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shiro to kuro no rondo
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あと1冊? 本当にあと1冊で終わるんですか?
2~3冊は続けられそうに思えるんですが……。
というわけで、この2巻目(タイトルに巻数表記が出ました)も途中で終わります。
完結してから読みたい方は、作者があと1冊と言っているので、もう少し待ってからの方が良いかもしれないです。
さて、本作。
1冊目はわくわくしっぱなしでしたが、2冊目のこちらは半分くらいまで結構トーンダウンしたなあと感じていました。
色々なことが明るみに出て理解は深まるのですが、そのためなのかどうなのか。
今回、玲の回想シーンが多めで、どのような子供時代を送ってきたのか、健斗と交流のあったあの時期、玲の側はどうだったのかが分かって、それはとても良かったです。
また、ピンクとブルーとの出会いも。
こうして過去と現在とが結ばれると深みも出ますし、今後への期待も生まれます。
玖郎が現在どのような立ち位置にいるのか、あのとき何を聞いたのか、その辺りが今後明かされるのだろうと思いますが、ここがブラックボックスになっているから玲の一部に頼りなさが残って、一層魅力的になっているように思います。
いえ、終わって欲しいと言うわけでは無いんですが、まだ続くのね!
壮大なストーリーになっているんですね。
前巻では、まださわりだったものの、この間では色々片付くのかと思いきや、謎が深まるばかり。
なのに健斗と玲の関係は全くもって深まりませぬ。
こりゃもう匂わせブロマンスなんじゃ無いかって気がしてきます。
(一応、キスはしたりちょっと進んだりするわけですが)
そんな中、どうも話はドラッグ周りの話になっていきます。
その過程で玲のお兄ちゃんや昔の話が出てきます。お父さんの屋号?だったのですね、灰色の鴉。またしても伏線が増えてるだけのような…
最後にはとうとうケントの職業が玲にバレてしまいます。
そこで終わるって…
頼むから続きを早いとこお願いします〜
大好きな高遠さんの本なのに、いつもの様な『ノンストップ読み』が出来ず。
私の状態(忙しくしている割に仕事も日常生活もきちんとやれていない)の悪さが一番の原因だと思うのですが、でもこの巻の性格という要素も若干ある様な気がするのですよ。
犯罪被害(健斗はそのものズバリですし、玲だってそうも言えるんじゃないかと)のお話ですもの。明るいお話になるはずもなく。
ただねぇ、お話の運びが暗いというよりは不穏なんですわ。
ふたりの過去話はドラッグ犯罪で繋がっていそうですし、玲の唯一の肉親である兄が、どうもその犯罪の裏を知っているようですし、それを追っている刀浦というヤクザ刑事は健斗を利用すると決めたみたいですし……聞けば聞くほど「すんなりいくはずもないなぁ」と思わざるを得ない展開なんですよ。
しかもこれらのことが解るのはこの巻の終わり近くなのね。不穏な気持ちをずーっと引っ張られ続けるんです。
おまけにこのお話に明るさをもたらしてくれていたピンクとブルーの過去まで凄かった!
そして、この巻のおしまいに辿り着くところが『2人の決裂』という……これ、結構キツイんですけど。
うーん、つらい。
子ども時代のふたりのふれあいが書かれている部分は、本当に美しいんです。
こんな現状ですからね。
まるで『今』という暗い部屋の中から、光り輝く外の景色を垣間見る様に、過去の想い出がきらきらと輝いています。
これがつらさを倍にするのよ。
あーん、完結編を早く読みたいです!
2巻目。謎解き?事件もの?の色合いが強く、恋愛面はそんな盛り上がれず読み終わったので中立よりの萌にしました。お話は気になるので続きも読みます、次で終わるかな?本編280頁ほど+あとがき。
キスはいいけど触るのはダメという恋人関係?になった健斗と玲。玲が新しい依頼(ネックレスを取り返してほしい)に対応する間に、DTというドラッグの情報にお互いが関わり始め…と続きます。このドラッグが真の山場か?
攻め受け以外の登場人物は
マスター(受けの仕事仲間)、ピンク、ブルー(双子、受けの仕事仲間)、刀浦(警視庁の刑事、胡散臭い)、柳(攻めの先輩刑事)、玖郎(受けの兄)、仕事の依頼人、関係者など。
++より内容に触れる感想
新しい依頼(ネックレスを取り返して)を受けるところから始まり、実はそのネックレスには…という展開で、間に健斗と玲が出会った時や玲の生い立ち、玲の兄とのエピソードが記載されています。なかなか辛い環境やなあ…と胸が苦しいほど。玲が「触るな」というのも納得な過去でした。
玲はツン絶讚継続中、健斗はヘタレわんこ絶讚継続中。少しずつお互いの関わりが深くなってきたように思ってたら、爆弾爆発★って感じで2巻終了。健斗大ピンチ(笑)。さあ、3巻でどう巻き返すのか、巻き返せるのか?!楽しみに待ちたいと思います。私はツンがデレるのが大好きなんだよ…待ってるよ、玲……。
「Magic hour」のバーテンダーでマジシャンの玲が義賊のようにアングラで非合法的な窃盗を繰り返していることは前巻で明かされていますが、今作では謎の麻薬「D.T」(ドーテーではなくて。Devil's Tears悪魔の涙、のようです笑)が登場し、さらに玲の失踪した兄がその製造流通に関わっていそうな疑惑がにおわされています。
しかも、健斗は玲につきまとっている警視庁の刀浦に管轄を越えて玲の動向を見張るように指示され、別の課に配属されている先輩・柳からは薬物関係に首を突っ込むなと忠告され…、警察内部でも取扱いが大分ややこしい案件になりそうな「取り返し屋のカラス」。玲の両親は一体何を探り、何を知っていたのか?謎が一層深まりまくっています。
前巻でメイン二人の気持ちは近づいたのか怪しいところでお預けを食らっていましたが、今巻で玲側の心理に踏み込んだ印象です。なるほど、玲にとって健斗の存在は、荒んだ心の中の小さな光だったのだろうか…と、ラブ的にはキタコレ展開になりそうだったんですが、エンディングでまたもやがーーーん!って感じで笑
玲のツンツンがいいですね〜。そろっと近づいてきたかと思いきや、シュババッと遠のく猫ちゃんタイプ。健斗はイッヌです。大型わんこ。相変わらず、二人の素を覗かせるプライベートなひとこまにキュンがちょこっとだけ仕込まれていて、ハード系ストーリーとの兼ね合い具合がM読者にはたまりません。
警察の動きやカラスたちの行く末がどのような方向に向かっていくのか皆目見当がつきませんが、何卒!玲と健斗を幸せにしてあげてくださいと願うばかりです…。
次巻で完結らしいのでまた一年、頑張って生き延びます〜!
