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sakurafubuki wa tsuki ni mau
作家買い。
宮緒作品の『華は褥に咲き狂う』のスピンオフです。『華は~』と同じ世界観のお話ですが、全く別の作品なので未読でも読めるかな?もちろん読んでいた方が面白くは読めますが。
が、今作品はタイトルに(2)とついていることからも分かるように、『桜吹雪は月に舞う』の続きものです。『桜吹雪は~』は読んでいないと話が分からないので、未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。
前巻が刊行されたのは2017年。実に5年越しの続刊なわけですが、前巻が色あせないのはさすがというべきか。『華は~』は小山田さんが、『桜吹雪』シリーズは笠井さんが挿絵を描かれていますが、どちらも美しい!
前巻のネタバレも含んでのレビューになります。苦手な方はご注意ください。
舞台はお恵渡。
現永崎奉行である鷹文の一人息子の好文は、若干18歳でありながら北町奉行に抜擢された見目麗しく正義感に溢れた青年。
そんな彼のもとにとある訴えが持ち込まれる。赤子が閻魔像に喰われてしまった、という摩訶不思議なものだった。閻魔を象っているとはいえ「像」。それが赤子を喰らってしまったとは一体?
過去にも同様の事件があったことを知った好文は事件の真相を追うが、そんな彼のもとに現れたのは明星で―?
「明星」という人物がいったいどんな人物なのか、好文との関係は?という部分に関しては前作参照。前巻で明星の素性が描かれていましたが、奉行という立場にいる好文とは敵対する存在です。『華は~』は攻めさんと受けさんは夫婦という関係で共に闘う存在だったのに対し、今シリーズはそれとは対照的な関係にあります。彼は宮緒作品らしい狂犬ですが、そこに敵という枠が加わったことで今までの受けさん大好きワンコ(を通り越したオオカミ)という攻めさんとは一線を画す攻めさんです。
閻魔像が赤子を喰らう、というドロドロした謎を軸に描かれていますが、ベースは明星×好文の関係なのでBLとしての萌えも、ミステリとしての面白さも詰まった1冊。どうなるのかハラハラしつつ読み進めましたが。
今作品の面白さは、奉行としての好文が解決に乗り出す事件と、明星×好文の恋の行方、だけに非ず。好文の母代わりの存在・実醇、実父の鷹文という魅力的な存在も素晴らしい(今巻では鷹文はほぼ登場していません)。彼らの複雑な関係も良い。というか、実醇が最高過ぎて悶絶しっぱなしです。彼のスピンオフも書いてほしいな。
前巻のレビューでも書いたのですが、今シリーズは「〇山の金さん」です。
お若い方は知らない方もいらっしゃるかな…?時代劇が当たり前のように放送されていた時代を知っている私には懐かしくも新鮮な気持ちで今シリーズを読んでいますが、その不朽の名作に宮緒さんらしいエッセンスが加わることでこうも面白い作品になるのかと圧倒されます。
そしてそれを笠井画伯が色を付けた感じ。
金さん、もとい好文の儚くも強く逞しいイメージが可視化されていて美しいの一言です。もちろん、個人的推しキャラの実醇と明星も。この二人が好文を守るために共闘するシーンには、もう、もう…!ってくらい萌えましたです、はい。
後半で実醇の家族に関しても見えてきますが、こちらもどうなっていくのか目が離せない。
バックボーン、というか内容が凄く濃い作品なのです。
が、そのてんこ盛りのバックボーンがきちんと絡みながら進んでいくので、ストーリーに奥行きがある。前巻はあくまで前振りに過ぎず、っていう感じ。『華は~』が完結してしまって哀しかったのですが、その喪失感を今シリーズが埋めてくれた感じがします。
めちゃめちゃ面白い神作品。
早く続きが読みたいです。
今回は百人斬りの大罪人と北町奉行のお話です。
忽然と消えた赤子を追った閻魔王冤罪事件の顛末と
姦通の冤罪を掛けられた男の無実を晴らす顛末を収録。
受様は譜代旗本で永崎奉行の統山家当主の嫡男です。
受様は父の家臣を母親代わりとして育ちますが
彼が父の愛人と知って飛び出した恵渡の町で
不思議な近眼をもつ攻様と出会います。
攻様は受様を気に入り、受様を虜にしますが
攻様は百人斬りと評される稀代の悪党であり
真実を知った受様は統山家に戻る道を選びます。
最年少で町奉行に着任した受様は
早々に悪名高い凶賊捕縛という大手柄を立てますが
その陰には受様を手助けする攻様の暗躍していたのです。
ある日、
受様は仕事ぶりを評価して受様が引き立てた同心から
薬種問屋の訴えについて判断を仰ぎたいと
目通りを求められます。
その薬師問屋は息子を閻魔に食い殺されたかもしれない
と訴えていました。
主人は家付娘である妻には長く子ができず
妾に子が生まれたばかりの赤子が
焰王寺で前で忽然と消えたというのです。
赤子を背負っていた乳母は閻魔像が
おくるみを咥えていたと半狂乱で泣き帰るも
店主は怨恨か身代金目当てのかどわかしだろうと
犯人を刺激しないようにと町奉行には届け出ず
大枚をばらまいて恵渡中を探したのですが
赤子の手掛りは全く掴めず
町奉行所を訪れてきたというのです。
果たして受様は薬問屋の訴えを解決できるのか!?
雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
親の仇を家ごと滅し裏社会で生きる攻様と
高位旗本 統山家の跡取りで若き来た町奉行の
丁々発止の捕物劇第2弾となります。
既刊『華は褥に咲き狂う』派生のスピンオフですが、
主シリーズは"暴れん坊将軍"、
本作は"遠山の金さん"のパロディのため
勧善懲悪な痛快時代劇のお約束な展開が根底にあるので
推理モノとしても楽しめるお仕立てです。
赤子のいなくなった焰王寺の魔王像には
泣く子を喰ったという血生くさい言い伝えがありますが
受様は攻様との出会いにより神仏よりも
生きた人間の方がずっと恐ろしいのだと知っています。
赤子の無事と閻魔王の濡れ衣を晴らす為
町人に身をやつして聞き込みを始めます。
赤子を攫って妙薬の原料とする極悪人集団の影
薬問屋の先代店主の娘で現当主の妻の醜い嫉妬
赤子を亡くした鳶の夫婦の想い
受様の栄達を望む攻様の狙い等々
複雑に絡み合う糸を巻き取っていく受様が暴く
閻魔王冤罪事件の真相とお裁きは圧巻です。
今回のために書き下ろされた続編は
この閻魔王事件の罪人が斬り殺される事から
幕を開けるのですが
こちらも思ってもいない人のつながりが
受様や攻様を絡めていく事となり
今回の事件は解決するものの
更なる謎を提示されての幕引きで
早くも続きがきになりました。
本作は5年ぶりの続刊でしたが
次巻は早めに出てくれる事を祈るのみです。
雑誌『小説Dear+』さんにてこちらを初読みして、めっちゃ面白い!めっちゃ好きなやつ!とすぐさま1作品目を買いました(*^^*)
なので、こちらも文庫となるのを心待ちにしてましたよ♡
受け様は、恵渡の民を守る北町奉行、統山好文。
攻め様は『百人切り』との悪名名高い大罪人、明星。
よく知られた時代劇『遠山の金さん』の宮緒先生バージョン。
好文は錦さんとして市井におりて、事件を解決していく。
好文の側には、母代わりとして好文第一の守役である実醇や、お調子者だけど憎めない桃若などなど。
魅力的な人が目白押し。
もちろん、好文が呼べばすぐ返事をする明星ですよo(>∀<*)o
神出鬼没が凄いんですけど、それが出来そうなのが宮緒先生の攻め様(≧∇≦)
今回は、閻魔様の像に赤子を食べられた、という訴えを解決する、雑誌掲載されたお話と、書き下ろしになるのですが。
書き下ろしに新しく登場した冬雲。
明星と対等に斬りあえる程の強さを持つ実力者で、よく分からない不気味さがあって。
冬雲とわたりあった後の明星が、縋るように好文と情を交わそうとするのが、初めて見るようならしくなさで(〃∀〃)
雑誌掲載の話のラストでは、自分の元へ引きずり落とそうと目論んでいる明星の、虎視眈々とした強かさに魅せられていたので、これからどうなっていくのか、一筋縄ではいかない雰囲気となり、とっても楽しみ。
イラストは、引き続き笠井あゆみ先生。
麗しさと濡れ場の淫靡さと、お話の雰囲気ピッタリです(/∀\*)
史実と創作とBLが絶妙なバランスで展開する、唯一無二の世界観のシリーズのスピンオフ。こちらの方がちょっと血生臭い展開が多いのでライトなBLが好きな方には重いかも。でも、登場人物もストーリーもすごくみっちり隙なく展開するので本当におもしろい。時代物の設定とか色々細かいお約束などは読み進めるうちに理解出来るので、ぜひ一度挑戦して欲しいです。宮緒先生以外にこんなにしっかりした時代物のBLはないので、知らない世界の扉が開くこと請け合います。
