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kasasagi no ou
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
K・J・チャールズ作品を読むのは初めてになります。翻訳本を読むのはちょっと勇気がいるんです。やはり翻訳者の文章との相性があるのと、文章に慣れるまでは時間が掛かる場合もあるからです。今回も最初は戸惑いました。
ただルシアンがデイと出会ってから起きるオカルト的な出来事が面白くて、謎解きを見ている気持ちで夢中になっていました。
ルシアンに起きてる事象が気味が悪くて、彼の父親と兄にしても亡くなったとはいえ最悪で、デイの過去も相まって彼がルシアンを救う事が出来るのかと不安になりながらもページを捲る手が止まりませんでした。
ルシアンというか彼の一族を標的にした悪意にはゾッとしたし、タイトルの「カササギの王」の意味を知った時には救いを見いだして高揚感に襲われた程でした。
命に関わる事象と闘っているのでルシアンとデイがハッキリと結ばれるのは終盤になってからでした。それでも彼らの間に流れる感情のやり取りが凄く素敵でした。
ルシアンの従者のメリックも魅力的でした。そしてルシアンとデイの間を行き来するカササギのタトゥーのお話がとても印象的でした。
3冊連続刊行らしいので続きを楽しみに待ちたいと思います。
オカルトとか謎解きが好きな方にお勧めします。
「イングランドを想え」が非常に良かったので、初シリーズ物が読めて嬉しいです。
一応オカルトものだそうですが、どちらかというとダークな魔法ファンタジーものの印象を受けました。オカルトやホラーが苦手な人も、そこまで残酷な描写も無いので安心して読めます。
ファンタジー要素があるとは言え、イギリスの貴族社会も垣間見る事もできて面白いです。クレーンがイギリスの貴族の出自とはいえ、上海に追いやられ、底辺の生活を強いられ生き延びてきたという異例の経歴も新鮮でした。それ故のクレーンの貴族らしからぬ振る舞いも魅力だった。庶民のスティーブンの方が箱入り息子に見えてしまう…。
貴族に能力者に、、と社会構造が複雑でした。貴族イコール能力者でないから余計にそう感じました。貴族でも能力が無ければ、弱い立場になる場面もあるだろうし、社会構造を均衡に保つのが大変そうかも。
最初タイトルの「カササギ」がピンときにくかったのですが、裏の主役でした。アッと驚く仕掛けがあり、面白かったです。あのヒッチコックの「鳥」の映画を思い出しました。このストーリーは映像化したら映えそうだな…と思いました。
一応この巻で事件は解決していますが、クレーンの能力の秘密やスティーブンとの関係性、初代の話、なぜクレーンがあそこまで(性癖問題以外に)父親に疎まれたのか…などの謎が多く残っています。続きの巻が楽しみです。
最悪な貴族の父兄が死んで、香港からイギリスに帰ってきたルシアンは謎の呪いによって殺されようとしている。
そしてシャーマンを頼るしかなく、能力者のスティーヴンが紹介された。
一体誰がルシアンを呪っているのか、そして怨みを買いまくっていた父兄の尻拭いだけではなく、一族に秘められた特殊な事情が明かされていくのにワクワクした。
物騒で血腥い魔法の攻防もダークファンタジーな感じで面白かった。
キッレキッレの皮肉が飛び交う会話も好き。
そして二人の間を行き来するカササギの刺青がロマンティック。
クレーンとスティーブンを次々と襲う残忍な事件が怖ろしい。謎が解けていく様子はハラハラしたけど面白かった。
スティーブンにとっては因縁の相手であるクレーンだけど助けたのは感じるものがあったからかな。最初の雰囲気が最悪だったので展開が気になって。
見えない敵に共に立ち向かう中で、互いの本性が見えて良かった。クレーンは公平で正義感があるしスティーブンは理知的で妙に色気があって魅力的。危機的状況での2人に愛を感じてドキッとした。解決後のラブラブな2人が最高!
