ボタンを押すと即立ち読みできます!
shishitei no kangancho
書くことが楽しい作家らしくて、文章のテンポがよくて、さくさく読めた。
第一回 fujossy小説大賞・秋に応募、審査員特別賞受賞作!。
強引で俺様な皇帝ラシッド×隠れビッチな宦官長のイルハリム
bookwalker.で、連載版を3巻まで読了。続きはweb版で読んだ。
短い小説だけど、面白かった。
王道ともいえる展開、
冒頭は、宦官へのオレ様皇帝の執着っぷりが面白い、イルハリムは自虐的。
運命をあざ笑うように、醒めているイルハリムは、無自覚淫乱気質。
皇帝の溺愛で、眠っていたものが開花していく。
皇帝の子を生んだ寵姫に、皇帝の寵愛がばれて、
皇帝が遠征中に囚われ、寵姫の計略でイルハリムは、場末の街に追放される。
幼少時に攫われ、船の中で去勢されて奴隷に売られたイルハリムは、
不幸にあっても達観して醒めている
並外れて規格外の皇帝も孤独。
昔イルハリムを救ってくれた恩人の秘密と孤独。
・・痛みと孤独を知るイルハリムが、瀬戸際で選んだのは・・という展開。
冒頭からイルハリムが攻められて、全体の官能シーン多め。
世界観や状況、風俗に突っ込んだ残酷感もあって、
それが多彩(w)な官能表現と素晴らしくマッチしています。
BLというよりも耽美の流れを汲んでいると思う。
文章が美しく、突然現代語が飛び出したりもしないので安心して読めます。
皇帝ラシッドと奴隷宦官長イルハリム、身分違いの恋が切なく甘くて良かったです。
きっかけは側女の失態のお仕置きとしてラシッドがイルハリムを抱いた事。最初は肉欲なのかと思いきや、癒しであり支えとなって惹かれ合う2人にきゅんとする。
勿論後宮ならではのドロドロがあったり、過去も絡んで一筋縄ではいかない。それでも求め合う2人に感動しました。身分にも翻弄されるけど、それを乗り越えていく2人に拍手。
読み応えがあって面白かった。数は少ないけど兼守先生のイラストも美しかったです。
二人が惹かれ合う過程が、どことなくあっさり書かれていますが、情事のシーンがとにかく濃厚でした。
美麗なイラストに、読みやすい文章で、わくわくと最後まで読めました。
受・イルハリムがどうしてそんなに攻・ラシッドに献身的なのか謎もありましたが、なんだか二人が幸せそうなので、いいかなぁという気持ちになりました。
当て馬の妃が可哀想だなぁとは思いつつ、今までしてきたことがしてきたことだけに、自分で身を滅ぼしてしまったというか。
後宮という場所のお話なので、今後も完全に安泰とは言えませんが、幸せに過ごしてほしいカップルでした。