烈火の契り

rekka no chigiri

烈火の契り
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×21
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
34
評価数
11
平均
3.2 / 5
神率
9.1%
著者
秀香穂里 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥514(税抜)  
ISBN
9784199004438

あらすじ

思い出が眠る島を守りたい!!リゾート開発の視察で、離島を訪れた斎たち不動産会社の一行。
案内人は褐色の肌をした島の青年・高良―18年前、この島で夏を共にした相手だ。
しかも高良は「おまえは俺のつがいなんだ」と謎の言葉を告げ、斎を無理やり抱いてきた!!拒みながらも、高良の愛撫に囚われていく斎…。
けれど突然、チームの一人が謎の死を遂げ!?因習と伝承が息づく島のミステリアスLOVE。

表題作烈火の契り

28歳,神喜島出身の案内役
28歳,不動産会社社員

レビュー投稿数5

扉絵が表紙だとインパクト凄かったのに

おもしろかったー。
ホラーサスペンス風味で、殺人事件とかそんな感じです。
BL要素がまるでとってつけたみたいな空気感ですが、沖縄の無人島に漂う、熟れて腐り落ちる前のむせかえるような甘い匂いというか、気怠い湿気を含んだ空気感というか……。
そういった雰囲気の情景描写が秀逸です。
そしてそんな情景描写を助けまくってるのが、扉絵。

沖縄の抜けるような青空を背に立つ攻が、もの凄くいい味出してます。

正直、もうこの扉絵だけで神にしたいくらい素敵でした。
色使いといい、構図といい、飽きずに何時間でも見ていられます。

古い因習とか言い伝えとか役割とか、なんとも神秘的な設定と、窮地に追い込まれて剥き出しになった人間の本性など、とても読み応えがありました。
ただ、萌えに関しては……はどうだろう。
設定を盛り込みすぎてる感があり、肝心のBLはちょっと置いてきぼりな感じになっています。
単に白い単衣と鏡プレイが書きたかっただけなのかな、と思ってしまうくらいのとってつけた感。
伝い手はその存在を知られてはいけない、という掟みたいなのがあるわりには、まぐわう姿を人前に晒すとか、矛盾点が気になってしまって気が削がれました。

でも内容自体はとっても面白かったので、おすすめです。

4

儀式までおあずけ

BLというより、サスペンスでした。
南海の無人島でリゾート開発の調査に行った不動産会社社員5人と地元の青年1人が遭遇する事件が主軸となっています。

社員ではあるものの、子どもの頃に島を訪れ忘れられない思い出がある斎は全面開発反対派。立案者とライバル、年少の部下、昼行灯のリーダーといったメンバーとともに島の調査に当たるわけです。
案内を担当するのが島の出身者で斎と遊んだことがある高良で、始終ワイルドで謎めいた雰囲気をまとっています。
島には古くからのしきたりや言い伝え、戦争での悲惨な過去、台風による壊滅的な被害で住むことができなくなった事情などがあり、それぞれのメンバーが抱える問題も重なって、関係がギクシャクしてきます。

諸事情で一緒に行動するようになった斎と高良。
斎は18年前から高良のことが忘れられないという事情があり、高良の方も積極的に迫ってきます。人間関係や自然の驚異など、不安材料が次から次へと持ち上がり、流されるままに高良に抱かれてしまうのですが・・・

サスペンスとしては犯人の想像がちょっとつきやすかったかなという感じもありましたが、まあそんなもんかなという展開。
この展開にどう二人の関係を織り交ぜていくのかが重要で、そこに高良が島の「伝い手」だということが絡んでくることにより、最終的に濃いシーンを展開することになるわけです。
てことは、やっぱりサスペンス味のBLですね。

読みやすいので、途中でやめてしまうことはないと思いますが、二人の関係がもどかしくても最後まで読んでください。「契り」を交わすシーンは相当濃いです。

3

青すぎて重いほど。絶海の孤島の空

荒々しくも美を感じる彩先生の表紙と口絵が実に素晴らしい!
本作は、沖縄県の今は無人島になってしまった小さな島・神喜島を舞台として、リゾート開発計画と古来の因習が絡み合った、サスペンス・ミステリー風味のBLです。

