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ajin no ou × koukou kyoushi
本編の雑誌掲載作を読んだ時に凄く面白かった記憶があったので、文庫になると知り迷わず予約していました。
何と言っても最初に第三王子のサダルメリクの治める西方領から第二王子のレオの治める北方領が攻撃を受けた時の、懸の知恵と行動力と結果にワクワクが止まらなかったんです。
異世界に召喚されて怯え戸惑っていたところから、高校教師としての経験を活かして亜人の子ども達に接する姿も凄く魅力的でした。
このサダメリクのレオに対する執着がキモくて怖くて、懸が召喚人として現れる前にレオの乳兄弟であるアルレシャが受けた仕打ちを思うと胸糞悪さが止まらないんです。
でもこの異世界では召喚人が誰よりも優先されるので召喚人を害すれば、例え王族でも有罪となり厳しい処分を受けるんです。でも亜人を殺したり王位を簒奪しようと他領を襲っても無罪というおかしな世界でもあるんです。
懸の前にこの世界に召喚された異世界人がどう思ってどんな行動をしていたのかが、書き下ろしの「次のあなたへ」で明らかになっていました。
ここで懸は過去の召喚人が残した記録を読むのですが、その間にレオは歴代の王が残した記録を読んでいるんですよ。
で、日没が迫っているので帰る事になるのですが、その王の残した記録を読んでいたレオが懸に言った言葉から過去にどんな事があったからそんな事を言ったのか凄く気になってしまいました。
今回は第三王子の界渡りした高校教師お話です。
受様を召喚した攻様が国王となるまでの紆余曲折と
過去の招聘人についての後日談を収録。
受様は母子家庭で育ち、
小さな弟妹の面倒を見た事から教員を目指し、
公立高校で理科の教師となります。
今日も時間通り最寄り駅から改札機に入ったのに
なぜか強大な化け物鳥と対面、腰をぬかしてしまいます。
受様はその巨大な鳥の嘴に急襲されますが
強い力で受様を支えた人物にとっさにしがみつきます。
受様を救った人物こそ今回の攻様で第二王子なのですが
巨大な鳥を従える第三王子は不敵な徴発を続けます。
受様達は自分の置かれた状況が全くわかりませんが
聖職者らしき青年に「貴方は人間ですか」と問われ
戸惑いつつも肯定すると周りが騒めきます。
聖職者は攻様に膝を折り、
攻様が王位継承者1位となったと宣明するのですが
攻様は眉間に皺を寄せ「こいつが来なければ・・・」と
物騒なことを呟くのです。
攻様は受様にとって救い手ではないのか!?
見知らぬところに連れ去られた受様の未来とは!?
雑誌掲載のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
王位争奪戦に巻き込まれた受様と王位継承者となった攻様の
もふもふファンタジーです♪
受様は王が急逝した国の世継ぎを決めるための儀式で
攻様の召喚魔法で呼ばれたのです。
この世界には人間、魔獣、亜人が共存しています。
儀式は南を治める第一王子、西を治める第三王子、
東を治める第四王子と北の領主である攻様の4人で行い
儀式で何を呼び出したかで継承順位が決まるのですが
人間が召喚される事は数十年、数百年に1度であり
彼らはほぼ必ずこの世界に産業革命をもたらす事から
召喚者は継承権1位になります。
召喚魔法は呼ぶだけの一方方向で還す術はなく
攻様は王になる気はなかったのですが
第三王子が王位を狙って何をするかわからない事態で
受様は攻様から離れられなくなります。
受様が徐々にこの世界に馴染んでいく中で
攻様を巡る様々な事情が見えてきて
どうなっていくのか先が見えない展開に
ワクワクが止まません。
突然の異世界へのトリップ、
現代日本では考えられない種族差別と命の危機、
攻様に理不尽な敵意を剥ける第三王子の策略、
攻様の乳兄弟である右翼亜人の想い、
攻様が母片から引き継いだ秘密の存在と
次々と思いがけない展開を見せていて
タダの人間である受様に迫る危機にハラハラ最高潮!!
攻様がまさかな状況に陥れば
受様が最高に男前な言動を見せていたのも小気味よく
攻様が無事に王となるまで
とても楽しく読ませて頂きました。
今回続編で着いた他の招聘人の記録も面白かったので
彼らの誰かでスピンオフを期待したいです。
作家買い。
栗城さんの新刊はあらすじからも推測できるように異世界トリップもの。そこにケモ耳とかモフモフといった因子も加わってのファンタジー要素強めの作品でした。
高校で理科を教える懸が主人公。
ある日いつものように出勤のために家を出て、駅で改札を通った。
はずだった。
が、そこで彼が目にしたものはいつもの駅ではなく、大きな怪鳥。もしかして自分は食べられてしまう?
そう思った彼を助けてくれたのはレオと呼ばれている美丈夫だった。
見たこともない場所で、いきなり襲われ、理解できず混乱する懸だったが、どうやら自分はレオの召喚術によってこの世界に呼び出されてしまったようで―?
