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sumi to yuki
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「墨と雪」続編で、下巻と同時発売となる上巻になります。
あの痛くて辛すぎる前巻から約6年。
ようやくのお目見えですよー!
待ってた。発売を信じて、ずっとずっと待ってた!!
で、これ、予想以上の重さと苦しさながら、同時にとても優しいんですよね。
読みながら、こんなの泣けちゃうでしょう・・・と。
何だろうな。
篠口は深い傷程度じゃ言い表せない、辛い重荷を背負った。
それでも前を向けるようになる、その過程だったり、理由だったりに、もう涙が止まらなくて。
いやマジで、一瞬で肌が粟立ちましたよ。
篠口の願いに対して、黒澤が答えるシーンには。
グッとこみ上げてくるものがあると言うか。
凄いよ! かわい先生、本当に凄いよ!!
こんな魂を揺さぶってくるような作品を読めて、もう言葉にならないよ!!
で、こちら、内容的には雑誌掲載となる続編。
他、二人の出逢いを綴った90ページ程度の書き下ろしになるんですね。
あの監禁事件で重症を負いながらも、生きて救いだされた篠口。
深い心と身体の傷に向き合いながら過ごす入院生活に、そんな彼に寄り添う黒澤。
そして、外泊許可を得ての、二人で過ごす年末年始。
ここまでが、とても丁寧に綴られます。
えーと、これね、繰り返しになりますが、内容としてはかなり重いものになるんですよ。
ひどい暴力を受け、更に精神的にも徹底的に痛め付けられた篠口。
彼の無力感や屈辱、絶望に恐怖。そして自分自身に対する失望ー。
犯罪被害者である彼の心情がですね、もうこれでもかと容赦なく突きつけられます。
私もここまで生々しくリアルに語られるとは思ってなかったため、結構なダメージを受けたんですよね。
受けたんですけど、それと同時に、ものすごく心に沁みてあたたかくも感じて。
いやこれ、ただただ全てを受け入れて静かに寄り添う、黒澤の姿と言うのがとても優しいんですよ。
何だろうな。
今回、久しぶりにかわい先生の新作を読ませていただいたのですが、改めて気付いたのが、その文章の洗練ぶりだったり、美しさだったりでして。
これほど痛くて重い内容なのに、かわい先生が書くと、何故か淡々と穏やかな印象を受けるんですよね。
ただただ静かと言うか。
えーと、そんな美しい文章で綴られる黒澤の献身ぶりと言うのが、それこそ美しいのですよ。
特にね、まだ意識が戻らない篠口の隣で子守唄を歌うシーンなんかが、あまりに優しくて。
またさ、世界をコーヒーに例えるシーンとか、ホントに素敵で。
苦くて重いけど、そのくせ病みつきになる魅力に溢れてる。
どうか、その事を知ってー。
黒澤の言葉にこう、限りない優しさを感じて胸が熱くなると言うか。
二人が病室で、そして外泊しての自宅やホテルで。
篠口の心の傷に寄り添いながら、ただただ穏やかに、一日一日を丁寧に過ごす様が語られるのが今巻。
緊迫の前巻に比べ、本当に地味なんですよ。
派手な出来事も無ければ、驚きの展開もない。
でも、めちゃくちゃ心を動かされる。
かわい先生、マジで凄いわと。
ちなみにこちら、前述通り二人の出逢い編が書き下ろされてます。
結構なボリュームで。
上下巻合わせてのレビューにしようかと思ったんですけど、この書き下ろしが語りたすぎて分けたんですよ!
そう、公安である黒澤の下に配属された、まだ若かりし篠口。
不思議な魅力をまとう彼の印象とはー?
てな感じで。
ついでに、彼等が身体を重ねるようになった経緯まで!
いや~、これ。
黒澤、悪い男だなー!的な。
まだ青さがある篠口。可愛すぎるわ!的な。
二人の艶っぽすぎるやりとり、最高だわ!的な。
もうニヤニヤが止まらなかったですよ。
そんなワケで雑誌で続編を読まれてる姐さん方もぜひ、こちらの二人の出逢い編を読んでおおいに萌えちゃってー!
