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koi no nedan wa kimishidai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
初読みの作家さんでした。
いやはや、かなり面白かったです。
文章も心理描写もサラッとしつこさがなくて、イヤミもなくて、けどキューンとさせられて。へんな方向性のマイナス思考や鈍さがないのもポイント高し。
エロシーンもほどよい描写で、萌えました。
年の差モノです。
主人公は高校生(受け)。
両親が亡くなり、隣家のお金持ち(攻め)に引き取られ、そこでずっと暮らしている。
主人公にとって、自分を引き取ってくれた攻めは、かけがえのない存在だ。
そんなとき学校で、『借金のカタに身売りしてる』という噂がたてられる。
主人公は恋してる自覚もないまま、『だったら噂を本当にしてやろう』と、攻めに抱いてくれと迫る――。
全編通して、主人公がケナゲで前向きでオトコマエで、年上の攻めを振り回しているのが良かったです。
いざというときに頼りになる年上攻めもカッコイイし。
年の差カップルの醍醐味をがっつり味わえた一冊でした。
黒崎さん、結構好きなんですが、この作品はちょっとなんか違う、という感じでした。
設定は、いかにもありがちな王道で、両親が借金を残して亡くなったため借金ごと隣家のお金持ちのお兄さんに引き取られるというもので、ストーリー展開もいかにもルビーって感じはしましたが、キャラクターがひと味違う。
由(受)が、小さくて可愛い外見に似合わず、元気で強気で男前、でも健気。こういう子、なんかいいですね。
将人(攻)は、どうもよくわからない。まあ、ずっと年上で、一応由は自分の『養い子』という立場だからというので一歩引いてたんでしょうが、それにしても将人の感情が伝わってこない。だからって、別にイヤなキャラクターじゃないんですけどね。
なんと言っても、由が上級生4人に襲われたとき、お約束なら攻(あるいは友人とか)がギリギリで助けに来るパターンでしょうが、なんと自力でやっつけるんですね。受がパイプ椅子振り回して相手を骨折させて病院送りって他にないよ!
ただ、途中の展開がいちいち引っかかってしまいました。特に『噂を本当にしよう』でHに行く流れには、なんでそ~なんの!?とびっくり仰天ですよ。
もともと将人が熱量が感じられないキャラクターなので(ベッド以外では)、すんなり恋愛には持って行きにくかったのかもしれませんが、それにしても安直過ぎて・・・ほのぼのした流れをいきなり断ち切られたような気がしました。そういう関係になること自体は、別に構わないんですけどね。
トータルでは、決して悪くはないんですよ。『王道』だとしても、結構意外性もあってそれなりに面白いんです。
ただ、あれこれ設定を並べたわりには、すべてが安易というかなんか温いな~と思ってしまいました。大金持ちの将人が、なんでも金で解決しちゃうあたりとか、あっさりし過ぎでちょっと物足りなかったですね。
ただ、イラストはよかったです。あかつきさん結構好きだなあ。不思議な魅力がある。
15歳で153cm、ギリギリ40kgと言うありえない設定の受:中津川由。
一方、攻は29歳180cmオーバーの一条将人。
3年前に両親を交通事故で亡くした由は、隣家の大金持ちの将人に
引き取ってもらい一緒に暮らし始める。
その上、由の両親が保証人となったため背負った借金も肩代わりして
もらっている状態。
ここまで読んだら、貧乏人が大金持ちに愛されるショタコン版シンデレラ
ストーリーって感じですが、その見た目に反して受君は口は悪いし、
根性すわってるし、非常に私好みの受で、家事全般を引き受けてようが
一切女々しくない。
しかも、攻が惚れたのはその強さだと言う(「愛おしい夜」参照)
思いが通じ合った後もエチの時だけちょっとツンデレになったぐらいで
「言え」とか生意気っぷりは健在。
かわいいやつです、由君。
そんな家庭環境ゆえ、借金のカタに将人に囲われてるとウワサされ
(普通ありえねーだろ!?)いじめにあう由。
でも、そのことで将人が気を悪くするのがイヤでだまっていたのに、
担任の金原が将人に相談にくる。
そこでなぜか、将人と由はそのウワサをホントにしようってことになり
エチへなだれこむ...(あ~ありえね~!!)