という、「異世界トリップものあるある」で、物語はスタートします。
この世界に来てレオに救われたことから懸はレオを頼りがち、というか頼りになる人だと思い込んでいますが、どうやらレオは彼自身が懸を召喚したのにも関わらず、それを不服に思っているようで…?と続きます。
レオのいる世界はちょっと特殊で、人間のほかに魔獣、獣人の様相を持つ亜人、そして動物がいる。中でも亜人は奴隷として扱われている。
という世界観のお話。
レオは迫害されている亜人たちを自身の領土で保護しているが、そこにレオの弟にあたるサダルメルクと王位継承権をかけて争っていて…、という部分を軸に進むストーリーです。
そこに、なぜ懸は召喚されてしまったのか、レオが亜人を保護しているのはなぜか、という謎を盛り込ませながら、サダルメルクとの闘いをも混ぜ込んだバックボーンの多い作品。けれど、それらがきちんと意味を持ち上手に絡ませながら進むストーリーは、さすがベテラン作家さまというべき秀逸さです。
レオはもともととある思惑から懸、というか人間を召喚する意図はありませんでした。なのに、うっかり懸を召喚してしまい、なので二人は序盤やや重苦しい関係なのです。そこから二人が恋をし、その想いは果たして成就するのか、という点がBLとしての軸でしょうかね。
懸に視点で進むからでしょうか、彼の感情に寄り添う形で読者も読み進めますが、懸の目を通して見えてくるレオという人物が凄くカッコいいです。第一王子で、王位継承権1位を持つ(これは第一王子とは関係なく、彼自らの行動で得たものというのがこのお話の面白さでもありますが)という高貴な身分でありながら、亜人たちと協力しつつ貧しいながらも懸命に生きるレオに、萌えが滾ります。
そして懸も。
教師という職を生かして亜人の子どもたちを見守り慈しんでいく。
優しい青年で、レオでなくともうっかり惚れてしまいそうです。
亜人、レオが亜人たちを守ろうとする思い、サダルメルクとの決着。
どれも面白いのですが、うーん、想定内のお話だったなという思いはぬぐえず。もう一声ほしかったな、と。
個人的に、レオの腹心の部下のアレルシャ。
亜人で、麗しい美貌を持つ彼メインのお話が読んでみたいと思いました。
全くもって個人的な感想ではありますが、レオ×懸の二人を喰ってしまうほどのインパクトを持つサブキャラだと感じました。彼の清廉な想いが、個人的に今作品の一番の萌えツボでした。
雑誌でちょっと読んで気になっていたので購入。冷静な先生で面白かったですが、めっちゃ萌えるってとこまではいかなかったので萌にしました。雑誌掲載分250P弱+後日談17Pほど+あとがき。
通勤途中、改札を抜けたら目の前が見たことない世界。小型トラックサイズの白頭鷲もどき、獣の耳しっぽ付の人々。懸が人間だと知るや否や周囲にいた人たちは、白頭鷲から懸をかばった男性に「おめでとうございます」と声をかけ・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
サダルメリク(攻めを敵視する王子)、アルレシャ(受けの側仕え)、アルレシャの子供、その他受けに懐く子供たち少々。サダルメリク、あほすぎん?
++攻め受けについて
攻めはどっちかっつーとヘタレっぽく感じましたが、他の皆さんはどうだったのかな?自信たっぷりって訳でもないし傲岸不遜でもないし変態色ないし、民を守るという気概はあるけど、なんとなく押しが弱い印象。
受けがthe先生!って感じの方で新鮮でした。別の子を泣かせた子には「謝られる?」と諭し、謝れたら「よくできました」って感じで頭撫でるんですよね。理科の先生なので、魔法の火の玉を小麦粉と風魔法で粉塵爆発させちゃうところは、「おー頭いいー」と尊敬(私には原理がさっぱりわからん)。危ないところでは柔道の技使うし、凛々しいカッコいいクールって印象の方なんです。そこが楽しかったかな。
なんで好きになったんだって所が今一つ?なのと、ヒール役になるサダルメリクのあまりのアホ加減に呆れたんですが、お話自体は楽しく読めました。冷静な受けがお好きな方にはいいのではないかと思います!
