるのですが
それは竜神が選んだ人間と契る事を意味していて!?

龍神として転生した受様とその世話役となった攻様の
中華風味の異世界転生ファンタジーになります♪

攻様の国・嘉は長く続いた日照りで
大地がひび割れて水田や畑の作物は育ち辛くなり
人々は飢えに苦しんでいました。

地方の管理を務めた攻様にとって飢饉は
遠い未来の事ではなかったのですが

王都で保護された受様には被害を実感しづらく
受様は閨事は強要されるようなものではないと逃げますが
攻様は地方の実情を見せる事で決断を迫ります。

攻様が候補としたのは
穏やかそうな人柄の帝の第四皇子
逞しい体躯をもつたたき上げの大将軍
華やかな容姿で遊び人のような大将軍の息子でしたが

受様が選んだ相手は竜神の力を民のために欲した攻様で
攻様と契る事で受様は竜神の力を発揮し、
嘉の国に切望された雨がもたらされます。

これでハピエンかと思われたら
なんと受様が選ばなかった候補者が策略を巡らせ
攻様の役目を取って代わろうとするのですよ。

龍神と宮中権力を巡る策謀にハラハラしつつ
受様が攻様のいる未来を掴みとるまで
楽しく読ませて頂きました (^o^)/

受様は攻様と接する事で徐々に龍神の自覚を深め
それぞれが受様に選ばれたい本当の理由を
鋭く追及していく様が痛快でした。

0

中華名が覚えられない人でも

中華風異世界転生ものもとい、出戻りものでしょうか。
中華風の世界観で描かれた作品といえば、登場人物たちの名前の読みが特殊なことが多く、漢字からルビが消えてしまうと迷子になってしまうこともしばしば…
こちらの作品は名前がカタカナ表記なので、中華風の名称が覚えられない私には非常に痒いところに手が届く読みやすさがありました。

長期間雨が降らず、国中が悲鳴を上げ窮地に陥っている嘉国。
龍神の力によって雨を降らせてほしいと藁にもすがる思いで請われるものの、己が持つ能力を使うための力を失っている状態の河伯。

いわゆる転生ものなのですが、そこまで転生もの感はあまりないかもしれません。
龍神としての能力の使い方を覚えていない主人公の戸惑いの日々といった印象の方が強いです。
早い話が「セックスをして力を取り戻して雨を降らせてくれ」と強引にお見合いをさせられてしまうお話なんですね。
そんなのは嫌だと突っぱねる受けと、早く相手を決めてくれなければ困るとせっつく世話役の攻めの攻防戦が繰り広げられていきます。

終始受けの一人称で進むので、これは少し好みが分かれそうな文体かなと思うところもありつつ、彼の正直な心情がストレートに伝わってくるところでもあり…
いきなり雨を降らせろセックスをして能力を取り戻せと言われたって、そりゃあNOと言いたくなりますよねえ。
ただ、このずっとNO続きだった河伯の意識が少しずつ変化していくことになります。
そして、なぜ世話役のエイメイがあれほどまでに必死だったのかが判明していく。

恋愛面に関しては少し気持ちの変化が唐突に感じられる部分もありましたが、中盤あたりから攻めも受けも前半とは印象ががらりと変わって、どんどん人柄の良さが見えてくる面白さが。
エイメイと河伯の物事の考え方が好ましかったです。
2人とも国を任せたいくらいすごくまともなんですよ。
普段お堅いエイメイが河伯にだけ見せる、ちょっぴり甘い言動も個人的にツボでした。
普段敬語な人が言葉を崩す瞬間って良いですよね。

お見合い相手たちもワケあり癖ありな人物ばかりで、こちらも楽しめるポイントのひとつかなと思います。
テンポ良く進み読みやすいのだけれど、それと同時にあっさりとしていた気もして、もうひと息萌えるなにかがほしかったなと3.5寄りのこちらの評価になりました。

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