しかも、一晩いくらにする?とか値段交渉してるし(こいつらバカ!?)
なんて思いつつ、エチの最中も生意気発言連発の由はイキがよくて
なかなか萌えましたwww(萌えるんかい!?)
ってか、将人は普段はあんな無口なのに、エチの時は積極的でエロい。
いじめはさらに激化し、将人とキスしてる写真を学校に貼り出される。
(なんとなくこの時点で犯人像見えてきてますが...)
で、お約束パターンで、かわいい由君は男子生徒に襲われます。
そこでヒーロー登場じゃないのが私的萌えポイントでした。
由がパイプイスで殴りつけて、相手の骨折って自分で乗り切るんです。
この件含め、犯人探しも金にモノ言わせてあっという間に片付くんですが
初めからそうしとけよ~ってのと、自分やってること棚に上げて人を
責めるんかい!?ってことは敢えてツッコミません。
その後、友達の前でもオープンにベタベタする将人にマナーを守れと怒る
由はすっかり色ボケオヤジワンコの調教師となってますww
「夜まで待て。待てるよな?」名言です★
「愛おしい夜」
将人目線の作品で、将人が両親を亡くした頃の約10年程前のお話。
由はまだ小学2年生。
まだ恋愛感情のない2人がほのぼのしててかわいかったです♪
中津川由は、亡くなった両親の借金ごと引き取ってくれたお金持ちな隣人の一条将人の家で暮らしている。
「そんなことしなくていい」という将人の言い分を無視して、通いの家政婦から一通りのことを習い、今じゃすっかり将人の身の回りのことは由の仕事だ。
無愛想で自堕落だけど、誰より由を大切にしてくれる将人との生活は、身よりのない由にとってはかけがえのない大切なもの。
けれど、学校で「将人に身売りしている」という妙な噂が流れたことを将人に知られてしまい、将人に家を出るように勧められてしまう。
どうしても将人との生活を手放したくなかった由は、「だったら噂を本当にした方がいい!」と自ら体を差し出そうとするのだが……
という話。
えーっと……とりあえず、作者さんにどうしちゃったんですか? って聞きたい(苦笑)
これの前までのルビー文庫で出した話を持ってるんですが、それとは何となく90度違う感じのする話。
今まで、私のこの作者さんのイメージって、攻めが一方的に受けを好きで、受けに対して攻めががんがん攻め込んで、「いやよいやよも好きのうち」的な感じでなし崩しでがんがん押し倒して、気が付けばハッピーエンド! って感じの話だったんですけど……。
この話はそうじゃない。
どっちかっていうと、攻めである将人がヘタレで。
なかなか……というか、一切、由のことが恋愛的な意味で好きだってことをにおわせてこないんですよね。
そりゃ、好きじゃなかったら、血の繋がりもないただの隣の家の住人を引き取らないだろう……って言われたら、もちろんその通りなんですが……。
純粋な好意の場合もあるし、それだけで将人が由のことを悟れっていうのはちょっと厳しいかなー……と。
まぁ、この話が「BL」であるって前提条件を考えれば、それ以外はありえないんですが。
でもその「BLである」っていう点に甘えてちゃいけないんだよなー……っていうのはすっごく思うんですよね。
この二人が恋愛関係になるんだろうっていう前提で読ませるのはBLならではなんだと思うんですが。
そんなこと関係なく面白い話を読みたいなーとは思うので、そういう意味では思い切り物足りないです。
何か、いろいろが唐突。いろいろが予定調和。
でも、作者さんが新しい感じの話を書いてるって思えば、そこに辿り着くまでの過渡期なのかなー……と思わなくもないので、実のところ、もう少し様子見かなー……と思わなくもないです。
前の書き方は前の書き方なりに需要があったと思うんだけど、作者さんがそれだけじゃ飽き足らなくなったのかなー……なんて、勝手な事を思ってたりします。