雑誌に掲載された「奉行と閻魔」が凄く面白くて凄く記憶に残っていたのですが、書き下ろしの「奉行と人斬り」が入ることによって次巻への流れが自然と出来上がっているのが流石でした。
明星の狙い通りにやがて好文は明星と同じところに堕ちてしまうのかと、そこにばかり気を取られていたところで、書き下ろしで爆弾を落とされた気持ちになりました。
今回は謎だった実醇の出自が分かったところか、思わぬ人物と血縁関係だと判明してました。
いやぁ、正直言って今回初登場した人物が底知れない恐ろしさで、これからどんな動きを見せるのか気になってしかたがありません。
スピン元の作品が完結してしまっていたので、こちらのシリーズが動き出したのは凄く嬉しいです。町方で起こる事件も面白くて好文がどう解決して行くのかが凄く楽しみなんです。
それからスピン元の「華は褥に咲き狂う」の光彬の祖父の彦十郎のお話も書かれるとあったので楽しみに待ちたいと思います!
前巻、[桜吹雪は月に舞う]の、続き。
人物相関を抑えると面白みが増すので、既刊シリーズ読了をお薦め。
なんちゃってBL時代劇、しかも殆どの登場人物も超美形。
美麗な笠井先生のイラストがエッチ。
主な内容は、
・赤ん坊と閻魔
・首切り浅右衛門
・孤児と大店
今作の主要登場人物で、新しい人物は「冬雲」。
冬雲は剣の達人、茨木や明星も勝てない。
家紋は、茨木や明星と同じ、月に雲。
・・その意外な理由が明かされ、不穏な予感、次巻に続く。
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メモ 関連作:
華は褥に咲き狂う:1-8 紫藤純皓x八代目将軍光彬
桜吹雪は月に舞う:1-2 月雲十九郎x統山好文
「桜吹雪は月に舞う」は「華は褥に咲き狂う」のスピンオフとのことです。
「華は~」8巻まで出ていますが、そのうち1~4巻は電書のみ。「桜吹雪は月に舞う」の1冊目も電書のみです。
小説は紙で読みたい派で、悩んだのですが、「華は~」も「桜吹雪は」1巻も読まずに、いきなり本書を読みました。
巻数ものは順番に読むべきであり、私のレビューはあまり参考にならないと思います。
なのにどうして2巻だと分かっていながら読んだのか。
それはひとえに時代物が好きだからです。ゼロではないですが、絶対数は決して多く無いBLの時代物。
しかも大好きな江戸時代。慣れ親しんだ遠山の金さん。あらすじを読むと、百人斬りの大罪人と北町奉行の恋愛らしく、期待値だけがめきめき高まっていきました。
それだけに色々と惜しかったです。細かいところがどうしても気になってしまいます。
ページ数の都合かもしれませんが、ものすごく都合よく展開する(ように見えてしまう)、いいところにちょうどいい人が現れて事件が解決する。
主眼が恋愛なのは分かっていますが、事件物なので、残念に思いました。
また、金さんが御白洲で桜吹雪を見せる一番いい場面で、目ん玉かっぽじって、は無いなと。担当編集さん読んでないのでしょうか。自分の目を疑いました。かっぽじるのは耳の穴。目ん玉はひんむく。
恵渡(えど)、永崎(ながさき)、弐本橋(にほんばし)、陽ノ本(ひのもと)など、地名の漢字が置き換わっていて、似て非なる世界観なんだなと目で分かります。面白いなあと思いました。遠山は統山でしたし。金さんも錦さんでしたし。
本書は「奉行と閻魔」「奉行と人斬り」の2本立てです。一粒で二度美味しい。細かいところが気にならなければ楽しめると思います。