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tsumi mo batsu mo toge mo mitsu mo
yoco先生の挿画に惹かれて購入
いつものように、表紙に物語の全てが込められている。
あとがきに、
「ごんぎつね」を意識したこと タイトルは明菜ちゃんの歌を意識したこと等が書かれてます。
死や別れの折々の表現が、切ない。
切ない展開を、無理やりハピエンに押し込めたようで、結末は呆気ない。
父の遺品の手帳は、ある人の為に命を捧げた記録が綴られていた
生前、無口で無愛想な父は見合い結婚。
「罪も罰も棘も蜜も溶かすような初恋に 父は命を捧げたのだ」と、
無骨な父の純粋で切ない生き方を受け止める遺児の回想で始まる物語。
死んだ文月理人が、影の主人公。
安堂青磁:31才 陸軍大尉 伯爵家長男(モデルはハイカラさんの伊集院)
部下の文月の遺児の安否を気遣い訪問。白澄の養育を申し出る。
文月理人:軍曹 大戦で重症を負い帰国。 35才で没。
文月次郎:理人の父・白澄の祖父 息子の死後、衰弱。孫思い。栃木に療養。
文月白澄:12才 理人の遺児。華奢で虚弱 両親死没、祖父療養で孤児院に入る予定。
天花寺喜和子:12才 青磁の嫁志望の隣の娘。性格に表裏ある都会の山猿。
最近BL沼にハマり始め、漫画→ドラマCDときて小説は手を出してなかったのですが、時代背景がある設定が好きなのと、書影があまりにも素敵だったので購入。その後、見事に小説を買い漁るきっかけとなりました。
ストーリーは、健気な受けくんの成長も見られてとても可愛くて繊細で好きです。
ただなによりも、サブキャラの喜和子ちゃんが良すぎる。
この子を書きたかったんじゃないか??ってくらいとても素敵な人物です。
BLにおける女キャラでここまで素敵に描かれてるのってすごいなと思います。
神にしない理由は、やっぱり攻が受けを思う気持ちの描写がわかりづらいからでしょうか。
好きになったきっかけの話はありましたが、(それはそれでとても可愛い)、シーンとして描かなくていいので受けを思う気持ちの変遷がわかるとよかったかな…と。思います。
なにはともあれ、この小説に出会ってなかったらBL小説に手を出してなかったと思うので、本当にありがとうございました。
yoco先生だったので購入。本編はさらっと読んでしまったので中立という気分なのですが、サブキャラがあまりに強烈で好きだったので萌にしました。弓月先生の既刊がお好きな方でしたら大丈夫なのでは。本編230P+あとがき。
陸軍軍人だった父が傷を負って帰国、手当の甲斐なく死に、母も亡くなり、祖父と二人暮らしていた白澄(きよと)。ある日、父の上官だった軍人が尋ねてきて、事情を聞くと白澄を引き取りたいと言い出し・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
天花寺喜和子(攻め宅隣の良家の子女)、受け父(故人)、攻め父母ぐらいかな。
喜和子さまが最高にぶっ飛んでいて良いのです・・好き、このキャラ。
++攻め受けについて
攻めは寡黙軍人、伯爵家嫡男だからか何でもかんでも優雅という印象。優しい軍人さんなので民のためちゃんとあれこれ助けてくださる方です。そしてこの両親がまたおおらかな伯爵夫妻で、嫁姑問題なんて絶対なさそうな方々。超優良物件やと思います。
受けさんは不憫な子だったんですけど、伯爵のところへ引き取られ、学校に行ってきちんとご飯を食べて、少しずつ健やかになり・・ってところなんですけど、そこにですね、喜和子さまがくるんですよー!最高なんです、この喜和子さま!
