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日高(受)の視点でストーリーは進みます。
佐伯という俳優の不倫ネタを追っているうちに、大学の同窓生の甲斐(攻)に再会します。
甲斐は、殺人事件の容疑者になっている幼馴染・晴人の弁護士であり、日高は甲斐と共に事件を調べることに。そんな中、甲斐が晴人を好きだと気付き、黙っている代わりにセックスをしろと迫ります。
表紙イラストも、口絵のカラーイラスト2枚でも、日高が甲斐を誘う感じだったんで、軽い男という予想だったのですが、読んでみたら意外と純情派でした。
口ではぺらぺらと喋るものの、実はかなりの臆病。触ってもいいのか、と甲斐に問う場面など、震える小鳥のようで可愛かったです。
ただ、日高の記者としての有能ぶりはあまり発揮されなかった気がしています。特ダネ以外にも、晴人の事件と並行して、細々とした記事を仕上げている様子があったらなお良かったのではと仕事モノ好きなんで考えました。
それと、私は予想外な展開が好きなので、容疑者が実はという結末も結構楽しかったです。
軽薄を装うけど実は純情な受け、不愛想だけど誠実で包容力のある攻め、事件モノがお好きな方にはよろしいのではと思います。
表紙イラストで後ろの甲斐の表情が、読む前は迷惑そうだと思ったのですが、読んだ後見てみたら印象が変わりました。こういうのが上手な描き方なのかもと、絵は詳しくないですが、感心しました。
大物芸能人の浮気スクープの調査をしていた雑誌記者の日高隆一は、調査中に偶然にも大学の同級生の甲斐芳弘に出くわします。甲斐は弁護士となっていて依頼人である武田晴人の家を訪れたところだったのですが、甲斐を引き止めたい日高は独占取材を条件に晴人の無実を晴らすべく協力を申し出ます。さらに甲斐の晴人への想いに気付いた日高はそれをネタに甲斐にセックスを強要するのですが・・・。
甲斐を引き止めたくて遊び人を必死で演じ続ける日高がかわいかったです。殺人事件の真相に少しずつ近づいていく様も良かったのですが、いかんせんオチがよろしくない。それだと結局なんだ警察が正しかったんじゃんということになってしまいカタルシスが無いんですよね。二人のやってた事も意味がなくなりますし。できれば犯人はもっと別の人にして、二人の調査により本当の真実を見つけましたという風に展開していただきたかったです。