愛の奇跡が素敵。今後の2人が楽しみ。
表紙右の裸体が貴族であるクレーン卿(攻め)で、左がスティーブン・デイ(受け)です。身分ある攻めが裸体で表紙に描かれる作品て稀な気がする。
現実味溢れる作品が好きなので、オカルトをどこまで許容できるかな、と思いつつ読みましたが、思った以上に受け入れやすい作品でした。翻訳の言い回しに違和感もあれ、許容範囲内です。強いて言えば頻出単語である「デイさん」のさん付けにずっと違和感がある。
さておき、イギリスと上海という舞台がぴったりの超常現象の空気が大変面白い。日本の作家さんでは書きにくいだろうなという世界を読めるのがモノクローム・ロマンス文庫の良さ。
彩りの少ないおはなしの中で終盤に輝くカササギの刺青がまた良し。本の最後1割ほどは『刺青に纏わる間奏曲』と題されたおまけのお話で、これがまた良い。急激な甘味で締めくくってくれます。そうだ!甘いと思ったこのおまけの話の中で、クレーンが「我々はあと数ヶ月で中国へ戻る予定じゃないか。」と言ったから急にヒヤッとしました。次巻にも期待。
いい体してる伯爵37歳×小柄な能力者28歳のオカルト・ファンタジー。舞台は19世紀イギリス。例によって同性愛が犯罪になってしまう時代です。このレーベルでこの作家さんは今現在全てこの時代背景のお話です。日本に時代物というジャンルがあるようにきっとお気に入りなのでしょう。
翻訳物特有の話に入り込むまではわりと回りくどいようなわかりにくい部分もあったのですが、第一印象は最悪だった2人が惹かれあって想いが通じてだんだん仲良くなってくるとニヤニヤが止まりません。
受けはオカルト的に強い力を持ってるけどベッドの上では支配されたいタイプ。えっちの時だけ「閣下(マイ・ロード)」と呼びかけるのがえっろー!受けが年下、小柄でリバ無しなので日本のBLファンにも楽しめると思います。
1月と2月にもなんとこのシリーズの続編が2冊連続で出るそうで嬉しい。他のモノクロームロマンス文庫も1〜3月まで毎月出るらしい。今自分の中で1番期待を裏切らないBL小説レーベルなので楽しみが続きます。
yoco先生だったので購入。表紙通り、ダーーーーーク。翻訳ものは苦戦することがあり、時折「?誰?」「?何?」というものはあったものの、ぎり読めました。攻め本人の謎はまだあれど、まあ「ごっくん」と飲み込める終わり方なので、お試しに読んでみられても良いのではないでしょうか。すっごく不思議なお話です。本編260p+別視点でのお話20Pほど。あ、本の名前はカササギの魔法ではなく、カササギの王、です!
舞台は19世紀のイギリス。父、兄と亡くなり、家を継ぐべく帰国し八代目クレーン伯爵となったルシアン・ヴォードリー。勝手に自殺しようとするようになって、手に負えなくなったため、ツテで紹介してもらったのはちっこくて貧相な印象のスティーブン。しかも父兄に恨みがあったらしく、めちゃ睨まれていたのですが、クレーンの様子を見るや、あれこれ対応してくれて…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
メリック(攻めの従者)、攻め父兄(故人)が印象的だった。他にもいっぱいいるんだけど、覚えていられない・・・冒頭に人物紹介ページがあるから無問題です!