「お兄さま、ごきげんよう。この方、どなた?」と優雅にお尋ねになったかと思いきや、受けと二人になると「この痴れ者が、わたくしを誰と心得る」「喜和子さまと呼べ」とのご発言、爆笑。こういう強烈なキャラクター大好きなんです。
勿論BLなので、喜和子さまが攻めとくっつく訳はないんですけど、彼女は彼女なりに幸せになって、それを攻め受け二人でちゃんと見届けるってエピもあるんです。すごく好きなキャラだったので嬉しかったです♡
お話はふーんとさらっと読み終えたんですけど、とにかく喜和子さまが好きで楽しい一冊でした。
yosoさんホイホイされてお買い上げ。
薄幸受け。
薄幸受けちゃんがスパダリ攻めに愛され幸せを手に入れる。
軍服素敵。
という、弓月さんらしいと言って良い作品だったと思います。
何より、
軍服を!
yocoさんが!
描いてくださってるー!
という素敵要素もきっちりと詰まった1冊でした。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
史実に伴う、世界大戦が終結した日本が舞台。
12歳の白澄。
父は戦死し、夫を亡くした妻(白澄の母親)は失意のあまり追うように亡くなり、祖父と二人暮らしをしている。が、祖父が先物取引で失敗したことで金銭的に困窮し、学校にも通えず、食事も満足に取れず、そして祖父が病に倒れたことで孤児院に行くことが決まっている少年だ。
が、そんな白澄に手を差し伸べてくれた人物が。
亡き父の軍隊の上官に当たる青磁だ。部下の死を悼み、彼の遺児を心配し白澄のもとを訪ねてくれたのだった。白澄の現状を知った彼が、自宅へと引き取ってくれることになり―?
凄く素敵だなと思ったのは、序盤に書かれている短文。
誰が、誰を。
この短文が白澄の亡き父・理人という人物像を端的に読者に魅せる。この短い文章で一気に萌えが滾ってしまいました。さすが弓月先生といったところか。
今作品のバックボーンはシリアス寄り。
戦争という牙が、弱いものから傷つけていくという現実をまざまざと見せつけるからです。が、シリアス一辺倒かと言われるとそうでもない。
その大きな理由の一つに、白澄という男の子にあります。
彼の家は貧しく、ゆえに学校にも通えず、その結果彼は教養がない。それが彼を粗暴に見せるのではなく純真無垢な少年として描かれていて、しかもその純朴さが彼の行動に笑いを持たせる。学がない彼の行動を失笑する感じではなくて、むしろおぼこいというのか、母性本能をくすぐるというのか、守ってあげたくなる感じ。
そして、今作品には主要CPの二人以外に重要なキーパーソンが登場します。
青磁に憧れ、お嫁さんになりたいと思っている隣人の喜和子(年は白澄と同じく12歳)。お金持ちのお嬢様で、見目麗しく、楚々とした女の子…、に見えて、実は。という女の子です。読み始めたときは彼女はがっつり当て馬さんなのだろうと、そう思いつついたのですが、彼女がめっちゃ良い…!
序盤、まず提示されるエピソードに萌えが滾り、白澄と彼のおじいちゃんとの別れのシーンで思わずウルウルし、頼る人もいなくなった白澄の心細さに切なくなり…、からのコミカルな展開に思わず笑ってしまい、けれどそのコミカルさとシリアスさのミックスの仕方が非常にお上手で、一気に作品の持つ世界観に引きずり込まれてしまいました。
お話としては凄く面白くって引き込まれましたが、肝心の青磁×白澄の恋の行方という部分に関してはあっさりした感がありました。こうなるだろうなという予想を裏切らない展開だったのと、あと、正直喜和子ちゃんの存在が大きすぎた感は否めず。喜和子ちゃん、めっちゃ味のある女の子なのですが、その分青磁さんと白澄のやり取りがやや甘かったかなあ、と。この二人のやり取りがもう少し読みたかったな、という願望もあって、ちょっぴり物足りなさを感じました。友人の息子、であったはずの白澄への感情の変遷がもう少し書き込まれていたなら、あるいはもう少し萌える作品になった気がします。
とはいえ、弓月先生らしいシリアス過ぎないほのぼの感も満ちた一冊で非常に読みやすかった。そこにyocoさんの描かれた軍服のカッコよさは圧巻。もうひれ伏すしかないカッコよさで、めちゃめちゃ萌え滾りました。