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kusuriyubi ni tadoritsuku made
番外編集、第2弾。
作家買い。
2020年に刊行された崎谷作品の『崎谷はるひ作品集 はるならい』と同じく、崎谷作品の人気シリーズの番外編集。崎谷さんの書かれたあとがきを拝見したところによると、2010年に刊行された全サ小冊子『S's Trifle 崎谷はるひ連続刊行フェア小冊子』がまるっと収録されているそうです。以前欲しくて探して、でも手に入れられず臍を噛んだフェア小冊子が、今、時を経て読むことができて感無量です。
収録内容は、というと、
・「Sickness-病気-」（「アオゾラのキモチ ― ススメ」より）
・「不可欠で甘い存在」（「不機嫌で甘い爪痕」より）
・「Gravity-重力-」（「不機嫌で甘い爪痕」より）
・「静かにあなたとともにある」（「静かにことばは揺れている」より）
・「Unconscious-無意識-」（「心臓がふかく爆ぜている」より）
・「Priority-優先権-」（「慈英×臣シリーズ」より）
・表題作「薬指にたどりつくまで」（「慈英×臣シリーズ」より）
・「ロケ先で出会った刑事がイケメンすぎた件」（「慈英×臣シリーズ」より）
です。
今作品はそもそも幻冬舎コミックスさん刊行なので、収録されている作品も幻冬舎コミックスさんで刊行されたものがベースです。個人的に「不機嫌シリーズ」が大好きなので謙ちゃんと颯生さんに再会できたのが嬉しかった。
崎谷作品と言えば切ない系とかシリアス系も多くありますが、それぞれのCPのその後、という時系列のお話なのでどれも甘々。崎谷作品の定評のあるこってりエロはある作品もあればないものもありましたが、エロがあってもなくても糖度120%の優しいお話ばかり。お腹いっぱい、満足です。
表題作「薬指にたどりつくまで」は書き下ろしなのかな？
ちょっぴり内容を。
数々の商品を生み出してきた人気ジュエリーデザイナーの照映。
自分が作れないものはない、と自負もしている。が、今彼はいまだかつてないほどとあるリングのデザインに悩んでいて…。
今作品に収録されている作品は、どれも出来上がった恋人同士、のお話なので、すでに「ふうふ」状態なわけですが、それ故に、左手の薬指に(実際には嵌まっていなくても)リングが存在しているようなCPたちばかり。そして、その「リング」を具現化した内容が、この「薬指にたどりつけるまで」と言えるでしょう。
デザイン、素材、その他もろもろ。
思うところは多々あれど、突き詰めていけば、そこにあるのは紛れもない、お互いの愛情だけ。
めっちゃ良い。
萌える。
そんな二人の愛情(すべての作品の恋人たち)がこれでもかと詰まった温かな1冊でした。
あとがきで、崎谷先生が灰汁島先生×瓜生くんの書き下ろしの文庫が出る、と書かれているので楽しみ。ちなみに、もう一つの書き下ろしは瓜生くんが役作りで警察署に見学に行くが、そこで説明してくれたのは臣、というお話でこちらも良かった。新刊も楽しみです。
崎谷さんと言えば人気作家さまで活躍されている期間が長い作家さま。
それゆえ、でしょうね、時代の流れというものも作品から読み取れる。これも人気作家さまゆえか。
ご体調がすぐれない時もあるとのことでご自愛いただきたいですが、無理のない範囲で、ぼちぼち作品も書いていただきたいなあ、と。今作品を拝見してしみじみと感じたりしました。
ラブが溢れる短編集第二段♡
本作は崎谷はるひ先生の
幻冬舎コミックスルチル文庫刊行作の番外編を
収録した短編集になります。
既刊「崎谷はるひ作品集 はるならい」に収録しきれなかった
番外小説をまとめて収録した豪華な１冊です。
タイトル作になっている「薬指にたどりつくまで」を
少しご紹介しますね。
攻様はジュエリー工房の使者長であると共に
