書き下ろしSS付
mukudori to ryakudatsu no seika
これ、すんごい良かった!!!!
電子オンリーだなんて勿体無いくらい面白かったです。
後半にいくにつれてのストーリー運びが胸をアツです。最初下げといてからの徐々にギアを上げていく感じがドキドキを煽ります。陵辱・略奪から始まる内容に、正直あまりいい気持ちで読めなかったのですが……そのあとからの溺愛と独占欲、密やかな恋心、大きな愛情にシビれました(≧∀≦)
電子でしか配信されていないっていうのも勿体無い話ですが、物語の尺の長さももっとあっても良いくらい。こうやって神評価を付けるには問題ないボリュームではありますが、この世界にもっと浸りたかったというのが一番大きいです(笑)
周りの者たちをその歌声で魅了し癒しを与える最高位歌従・シセルと、ナスラ人の戦士集団の長・ワンブリーが紡ぐ愛の軌跡は、始まりこそ最悪な形で始まりますが、その"最悪"は始まりにして最後。以後、ワンブリーのシセルに対する態度は、最初の無理やりが嘘だったんじゃないかと思うくらい優しくて甘いです^ ^
無機質で人形のようなシセルが徐々に感情を取り戻すようになっていったのは、ワンブリーに出会ってから。最悪な出会いかと思われたことが、実は……ってパターンです。
シセルの置かれていたそれまでの環境はシセルにとって良かったのか悪かったのか…そして、ワンブリーに無理やりその身を奪われたことが良いのか悪いのか……物語が進むとその疑問と答えが明らかになってきます。そうした状況の変化とシセルの気持ちの変化がうまく絡み合い、2人の恋愛局面から目が離せません。
自分を激しく奪った相手で憎んで当然なのに、シセルは何故かどんどん惹かれていく。正気のなかったシセルに生きる目的、生きる意味を与えてくれたのがワンブリーで、シセルを人形から人間にしたといえるでしょう。
ワンブリーはシセルを"略奪した者"、ではなく、シセルを"救済した者"と言い換える方がしっくりきますね。シセルがワンブリーに対する想いを強くする一方で、ワンブリーは…?というのが一番のみどころです。
分かりやすい悪役登場でイライラしたりもします。ピンチに陥る絶体絶命のシーンもあります。でもその負の部分が、ドマラチックで感動のクライマックスを演出するのに一役買っているんですよね。
スッキリ!というか、心が洗われるように清々しい気持ちにさせてくれるエンディングでした。
読後感が最高です。書き下ろしも更に…です!
あの始まりにしてこの終わり。想像の枠外でした。めちゃくちゃ素晴らしかったです。
たくさんの人の目に留まって欲しい…そんな作品でした(*´︶`*)
平凡に過ごしていたところに、乗り込んでくる鋼の爪。
司教は外で尻を掘られてる最中に殺され、残った歌徒は皆『鋼の爪』の慰み物になった。シセルも例外ではなく、毎晩おっさんに身体を許してるとワンブリーに勘違いされたまま抱かれる。
シセルが司教に毎日欠かさず飲まされていた薬湯が、実は感情や感覚を失くさせる、神経に害のある薬だったことが判明して……というはじまり。
処女のシセルが、なんの前戯もなくワンブリーに挿入されたのに、泣き叫んだり苦痛を感じてなかったことに疑問を持ったけど、そのあとの薬湯シーンで繋がってスゲー! って感動しました。
結構ハラハラ展開。
ムアガとその娘三人は、ワンブリーに皆殺しにされて欲しいくらい腹立つ存在。
ワンブリーの腹心の部下であるジョズエと、歌徒年長のデネが、初対面の時からいい雰囲気(というかジョズエのデネに対する扱いが優男)で、くっついて欲しいなーと思ってたところ、無事恋人関係になってくれて嬉しい。
本編後のSSでジョズエ×デネの話が読めます!!!!
甘々一途紳士攻めと、ちょっとツンなほだされ受け。この二人尊い!!!
挿絵がないのが悲しい。メインカプは表紙のビジュで想像できたけど、本編中に挿絵がないため、ジョズエとデネのビジュが文字情報だけ。絵で見たかった……。