作家買いです。
栗城先生、最近はもっぱらファンタジーだなぁ…と。
こちら、普通の高校教師が駅の改札出たら異世界に召喚されて、そこの王子と良い感じになるというお話。
カズアキ先生のイラストは世界観にとてもハマっていて、特に亜人のイラストが素敵です。(パラスティック・ソウルシリーズといい、こちらといい、ケモ耳スペシャリストですね。)
受の職業が先生なので、いちいち先生っぽくて感心します。異世界なのにいろんなトリビアが出てきてちょっと賢くなった気がw。つか、こういう先生に教えてもらいたいかも~と思ったり。亜人のちびっこたちとの交流がほのぼの。が、、いかんせんまともすぎて(!?)、こちらの受さんには、あんまり萌えないなぁ…と。
そんなわけで、何に萌えたのかというと、攻さまの弟で敵役の王子・サダルメリクの攻さまに対する異常な執着!聞けばなんだか、小さい頃から攻さま(レオ)に構ってほしくて構ってほしくてたまらなかった感情が拗れすぎて拗れすぎて残念な行動になってしまっていた印象で、”え?もうそれは…?”と思ってしまいました。アホの子だから、こういう表現にしかならなかったんでしょうね…。(勝手な解釈です)
不憫なひと・その2、攻さまの乳兄弟のアルレシャさんも、なんだかエロい設定で、気になりまくってたんですが、おまけのSSできちんと幸せになっていたので安心しました。受さんが不在になった現実世界ってどうなっちゃうの?な不安はあったんですが、きっともう一人の受さんが上手くやってくれるような感じなのかな、とかうっかり考えてしまう、あんまりファンタジー向きじゃない読者なのでした。
異世界転生してしまった教師と、優しい王様のお話
ある日突然異世界に来てしまった懸。
巨大な鳥に襲われたところを王様レオに助けられるも、その人物からも「こいつが来なければ」などと言われてしまう始末。
獣が喋ったり種族の身分制度があったり、日本とは何もかも違う中で懸はどうなっていくのか?
最初は冷たいレオですが、懸が泣くとオロオロするなど中々可愛い人です。そして、すぐに優しい人物であることがわかります。
懸も、優しい人ですが、教師らしく強い人です。やられっぱなしオロオロしっぱなしではありません。異世界の中でも自分の知識でピンチを乗り越えるところにワクワクさせられました。
そして、脇キャラのちびっ子達や、レオの乳兄弟であるアルレシャが魅力的!
アルレシャのお話がもっと見たい…そして幸せになってほしいです。
王位継承者と招聘者
高校教師の懸(受け)は出勤するため駅の改札を抜けたら目の前には巨大な鳥が。
襲われそうになるのを助けられ、神官と思しき人に人間かどうかを確認され、王位継承者が決定したと宣言があり、意味がわからず目を回してしまいます。
目を覚ました懸は、自分を召喚し助けてくれたと思しき男、今回の王位継承者に決定したレオ(攻め)を唯一の味方かと思いきやレオからも舌打ちの上「お前さえこなせれば」と罵倒され、心が折れてしまいます。
流石に反省したレオと神官に自分が異世界召喚されたこと、この世界の仕組みなどを説明され、戴冠式までレオのそばで生活するようにと言われるのです。
初めは周りから遠巻きにされていた懸ですが、教師としての特技を活かし、少しづつ周りから慕われるようになり、冷たかったレオにも事情があることを知り、領民に優しく良い領主をしているレオとも次第に打ち解けてくるのです。
このまま落ち着くかと思いきや、王位を諦めていない第3王子のサダルメリクが攻撃をしてきてピンチに。
何だこの理不尽極まりない召喚は。
今回懸が召喚されたのは王位継承者を決めるためのもので、候補者全員が一体づつ召喚して一番いいものを召喚したものが王になるというトンデモ儀式のせいだったのです。
勇者や聖女みたいに自分達で手に負えないから召喚するってのも中々勝手な話と思うけど、それ以上です。
自分の国の王位継承者くらい自分達で決めろっての。
わざわざ他所から召喚して、人間が一番で次が魔獣で亜人、動物の順で順位をつける、同じ種族の場合召喚されたもの同士殺し合いして決めるなんて、どれだけ他力本願なのかしら。殺し合いするなら自分の世界で自分たちですればいいのに。
この国に嫌悪感しかない。
そして召喚した超迷惑な加害者が、被害者である招聘者に対して文句言うんなんてあり得ない。いくら事情があってもそれをしたのは自分自身。八つ当たりなんて論外。
後から謝っても許さなくていいと思うんですよ。
確かに、優しい人ではあるだろう、領民のために身削ってるのもわかる。でも、それとこれとは話が別だと思うのです。
そして、これで懸がレオに好感をもつのも全くわからない。
そして懸の態度にも違和感を感じます。
何でそんなに、低姿勢なのか。
長時間馬車に乗せられで気分が悪くなるのも変な奴に絡まれるのも、懸のせいではないのに、どちらかと言うとそちら側のせい。それなのに迷惑かけて申し訳ないと謝ってばかり。礼を言うのはいいけど謝るのは違うとおもう。
理不尽すぎて、懸に共感できなさすぎて読むのが苦痛でした。何度読むのをやめようかと思ったか。
結局、優秀なレオに対してかまってちゃんな同い年の弟王子サダルメリクが劣等感を拗らせまくってどうしようもなくなり、その対処をしないレオとの兄弟喧嘩のとばっちりが周りを盛大に巻き込んだお家騒動でした。
全体的に亜人差別の酷いところや召喚についてなど納得できないところが多すぎて、どうにも話を楽しめませんでした。残念です。