10才の夏、父に連れられて行った神喜島で2人で遊び回った1週間。
心の中で、島の少年・高良光司をずっと忘れずにいた大里斎(いつき)は、勤めている不動産会社の計画する島丸ごとのリゾート計画に反対し、強硬的な賛成派を何とか説得しようと対象の神喜島に調査チームとしてやってくる。思いがけず島の案内役はあの高良で…
…という冒頭。
調査チームは5名だが、特に傲慢な曽根という男は皆に毒を吐いて和を乱してばかり。ところが途中で曽根が急死し、物語の色合いが一変します。
曽根は殺されたのでは?なら誰が殺した?
島は嵐が近づき、何者かが船のエンジンも無線もラジオも破壊し、外部とは完全に遮断されてしまう。皆の精神状態が追い詰められてかなりの緊迫感。
それと並行して、島に宝が隠されているといった伝説、あの世と通じる「伝い手」という因習、高良が斎に仕掛けてくる淫らな誘い…どこか伝奇的な空気も色濃く描かれています。
ただ…終盤はちょっと展開が早過ぎる感がありました。
曽根の殺人の真相、高良が実は…という設定、高良と斎の「つがい」の儀式、などなどが一気に畳み掛けてきます。
秀先生はエロの匠ですから、「儀式」として描かれる2人の交わりは焦らして請わせて啼かせて、エロ度はもちろん、2人が体でも心でも溶け合う姿は完璧なのですが、「伝い手のつがい」が男でなければならない、という設定自体がちょ〜っと取って付けた感を感じてしまったんですね…
リゾート開発も、会社での力関係も、殺人もエロも盛り沢山なので、2時間ドラマ的な空気の一作でした。

3

必見の焦らしプレー

サスペンスやミステリー調ですが軽めで、お化け屋敷の中に入った時のようなドキドキ感です。
あらすじでは、いきなり無理矢理抱いたとありますが、未遂というか途中まで。
何度も何度も美味しい所で中断で、読者共々、焦らしプレー炸裂です。
Hも濃密なので、焦らしプレーや執着攻めが好きな方に、お勧めです。

神喜島元住民でツアーガイド・高良光司(28)×不動産会社社員・大里斎(28)
10歳の時に島で出会って、18年後の再会。
彩さんの油絵のような濃密なイラストが、作品の雰囲気をより鮮やかに演出していたと思います。
海のような青空や、野性味を帯びた高良の絵など、作品描写とぴったりで、作品世界に安心して浸れました。

神喜島にリゾート開発する為の下準備の調査にやってきて、高良と18年ぶりに再会。
衣食住に不便な島で不満が爆発して喧嘩が起こり、ついには、事件も!

事件が起こって危ないので、一人一部屋にという理論はよくあるのでいいのですが、なぜ高良と斎だけが二人一緒でいいのでしょうか。
離れた所で人目を気にすることなくHな雰囲気になれるので、いいといえばいいのですが、ちょっと気になりました。

忘れてならないのが、焦らしプレー。
行為に至るまでに、こんなにエロくていいのかという位、途中でさえもエロいです。
もちろん、実際のつがいの儀式も、待っただけの甲斐はあってよかったです。
高良が野性味+理知的が共存しているのが、好ポイントでした。

高良なら惨劇を回避出来るように言えたはずなのに、あえて言わなかったのは、より強固に斎を自分と島に縛りつける為と思えて、執着の強さにぞくぞくしました。

通常なら謎が弱いので★3ですが、焦らしプレーがいいので★4です。

2

ちょっとあっけない

 自分の父が生まれた島、また自分も幼い頃に過ごした島を守りたい、と斎は思っていた。
 ところが、自分の勤める不動産会社が、今や誰も暮らすことのなくなってしまった島を丸ごと買い取り、リゾート開発をしようという話が持ち上がる。
 斎は必死に反対をしたけれど、大幅に島の地形を変えてしまおうという強硬派が社で主導権を握り、その視察の一環として島を訪れることになった。
 斎はこの視察の最中に何としてでも、島の地形を変えてしまうような開発だけは止めさせようとその一行に同行する。
 そこに案内人として現れたのが、褐色の肌をした島の青年・高良。
 実は斎と高良は、十八年前にこの視まで夏を共に過ごしたことのある関係だった。
 それ以来、音信普通となっていた高良との再会に、斎は喜ぶけれど、高良は厳しい顔を崩さない。
 それは、開発者に対する島の人間の態度かとも考えたけれども、どうやらそれだけではないようだった。

 チームは、様々な立場のものが入り混じっている状況で、お世辞にもチームワークがいいとは言い難い。
 小さな揉め事を多々抱えながらも、水も電気も引かれてない都会では考えられない極限状態で、それぞれの人間の本性があらわになる。
 そんなさなか、突然、チームの一人が謎の死を遂げてしまう。
 一体、誰を信じたらいいのかわからない疑心暗鬼の空気が蔓延する中、斎は高良と行動を共にするけれど、高良は「おまえは俺のつがいなんだ」と謎の言葉を告げてきて――

 という話でした。
 ホラーとミステリーテイストもありつつのBL。
 なかなか薄ら寒い話だったように思います。

 ただ、話がこりすぎててイマイチしっくりこない。
 というか、オチがあっけなさ過ぎたんですかね……?

 なんだか気持ちがすっきりしない話でした。
 それで二人でくっついてめでたしめでたしでいいのかなぁ――と。

 まぁ、いろいろ言いたいことはいっぱいありますが、二人がいいのならそれでいいんだと思うしかないような気もします。

3

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