将校は高嶺の華を抱く

shoukou ha takane no hana wo daku

将校は高嶺の華を抱く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
54
評価数
14
平均
3.9 / 5
神率
35.7%
著者
北ミチノ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199011146

あらすじ

国を守るべき将校たちが、政権転覆のクーデターを計画!! 軍部の暴走を必ず阻止せよ─そんな極秘任務を命じられた、陸軍少尉の高城勇士(たかぎゆうし)。その危険な潜入捜査の相方として顔合わせしたのは、綾瀬基己(あやせもとき)中佐──文武を極めた華族出身の高嶺の花で、五年前、一夜の手ほどきを受けて以来、恋焦がれていた初恋の人だった!? 国家存亡の危機に、使命と恋に心を燃やす、若き将校たちの秘めた激情!!

表題作将校は高嶺の華を抱く

高城勇士,陸軍将校少尉,23歳
綾瀬基己,近衛第一師団中佐,宮城連隊長,28歳

その他の収録作品

  • 将校は愛に抱かれる(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数5

しっかりした構成がまるで映画のよう

軍人モノなので、少し重いお話かなと若干躊躇してしまいそうですが読み出すと止まりません!
確かに軽いお話ではないですが、構成がしっかりしているので引き込まれますし、キャラたちが魅力的!映画を観ているような感覚に陥ります。
昭和初期あたりの日本を思わせる感じですが架空の国の設定です。
BL要素が少なめ?という心配はご無用かと!何故なら二人のきっかけががっつりBL。
ワンコ一途攻め、ツンツン美人受けが大好きな方に特におすすめしたい作品です。あと攻めの成長っぷり、溺愛ぷりがめちゃくちゃいいですよ!

1

政治と軍隊の裏側の愛情と欲望

高城×綾瀬


昭和の政治と軍隊の裏側という激重テーマの中で、
美しく刺さるほどの淫奔な中佐・綾瀬に
中毒のように心を奪われた少尉・高城。
2人の間には、重たい使命と義務・・・
さらに、滲み出てくるのが、
抑えられない愛情と欲望!
繊細な恋心、濃密な絡み、
2人の関係性にうっとりしてしまう!

みずかねりょう先生のイラストが今回の物語にぴったり。
2人も気品溢れて魅力的で、表紙だけで引き込まれる。
洗練された軍服姿の中に漂う情熱的な愛情!や、
高城が綾瀬をしっかり守り抜く決意がビシッと伝わってくる。


5年前、18歳の主人公の高城と5歳年上の綾瀬が共有した一夜の出来事から、
高城は綾瀬の虜になった。
その後、5年もの間、高城はただ綾瀬一筋で、堅実に待ち続けた。
再会してから、綾瀬に翻弄されながらも焦がれる高城の恋慕、
その盲目的な愛の情熱と尊さに圧倒される。

綾瀬、
冷静で洗練された雰囲気を持っていて、
プライドが高くてクールでツンツンしている。
凛とした美しさで
堂々とした軍服の下に隠した
挑発的な誘い、妖艶と淫蕩な姿が極品!
高城を引き寄せる魔力がそのものだよね。

燃えるような高城の心と
燃え盛る綾瀬の体がクロスオーバーする時の火花が萌え上がる・・・。

後半の書き下ろしは、主人公が綾瀬に切り替わる。
付き合っている2人のお話。
当て馬の登場や、
綾瀬の猥りがましい影、不憫で痛々しい一面。
彼が高城に癒される感じが良かった。
彼の内心では高城に甘えたい気持ちもはっきりしてくる。

あまあまな結末に向かって、
もちろんラブラブ度120%のエッチもガッツリ満喫!

