電子限定版
tabi no michizure wa namonaki ryu bangaihensyuu
「旅の道づれは名もなき竜」の番外編4作
全部が、相愛を描いた暖かい内容だけに、
読後、花食いの優しい竜が、シルヴィエルが亡くなった後、
どうするんだろうかと思ってしまった。
数百年の間、ずっと独りで生きて、
仲間の花食い竜は絶滅、
夢を見ないはずの竜が、観た夢は、死んだ両親や、助けてくれた少年。
人間の寿命は短い。
竜に比べたら儚い寿命のシルヴィエルの
ほんのちょっとの笑顔だやしぐさや思いやりが、
竜は可愛くて嬉しくて仕方ない。
読んで切なくなった。
本編後シルヴィエルの故郷の神殿で暮らす二人。竜視点です。
毎日シルヴィエルは朝早く起きて神殿の精霊の泉を磨きます。
シルヴィエルを抱きしめて眠る竜は気づくものの後から起きてシルヴィエルの様子を見守り、彼の美しさにうっとり。
本当はシルヴィエルとイチャイチャやもっと先のこともしたいのに、シルヴィエルが精霊のいる場所では…とさせてくれなくて。
思わず竜は精霊たちが一晩旅行にでも行ってくれないかなと呟くと、後から精霊にそのことを聞いたシルヴィエルが竜を街へ泊まりで誘うのでした。竜には精霊は見えません。
しかし他のお話ではどうも精霊たちが竜に素敵な夢を見せてくれたようで。竜の孤独とシルヴィエルに巡り会えた僥倖と今の幸せを噛みしめる竜でした。
いつもシルヴィエルはそばにいて隣で笑って抱きついて竜はシルヴィエルが幸せそのものなんですね。シルヴィエルが街へ泊まりで出かけた晩は知り合って初めての一人ぼっちで久しぶりに暇だなと呟いてました。
出会った頃には荒んでいたシルヴィエルが今ではとても穏やかに竜の隣で笑っていて、幸せな番外編でした。