お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
doubt
あらすじからオカマ攻めを期待したんですが、実際はオカマではありません。
仕事上の利便の為だけにオカマを装っているだけで、素になると男っぽい喋り方です。
受けの父親がゲイで男性の恋人と結婚しているので、それを認めたくない受けが悩んでいます。
男同士の恋愛なんて認められない!という受けを認めさせた言葉は、読者をも納得させます。
メーキャップアーティスト・東堂勝人 大人の漢前攻め×結婚式場のメーキャップ見習い助手・創谷海都 単純素直受け
小学校の頃に、父親が男の恋人を自分の養子にして結婚して以来、同居している。
腐れた家庭環境として、父親の恋人を家族として認めていない。
就職難で就職が上手くいかず、父親のコネでなんとか結婚式場のメーキャップ助手の見習いをすることに。
ところが、上司は『アタシ』と喋るオカマで、我慢してなんとかやっていくと決意をして。
現代っ子の典型で甘えたで、自分で努力もしないで文句ばかりで、嫌いな父親の恋人に食事も洗濯も面倒を見てもらってる。
そのことに疑問を抱かないタイプで、初めは甘ちゃんなダメな子にしか見えません。
それでも、言われたことには素直で向上心があって負けず嫌いで、根はいいこで、後半の成長が見所です。
職場を円滑にする為にオカマを演じているだけと知って、単純に喜んで東堂に説教されるのですが、説教が真面目すぎず、それでいて真摯で、すっと頭に入って来ました。
『人間として相手に惚れこんで、同性愛に走る人間をおかしいと思うか?』
『世間一般と違う』という理由で差別をするな』
上記は東堂の言葉を一部抜粋したもので、その通りだと思います。
人間として、相手に惚れこむ。
BLの精神としても、末永く大事にしたい言葉です。
父親が男の恋人とセックスしている場面を見て家を飛び出すシーンがあるのですが、自分の父親が『男』になっている姿を見るのは、これはトラウマになるかも。
個人的に、このシーンが一番つらかったです。
子供だった受けが成長して、親の恋愛を認めて、自分の恋愛とも向き合う。
恋愛物語だけじゃない深さがありました。
所々にある恋愛の真理が男同士だけに限らない内容で、思わぬ所で恋愛について勉強させられました。
エロ:★2 普通。知識があるので、リアル性がある感じです。
総合:★5 受けの成長物語の見応えだけじゃなく、恋愛の真理も深いです。
母親の死後に、新しく「お母さん」として父親が連れてきた相手が男だった!!主人公の海都はそれがどうしても許せずに長年たった今も反発しています。
この辺はお前、もっと大人になれよーーって感じです。
その海都〔受〕が親のコネで入ったブライダルサロンでメイク担当をしていたのがオネエ言葉を使う東堂〔攻〕
家庭環境のせいでゲイやオカマに生理的嫌悪感のある海都は、表面こそには出しませんが内心はそれを嫌がって嫌悪しています。
しかし東堂にはそんな事はとっくにバレているんですね。
しかも職場では完全オネエキャラの東堂が私生活では普通に男らしい、そのギャップが海都の心を魅きつけたんじゃないかな。
話としては恋愛部分も含むんだけど、それよりずっと認められないでいた父親の恋人を最後にちゃんと海都が認めた事がこの作品で書きたかったテーマなのかなあと思ってみたり。
年齢の割に海都がお子様な部分が気になったんだけど、上記の部分を書く為には海都はこの位にお子様な方が良かったんだろうなあ。
軽い文章で書かれているので、結構さくさく読めました。
まあ大円満でよかったねって感じです。
表題作と短編の2作品が収録されています。海都(受け)の視点で進んで行きます。
「Doubt -ダウト-」
海都(受け)は、父親が再婚相手に男を連れてきたことを許せず、その相手である登とゲイを毛嫌いしています。そんな中、就職した先にはオネエ言葉でゲイの東堂(攻め)がいて…という話です。
「知らなくてもいい 愛」
東堂と恋人になるまで男女とも未経験だった海都。東堂との性生活に悩んだ海都は、登に相談します。その手管を東堂に披露したところが…という話です。
21ページの続編がまぁ面白かったのでギリギリ「萌」評価にしましたが、表題作だけでしたら「中立」でした。
軽いテイストです読みやすいですが、海都が父親と再婚相手の性交渉を目撃する羽目になるというのは、自分の中では結構キツい設定なので、それなりにフォローが欲しかったです。海都が東堂を好きになり、登と同じ女役だから相談もできるようになるという簡単な扱いでは、なんとなく落ち着きませんでした。
登の後輩だからと海都に意地悪する石井にもちょっと引きました。いい大人なのだから、東堂に比べて登の肩を持つ強い理由が欲しかったです。
ただ、世間知らずの海都が、仕事への考え方や、登が家事をしてくれていたことの有り難さを教えてもらい、素直に受け入れていく姿勢は良かったです。
男同士の夫婦の息子、結婚式場のメイクアップという仕事、オネエを演じるアーティストの攻め、と面白い設定がてんこもりでしたのに、肝心のキャラの魅力がいまひとつという印象でした。
オカマというか同性愛について、ものすごく単純でありがちな偏見を持っている主人公(受け)。
就職で、オカマ言葉を話す上司(攻め)と一緒に仕事しなきゃいけなくなる。
でまあ、色々あって受けは攻めに恋して、最終的には偏見がなくなってめでたしめでたし。
この小説を通して主張したいことは分かるんですが、フーンて感じでした。
全体的に説教くさかったです。どっかで聞いたような理屈ばかり。
それを「エピソード」で伝えてくれるならいいんですが「攻めのセリフ」で伝えてくるから、ぺらく感じてしまう。
ぶっちゃけ私は「同性愛者を受け入れるのも受け入れないのも、その人の自由」と思ってる人間なもんで、「受け入れることこそ正義、受け入れない人は差別主義者」みたいな価値観だけにたって書かれたお話はすごく苦手です。もちろん私には偏見のカケラもないのですが、だからといって「偏見は良くない!」という小説に共感できるかというと、まったく違うんですよね~。これは同性愛に限った話ではなくて。
なぜかというと、とくにゲイの場合は、生理的嫌悪感を持つ男性がいっぱいいるから、「説得」では感情を変えられないんだよね。「生理的に苦手」だけはもうどうしようもない。同性愛者が生まれついての同性愛者であるのと同じように、ゲイが生理的に苦手な男は生まれつきそういう嗜好の人なんだろうなと思う。だから、「正論で偏見を説得する小説」は、薄っぺらく思えて好きじゃないんです。今どきゲイを差別する人たちは、べつに正論をしらない無知な人間だから差別してるってわけじゃないだろうしさ。
価値観の違う部分があるなら、そこだけスルーして付き合えばいいと思う。どっちの陣営にしろ、自分こそ正義だと思ったり、相手に自分の価値観を認めさせようとしたりするから対立や争いが生まれるのさ。
熱く語ってしまった内容を集約すると、私はいい加減な人間だということなんですが。
あと、仕事中にひたすらモノローグでぐるぐる恋について考えてるのも好きじゃなかったです。
仕事中の男がえんえん恋愛脳なのは、萎えてしまう。