メリックはめちゃくちゃ活躍していてすごーく健気なのがとても印象的。やりたい放題の攻めをひたすら支えてきたに違いない…と感じます!最後までこのままなのか、豹変するのか……?個人的注目キャラ。
++攻め受けなどあれこれ
攻めは色んな呼び方(訳)をされてます。クレーン(鶴)、クレーン卿、閣下(マイロード)、ヴォードリー等。メインは「クレーン」呼び。父兄に嫌われていて、17歳の時に上海に追いやられ一切音信不通だったのが、帰国したばっかり。クレーンの領地はパイパーというところ。(地名なのかよく分からず)そこに遺されたものを整理していたら、「ユダの手先」(と訳されているもの、呪いの人形みたいに読めました)が出てきて、それが「衝動的に自殺をさせようとしている」と分かるってな感じで始まります。
受けはその「ユダの手先」を見つけ始末し、攻めを救ってあげる能力者(プラクティショナーとルビがふってある)という役どころ。うーん、シャーマン?物理的に物体を移動させる能力もあるみたいだしなあ。ちっこくて地味なんだけど、能力ばっちり。能力者の集団に所属していて、そこから派遣されて・・・という動きをしています。
事件もの?謎解き?オカルト?総合してダーーーーーーーーク!というのがぴったりなお話でした。最後にもうオカルト満載ですので、そういうのはピッとでもダメという方は回れ右された方が良いと思います。なかなかです。イギリスのどんより曇った空、冷たい雨、広い暗い石の床の大きな屋敷、暗い部屋の中で揺れる蝋燭の火といったものが大好物という方でしたら、是非。存分に楽しめると思います!私はイギリス文化とか英語が得意って訳ではないので、ちょっと苦戦したし、面白さを30%ぐらいしか感じ取れていないかもしれないなーと思ったのですが、2巻も読んでみようかな。
はい、評価基準はこれに尽きます…”タトゥー萌え”。
初モノクロームロマンスでした。購入した理由は、表紙が素敵すぎたから!!あと、ヨーロッパのオカルトものが好きなんです。というわけで、購入時の読むモチベーションMAX!!意気込んで読み始めたのですが…正直、読みづらさに最初の100頁くらいで心が折れそうになりました…。でも、そんな折れそうな心を支えてくれたのは、表紙で背を向けているカササギタトゥーの伯爵のキャラとyoco先生のイラストでした…。
私が手こずった原因の一つとして、能力者とか魔法とか…諸々の設定慣れしてないっていうところがあったかなぁと思います。(シリーズ第一弾なの?!っていう、もしや前日譚を読む必要あった?と疑ったりしたんですが、、、ただの被害妄想でした。)
あらすじは、すでに投稿されているレビュアー様が記載されている通りなんですが、20年ぶりに上海から伯爵位相続のために帰国したクレーンが、謎の自殺願望に囚われていて、それを解決するために雇われたのが”能力者”という、超常現象専門探偵(←勝手な解釈です)のスティーヴン。実は浅からぬ因縁のある二人が、クレーンが相続するパイパーという土地にまつわる不可解な現象を解消すべく協力して立ち回っていく…という、、物語のネタバレしちゃうと面白さ半減すると思うで、ネタバレなしで読んでみてくださいませ。(と言いつつ、オチに若干の違和感…)
一番魅力を感じたのは、クレーン伯爵です。その性癖ゆえに一族から異端扱いされ、極東に追いやられ、そこでどん底から事業で成り上がったというキャリアがドラマチック、むしろここの物語読みたい…。さらに、彼に影のように寄り添う運命共同体的な存在である従者メリックとの主従萌え!!!また、同時収録されている”刺青に纏わる間奏曲”で、タトゥーを入れたときのエピがさらっと描写されているんですが!!!!ここを1冊で読みたいんですが!!!!この伯爵が今まで関わってきた恋人たちとの物語は、倒錯と変態性の只ならぬ匂いがして興味津々々々々…。伯爵の過去エピやメリックに比べて、スティーヴン(受)に魅力を感じられなかったのも私の敗因です。あ、でもふたりがおせっせしたあとに起こる超常現象があるのですが、これは意表を突く面白さで好きでした。(一番想像しやすかった…)
第二弾も伯爵×能力者かぁ…(伯爵の過去に遡らないかなって期待しちゃったんですが)。やっぱり表紙素敵だし、伯爵エピは萌えるので、、なんだかんだきっと買ってしまう予感がします。