国の存続が危ぶまれる混沌とした昭和時代、
身分差や年の差が絡む中、
高城の忠義心と綾瀬の色っぽいさから育まれる愛や、
エロく満ち足りた関係に胸がいっぱいになってしまいました。

4

身体から始まる純愛ストーリー

昭和初期くらいの時代背景のストーリーです。

表紙が非常に美しい…。この時代にこのビジュアルとこの髪型の将校がおるかい!っとツッコミ入れたくなるくらいの美麗な2人。タイトルとともに読書欲を掻き立てられました。
しかし、その下の帯の文言「貴方に筆下ろしして頂いたあの夜から……」はかなりインパクトあるので、セルフレジ利用かネット購入をされた方が良いかも知れません。
因みに私はネット購入です。良かった…(´∀`*)


見目麗しき華族のお家柄の上官に筆下ろしされてから、一途な恋心を抱き続ける愚直な将校の想いを描いたお話です。前半は攻め視点、後半は受け視点です。

タイトルがストレートすぎて、エロス方面のストーリーかなと思っていたら全然でした。軍に持ち上がるクーデター問題に、上官の綾瀬と共に調査に乗り出すことになった高城。軍部内に蔓延る海軍との対立構造や、財閥絡みの汚職問題、綾瀬を狙う下心の魔の手…などなど。誰が敵で誰が味方なのか読めない錯綜したストーリー運びが秀逸です。

BLに偏った内容になっておらず事件ターンの構築が緻密で、そのストーリーだけでも普通の小説やドラマとして成立するレベルです。昭和初期という時代観や言葉使いなど、ちょっとカッチリした堅い印象があるので、軽くサクサク読める感じではないなーと個人的には思います。
近代日本史好きな方には堪らない作品でしょう。

そんな堅めな雰囲気の中、妖艶オーラバシバシなのが高城の憧れの想い人であり、ハジメテの相手である綾瀬中佐。表紙の左側に位置する彼です。
綾瀬は高貴な家柄の出身かつ職責も上位であるにも関わらず、なかなかの好色家です。表紙だと清楚に見えるでしょ?違います〜

育った環境や過去の経験から、そうなってしまった…ならざるを得なかった綾瀬ですが、軍部内で噂になるほど部下たちを食いまくっていたわけです。高城もまたその綾瀬の手管に酔いしれてしまった者の1人ですが、高城の場合関係を持ったのちも綾瀬に対する恋心をひたすらに抱くような誠実な男です。

ビッチの綾瀬と一途な高城。
誰にも本気にならず男と身体を重ねる綾瀬をただただ想い、操を立てるド真面目な高城とのコントラストが、BLターンでは光ります。
高城の真っ直ぐな想いに綾瀬も陥落…というか、高城がカッコよすぎて"好きになってまうやろー"状態なんです(〃ω〃)


ピリつく事件の裏で育まれていく2人の想いがとても素敵でした。綾瀬はその風貌と過去の行いから狙われやすく、まぁ…自業自得なところもあるんですが、それを高城が颯爽と守ってくれるのがカッケーです^ ^
前半は高城がどれだけ綾瀬のことが好きなのかが綴られているのに対し、後半の綾瀬視点では綾瀬が高城をどれだけ好きなのかが綴られています。

高城は見るからに綾瀬にベタ惚れなんで良いんですけど(笑)、綾瀬が高城に抱く想いは結構乙女。きっと初めての恋なのかなーって想像できます。高城にキュンとしたり、可愛い嫉妬したり、クールな面とは違う綾瀬を見ることができました。
手強い当て馬も出てきますが無問題。
綾瀬を狙うゲスたちがわんさか出てきますが無問題。
想い想われる2人をどうぞご堪能あれ♪


事件・問題パートもBLパートも濃厚。深い描写が、昭和初期の世界観に浸らせてくれます。
将校たちのめくるめく愛を楽しみたい方におススメです^ ^

4

愛い奴よ

みずかね先生の軍服っすよ。買わないという選択肢はない。ということで買いました。雑誌で前半読んだ時「重い~」と思いましたが、後半も同じくどっしり目なお話でした。そのため中立寄りの萌としました。本編160pほど+その続き170p超+あとがき。