年上スレンダー美人の玲ちゃんの過去も明かされ、人に触られたくない理由もわかりましたが、今回BL的進展は少なく…全くなかったわけでもありませんが、攻め?の健斗が気の毒すぎる展開でした。
玲ちゃんは多分クール受けなので毛を逆立てた猫みたいな感じではありますが、あまりにも凶暴すぎるのです。色々可哀想な攻めをもう少し労ってあげて、と思いました。
最後も誤解したままケンカ別れという悲しい所で終わっています。健斗は警察である事は確かに隠していたけど、2人の大切な思い出とかそれ以外の事は他人にペラペラしゃべるような奴じゃないよ。信じてあげてよ、玲ちゃん!年下だけど絶対包容力のある頼もしい攻めになる素質が充分です。
次巻の3冊目で完結の予定だそうなので、たぶんまっさらの綺麗な体であろう(だって触られるとダメなんだもんね)玲ちゃんの甘々初夜を楽しみに次巻を待ちます。お願い、高遠先生あんまり焦らさないでください。
『刑事と灰色の鴉』の続編。
前作がめちゃめちゃ面白かったので、今作の発売を楽しみに待っていました。BL要素はかなり薄く、どちらかというとミステリと言った方が正しい展開を持つシリーズですが、今巻もめっちゃ面白かった…!
前作の内容も絡めてのレビューになります。ネタバレ厳禁な方は注意されてください。
取り返したいもの、を、時に違法な手段をも用いて取り返してくれる「取り返し屋のカラス」なる窃盗団がいる。その窃盗団は4人組。そのうちの一人が、今作品の主人公の一人・玲。
彼らのもとに一人の依頼人がやってくる。
亡き父親が遺してくれたネックレスを、美紅という源氏名のホステスに盗まれてしまったのだという。「悪魔の目」だと亡き父が言っていた、そのネックレスを取り返してほしい、という依頼だった。
何の変哲もない、ように見えるその依頼だったが、玲がその依頼を受けたのは、それが「悪魔の目」だったからで―?
という出だしで今巻はスタートします。
さすがベテラン作家さま、と言うべきか。
「悪魔の目」とは何ぞや、というベールに包まれたそのネックレスを介し、玲の過去を読者に読ませる。その手腕に圧倒されました。そう来るか―!という展開。
そして、その「悪魔の目」から、刑事である真柴との関係につなげていく、そのストーリー展開にも。
すべてに無駄がなく、少しずつ見えてくる彼らの内面に、一気に惹きつけられ、そしてページを捲る手が止められませんでした。
「悪魔の目」を介して玲の過去、家族、過酷だった家庭環境、といった「玲」という男性の中身が見えてきますが、これが切ない…。BL要素として、真柴くん×玲の恋の行方が挙げられますが、玲が真柴くんの手を取ることができない、その理由が分かってくる。そしてそれだけではなくって、そこから真柴くんと玲の意外なつながりが見えてくるのも素晴らしい。
D・Tと呼ばれる違法薬物が登場しますが、この違法薬物を追う刑事たちがまた魅力的、というのか。真柴くんを取り囲む刑事たちが数人登場していますが、誰が味方なのか、誰を信じて大丈夫なのか。ハラハラし通しな展開なのです。個人的に、あの人が黒幕なんじゃ…?と思う人物がいますが、はたして結末は。
さて。
真柴くんは玲に自分が刑事であることを告げていませんが、終盤、ばれてしまいます。真柴くんは玲を嵌めてやろうという意思はこれっぽちもなかったわけですが、結果的にこのことが決定打となり二人の間に亀裂が入ります。そこで次巻に続く!という、高遠先生の放置プレイにゾクゾクが止まりません。続きが読みたすぎる…!
バックボーンとしてはかなりシリアスベース。
そこに、玲そして真柴くんの過酷な過去が絡むという硬派な物語。
この素晴らしき世界観を、サマミヤさんが描き切っているという眼福さ。
どれをとっても完璧すぎる神作品。
先述しましたように、男同士の性的な接触という部分はほぼないので、濡れ場が無ければBLではないと思う方には若干不向きな作品かと思います。が、「刑事」「ミステリ」、あるいは「謎解き」と言ったストーリーがお好きな方には超絶お勧めなシリーズ。あとがきで「あと1冊で終わる予定」と高遠先生が書いてくださっていますが、結末を早く読みたいような、でも終わって欲しくないような、すでにそんな不思議な感覚に囚われています。