ジュエリー職人でもあります。
大学時代のアルバイトが縁で
職場の母体会社のデザイナーに感銘を受けて
師事して以来、様々な作品を手掛けてきて、
ほとんど作れない物は有りません。
そんな彼が今までで一番悩んでいるのが
恋人であるに贈る予定の指輪なのです。
以前デザインした事がありますが
その時の受様は20かそこらの時のモノで
出来る編集者となった30代の受様には似合いません。
受様が普段使いできそうなシンプルなモノは
それこそ攻様がつくる必要はないモノなのですが
贈りたいのは結婚指輪なのですよ。
攻様は親友にアドバイスされたり
受様にも希望をきいたりして
指輪が出来上がるまでの短編になります。
このカプはシリーズで一番最初にできたカプであり
受様は派生しているスピンオフにも多数客演していて
シリーズ最強キャラらしいです。
収録作のカップリングと初出は下記の通りとなります。
・信号機シリーズ
冲村&史鶴
「Sickness-病気-」応募者全員サービス小冊子「S's Trifle」
・不機嫌シリーズ
羽室&颯生
「不可欠で甘い存在」同人誌収録作
「Gravity-重力-」応募者全員サービス小冊子「S's Trifle」
・グリーン・レヴェリーシリーズ
綾川&白瀬
「静かにあなたとともにある」個人サイト掲載作
降矢&斎藤
「Unconscious-無意識-」応募者全員サービス小冊子「S's Trifle」
・慈英&臣シリーズ
照英&未紘、慈英&臣
「Priority-優先権-」応募者全員サービス小冊子「S's Trifle」
照英&未紘
「薬指にたどりつくまで」書き下ろし
灰汁島&瓜生、慈英&臣
「ロケ先で出会った刑事がイケメンすぎた件」描き下ろし
今回も既刊同様自立する本として話題(笑)なぶ厚さで
既刊よりも書き下ろし作が増えていて
私も含め特典類をコンプ済なファンにも
とっても美味しい1冊でした (^-^)/
今回収録された全サ小冊子、
応募期間が2回あったのに諸事情で2回目の発刊が伸びた為に
手に入れられなかった方も多いと思いますので
そんな方にはよりお勧めしたいです。
元作品を知ってる方は絶対に楽しめます
ものすごく満足度が高かったです。
同じ出版社から出ている著者の作品集「はるならい」と比べると、収録されている一編一編が長いこともあると思うのですが、世界観にじっくり浸れて楽しかったです。作品の幅広さ、奥深さを十二分に堪能しました。
かつての全員サービス小冊子「S's Trifle」に収録されている4編すべて、同人誌から1編、個人サイト掲載作1編、書き下ろし2編が収録されています。
具体的には、信号機シリーズ1編、不機嫌シリーズ2編、グリーン・レヴェリーシリーズ2編、慈英×臣シリーズ2編、セイイサ（一部臣さんあり）1編です。
どれもこれも可愛いお話ですが、一つあげるとしたらこれ。「Priority～優先権」。
「はなやかな哀情」のウラに当たるお話です。
本編を読んだのは随分前なのに、鮮明に蘇る記憶（笑）。「Priority～優先権」を読みながら、このとき慈英が臣に何をしたのかまざまざと思い出すなどしまして、内心で呻いてました。
そして、照映×未紘の穏やかで落ち着いた安定感にめっちゃくちゃ癒やされました。
これは続く表題作のお話もそうなのですが、照映×未紘の二人は年の差あるのに長く付き合っているからか、二人とも精神的に成熟しているからか、安心して見ていられます。そして何故かこちらが赤面してしまう可愛さがあるのです。
また、臣さんが未紘を「癒やしのミッフィー」と呼んでぎゅーっとするのが個人的にツボでして。色々あって臣さんがつらい時期だったので、モフモフのペットとかぬいぐるみとかそういう感覚なんだろうなと。美人で可愛い人が可愛い子を愛でる図の圧倒的な破壊力。本当にありがとうございますという気持ちで一杯です。