一介の歩兵少尉に過ぎない高城のもとに届いた書状。それで呼び出されて訪ねた先は陸軍小将の久我山。その久我山の依頼により、潜入捜査をすることになったのですが、その相方は以前から恋焦がれていた綾瀬中佐で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
軍関係者多数(事件ものなので、多い・・・)。その他、文樹(受け弟)、ジェルマン(友好国の軍人、キラキライケメン)かな。

++攻め受けについて

攻めは穏やかな忠犬。秋田犬かな?剣道を嗜んでいてキリリとした大和男子、女子はおそらく視界に入っておらず受け一筋。まっすぐで、バカ犬ではなく、ちゃんと考えている印象です。変態要素はなく、主人の危機には超敏感、どこでも駆け付けるという意気込みを感じます。

受けは育ちの影響あり、さくっとビッチ。みずかね先生の描かれるキラキラキリリな美人さんなんですけど、ビッチ。ただ、攻めのまっすぐ穢れない思いを受け止めて、ビッチになれなくなりますのでご安心ください。あと階級が攻めより上なのでお言葉遣いが尊大(笑)。「愛(う)い奴よ」「貴様」って、受けが攻めに向かって言うんですよ、そういうのを読んだのは多分初めてじゃないかな。レアなのではと思います。

お話は、前半は軍の揉め事、後半は他国も絡んでくる、しっかりどっしりしたもの。得意なタイプではなかったので中立寄りの萌にしましたが、尊大受けが気になる方はぜひぜひ。

3

硬派なストーリー

日本風の架空の国を舞台に繰り広げられる物語。
他国も架空の名前になっているので、もしかしたらこれはあの国がモデルかな?と考えるのも楽しいかもしれません。
架空の国ではあるのですが、軍服や言葉遣いその他もろもろ…全体的に昭和始め辺りの陸軍風の味付けといったところでしょうか。

読み心地は軽くはなく、どちらかと言うとちょっぴり硬派な印象がある作品でした。北ミチノ先生は重みのあるお話を書かれるのがお上手ですよね。
軍や他国が絡んだ思惑・事件が描かれた今作。主人公であり陸軍に所属する高城と綾瀬が潜入し巻き込まれていく…と、BL面よりも軍内部の思惑の方が多くを占めるかなと思います。

過去に1度だけ身体を重ねて以来、ずっと焦がれていた美貌の上官と潜入捜査をすることになる。非常に胸躍る設定です。
高城から一途な年下攻めの香りがぷんぷんするんですよ。
ただのわんこ攻めではなくて、きちんと先回りをして仕事も出来る忠犬攻めです。
とにかく真っ直ぐで好感が持てる青年でした。
一方、相手となる5歳年上の上官・綾瀬はというと…なかなかに色気のある人です。好色家で清廉さとは程遠いのだけれど、なんだか品がある不思議な人。
潜入捜査の合間合間に、一途すぎる高城の想いが少しずつ綾瀬の心を動かしていくわけなのですが…

設定はとても好みだったのです。お話も読み応えがある。
ただちょっと、萌えたのかと考えると微妙なところです。
と言うのも、やはり事件・思惑部分に目がいってしまったのです。
登場人物も多く、目まぐるしく事件部分も進んでいくものですから、この人はどちら側…?なるほどなあと考えながら読んでしまい、2人の恋愛面に集中し辛かったのが正直なところです。
逆を言えば、集中して読んでしまうくらい事件部分の読み応えがあったとも言えますね。

自分の萌えのツボとはやや異なりましたが、硬派なテーマでじっくりと読ませてくれる作品でした。
後半の綾瀬視点が意外にもかわいらしくておっとなったので、この辺りはもうちょっと見たかったかな。
しかし、この攻めの安心感はなかなかないのではないでしょうか。良い忠犬攻めでした。

2

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う