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家出したら 猛獣に娶られました
nihiki no yajuu to omega no hanayome
作家買い。
西野さん×ラバーズ文庫、ということでそれはもうエロエロなんだろうと。そう推測していましたが、タイトルからも推測できるように複数攻め、そしてオメガバースもの、という、これぞ西野作品といえる1冊だったように思います。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
獣人と人が共存する世界。
そして、アルファ、ベータ、オメガという3つの性も存在している。という世界観のお話です。
狐の獣人である那桜は7年前に事故で両親を亡くしてしまう。
那桜を引き取ってくれる親戚が現れない中、那桜を引き取ると名乗りを上げたのが白川家の三人だった。両親、そして姉ができた那桜だったが、白川家の面々の目的は那桜の実家を乗っ取ることだった。
食べるものも満足に与えられず、発情期には一人で耐えることしかできず、まるで召使のような扱いを受ける那桜のひそかな楽しみは、清掃の仕事で見かける二人のアルファの獣人たちを眺めることだった。
薄幸な身の上でほのかな恋心を抱くことがわずかな心の支えだった那桜だが、ある日白川の父からとある人物との婚姻をあてがわれることに。それに抵抗し家を飛び出す那桜だったが、運悪くヒートを起こしてしまう。そんな彼を助けてくれたのはひそかにあこがれていた獣人の弦と隆将の二人でー?
というお話。
ヒートを起こしたオメガちゃんと、そこにいるアルファたち、ということで、まあお約束といえるでしょう、メタメタに抱かれてしまうわけです。よくあるお話、ですが、今作品に色を付けるのは、那桜の薄幸さと、彼の出自と、そして初回のセックスで弦、隆将の二人にうなじを噛まれてしまうことでしょうか。那桜の意志は関係なく、しかも出会ってすぐ。そのタイミングで、「番」となってしまう三人。という、テンポの速いお話です。
んー、紆余曲折経て番になる、というお話を所望される方にはやや不向きかな?
少しずつ恋心を育てていき、お互いの気持ちが固まってからの番成立、ではないので、恋の成就という部分に重きをおく方には肩透かしを食らう作品かと思われます。
西野作品×複数攻め、ということで、受けちゃん、服を着る間もないんじゃないの?とか思いつつ読み進めましたが、なかなかどうして、エロに重きを置いた作品ではありません(あくまで「西野作品にしては」という注釈が付きます)。
那桜の養父母との確執がきちんと書かれているからでしょうか。
すんごい胸糞な義家族なので、もっとコテンパンにやっつけてほしかった感もありましたが、弦と隆将の二人がとにかくスマートです。タイトルに「野獣」とついていますが、全然野獣ではありません。イケメンでアルファでお金持ちで。BLにおけるスパダリとはまさに彼らのこと、といえるハイスペック男子ですが、やることなすこと那桜ファーストなので終始甘々です。
スパダリ男子に愛され愛でられ幸せになる薄幸受けちゃん、という王道ながらも萌えをわしづかみにするお話で、序盤こそ那桜の薄幸さに切なくなりましたが、後半はもうさながらシンデレラストーリーです。
幸せと糖度が120%のお話でした。