鎮魂 Guardian 2

chinkon guardian

鎮魂 Guardian 2
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×24
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

210

レビュー数
3
得点
71
評価数
15
平均
4.7 / 5
神率
73.3%
著者
Priest 

作家さんの新作発表
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イラスト
柳ゆと 
媒体
小説
出版社
すばる舎
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784799111260

あらすじ

*電子書籍にて配信の分冊版47~79までを収録。

*柳ゆとによる挿絵あり(紙書籍のみ)。

人気作家Priestによる、再生回数36億回超ドラマの伝説的原作BL小説(台湾リリース版)。
重厚な世界観の中で繰り広げられる数万年の時をかけた壮大な愛と戦いの物語。

邦訳書籍待望の第2巻!

表題作鎮魂 Guardian 2

龍城大学教授
特別調査所所長,鎮魂令主

レビュー投稿数3

運命の過酷さに衝撃を受ける

序盤からBL方向に飛ばしてて最高だった。沈巍がまさかの時空を超えたストーカー。趙雲瀾は恋人妄想でマンション購入。でも現実は、振られて飲んだくれる趙雲瀾と、所員にも気持ちはバレバレで呼ばれたら即飛んでくるのに拒む沈巍。

そこからやっと、という感じの壮大な告白と、そこに至るまでの心理描写はとにかくすごい。
恋人になっていちゃいちゃしたがる趙雲瀾と、初心すぎる反応で逃げる沈巍を見ていると、あんなセリフを吐いたのにこんなに可愛い付き合い方!と何度も告白シーンを思い出す。沈巍の魅力にハマらざるをえない。

ストーリーはどんどん複雑になっていく。いろんな種族の本音と策略が絡み合い、前世の話も出てくるうえに、趙雲瀾が敵の上をいきながら引っ掻き回すので、とにかく沈巍が大変そう。心労で倒れてもおかしくないくらい。

それにしても、斬魂使としての沈巍の状況はあまりにも辛すぎでは。畏怖され忌み嫌われながら、都合よく利用したがる輩が寄ってくる。趙雲瀾だけが自身の存在意義になっていくこれまでの日々を思うと、切なくて苦しい。

パンツを盗みたいなんてあほな目的で沈巍を遠ざけ、死ぬほど心配させた趙雲瀾はちょっと怒られて欲しいが置いといて。このときに“崑崙君”の秘密を知った趙雲瀾の描写がとても良かった。静かに、逆に内面を書かないことで、深みがじわじわ広がる感じ。
両親へのカミングアウトは、趙雲瀾の覚悟なのかな。父の演説が印象深かった。

泣きながら前世の行いを悔いる趙雲瀾と沈巍の会話は、二人の運命の過酷さに衝撃を受ける。同時に、沈巍の想いの強さに圧倒される。自身は重荷を背負い身を捧げ、存在を忘れられても趙雲瀾が楽しく暮らしていればそれで良いなんて。

四つのうち三つの聖器が出てきたし、幾千年も続く二人の関係も見えてきて、いよいよ次は最終巻。展開が何も想像できない。とても楽しみ。

0

過去エピソードのスケールが壮大

1巻は特別調査所の面々が顔見せ程度だったので2巻以降、群像劇みたいにみんなが活躍していくのかなと予想していたのですが、残念なことにそうはなりませんでした。
前半にはそれっぽい展開もなくはなかったのですが、メインの二人に焦点を当てたまま、むしろお話は過去世へ。
なにがすごいって、過去世といってもただの前世ではなく(ただの前世っていう表現もどうかと思いますが)、国生み神話までさかのぼってしまう。
日本だと古事記の世界です。中国の国生み神話を知らないのですが、ここに描かれていた世界は日本のに似ているような気がします。とにかくスケールが違い過ぎるのです。
そして、ようやく見えてきた、趙雲瀾と沈巍のつながり。
イラストやドラマのスチールの影響もあって、沈巍の立ち位置がしっくり来なかったのです。
鬼からも怖れられる斬魂使(孤独でクール)であるのに、沈教授は奥手でうぶ。ちょっと趙雲瀾がからかうだけで真っ赤になる。
イラストもドラマのスチールもクール系なので前者はイメージしやすいんですが、後者は見た目と中身が違い過ぎてピンときませんでした。
崑崙と趙雲瀾は延長線上という感じがするので余計にそう感じました。
それが、最後の最後、種明かしのような過去世語りの章に登場した子供を見て、ああ、と飲み込めました。どうりでこのうぶな反応。小巍という愛称にも納得しました。
二人のいちゃいちゃは可愛いですが、特別調査所のみなさんがほとんど出なくなってしまったので、悲しい。3巻に期待です。

0

天地開闢の物語 & 時空を超えたBIG LOVE

Priest先生の『鎮魂』遂に翻訳版第2巻が発売されました。
まず帯が最高です。「あなたが何度死んでも、何度生まれ変わっても、私は離さない」沈巍のそのいっそ狂気的でさえあるような執着心の理由とは。

第1巻からのその謎が謎を呼び少しずつ過去が明らかになっていく展開に加え、こちら第2巻では天地創造の物語と人々の善悪や是非への問いかけが絡み、非常に壮大な世界観を見せてくれます。
人々は与えられた道を歩むことしかできないのか?支配されたままで決められた運命に抗うことはできないのだろうか?己れの心で己れの行動に責任を持って物事の善悪や是非を見つめていくことができないのだろうか?
人々の自由を願ったそんな葛藤は、中国の古代神話の神々とその所業に触れつつ大きく展開していきます。

趙雲瀾の奔放に見えるようでいてすべての者への慈愛を忘れないその行動原理も、沈巍の頑なまでに趙雲瀾を守ろうとするその信念も、すべては古代世界での出来事に由来するさまが徐々に見えてきます。
意志を同じくした唯一の相手である二人の出会いとは。

世界の黎明から終焉までを描いた物語が個人的に好きだということもあり、BLを抜きにしても物語そのものの面白さに引き込まれます。Priest先生のストーリーテラーとしての手腕にすっかり虜です。しかしながら、もちろんBLな展開も非常に宜しいです。
不意に表れる沈巍の加虐的な部分、いわば物騒な側面についても、彼の出自にその理由があります。しかし彼はそれを抑えに抑えるのですが。

巻末に、作中に登場する中国神話の神々の簡単な解説がついています。とても有難いと共に、お陰さまで『山海経』など中国神話に興味が湧いてしまいました。

5

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