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今まで読んだ月村さんの小説のなかで一番好きかもしれない。
正直細かい部分では不満はあって、数ある月村小説のなかでも完成度では頭ひとつ下がっちゃうかなとも思うんですが、主人公のいじらしさに胸がキュンキュンして、涙ポロンとなって、細かい話なんてどーでもいいやと思えましたw
主人公は高校生です。
母親が死に、天涯孤独となり、ゲイである義理の父親に引き取られ、以来ずっと彼に恋している。
この恋心は、知られてはいけない思いだ。
父親が家に連れてくる恋人への嫉妬を隠し、カムフラージュとして女友達を恋人ぽく見せかけ、気安い暴言の裏側で一途に義理の父親を愛している。
封じこめた感情が飽和状態となり、ギリギリまで追い詰められ、怒涛のように気持ちを吐露して告白するシーンで、ボロボロ泣きました。
めっちゃ良かった。
月村さんお得意のグルグル後ろ向き思考の受けと、飄々とした明るい攻め。
文庫版よりも、こちらのほうが絵の雰囲気が話に合っていると思います。
でも、この話の受けも受けだけど、攻めも攻めだと思うな。
好きな話ですが。