『墨と雪』待望の続編。平河寮シリーズのキャラの中で、よもや大穴?はたまた真打?と目される篠口の回ですね。前作からは続きはあるだろうと信じていましたので、単行本として上下まとめての刊行、しかもリアルタイムで作品を拝読できる機会に恵まれるなんて…それだけでも生きてて本当に良かったなァと喜びに打ち震えている読者の一人です。
本編は袴田に拉致監禁された篠口が無事生還し、心身のケアのため入院生活に入ったその後の続きから。黒澤は深く傷ついた篠口の世話役を自ら進んで引き受けます。あの超ハイスペックでクールでありながら、ある意味得体の知れなさを醸し出していた黒澤がですよ?こんなに繊細に、相手のメンタルを慮って動ける男いるのかっ!?ってくらい、それはそれは慎重かつ周到に気を回して篠口を優しく介抱するんですよね…。引き続きしれっと事件前の二人の関係性を装いながら、黒澤は決意します。それまで篠口の方が能動的になるのを待っていたわけですが、もう待たないと。(←思わせぶりなの〜)
名前のとおり黒いイメージをまとっていた男は、意外にも明るい表情を見せながら時に優しく、時に大胆に篠口の心の底を揺さぶっていきます。まだ篠口自身は負った傷の痛みやフラッシュバックに苛まれている最中ではあるけれども、少しずつ黒澤への認識は変わりつつある。病室のベッドに臥す篠口をグレイ(灰色)のイメージで例える一節が印象的で、『雪』の白がだんだんと黒に染まっていくかのような示唆的な比喩のよう…。円陣闇丸先生のイラストがまた麗しいです!
とにかく、二人の関係性が形を変え、距離が段々と近づいていくジリジリ感がたまらないです。本編自体は下巻に続き、後半に二人が出会った頃の関係性を描いた前日譚的な「ストームグレイの行方」が収録されていて本編の情報補完となっているんですけど、もう、読者が欲しいものわかってますよね〜!そんでもってエロがエロでエロなのでもー、どうにかしてくれって感じでファン悶絶級の凄味を感じました……。かわい先生、やっぱりすてき笑
一時期の作品群は自分の中でBLにおける好きなキャラ属性やカップリングの素地を育てていただいたといってもよいかもしれない作家様なもので、この平河寮シリーズは密かにBL警察ものの私的金字塔…といってもいいかも笑。言わずもがなだけれども、普通に小説として満足度が高いベテラン作家様なので、現代もので甘くないテイストがお好きな方には安心してオススメできます。
下巻はじっくりと噛み締めたいので、情けないことにまだ読まずに大切にとってあります笑。読み終えてしまうのがもったいなくて、読みたいんだけどなかなか読めないんですよ…。
待ちに待った墨と雪続編!!
一巻の発売が2016年1月だそうなので実に6年ぶり!
私は発売して数年後に読んだのですが、リアルタイムで一巻を読んで続編を待っていた方のことを思うと、待った甲斐がありましたね!の気持ちです( ;∀;)
タイトルに2が付くので間違える方は少ないと思いますが、がっつり前巻直後のお話となりますので、読んでいないと何もわからないパターンのお話です。
以下、上巻のみの感想です。
拉致監禁にあった篠口は、私が思っている以上に心身ともに大きなダメージを負っていてそんな描写がリアルで痛々しかったです…。
(サイコパスが好きなので一巻では甚振られる篠口さんにニヤニヤしてしまってごめんなさいw)
こういった描写や特殊な業界の内情などは、さすがかわい先生!
実際に体験されたのかな、現場に居合わせたのかな、と思う程の文章力です。
そんな身も心も別人のように弱くなってしまった篠口をやさしーく介抱する黒澤…スパダリすぎる!!涙
一巻では大人の割り切った関係で、黒澤の独占欲などはあまり見えなかったように思いますが、今回は事件のことがあって(この手に囲ってしまおうか)とか、(時間をかける攻略は嫌いではない)だとか、篠口の前では穏やかな顔をしながら本心では篠口への恋慕や独占欲メラメラ…!
当の篠口はその気持ちに気付いていないように思いますが…
とにかく上巻は黒澤が篠口を癒して再生させるお話なのでエロは少なめです。
ですが、ただ容易にセックスに持ち込んで有耶無耶にしてしまうのではないところに黒澤の誠実さと大人の余裕を感じます。
思えば『蒼空の絆』も戦争で負傷した美しい受けと、甲斐甲斐しく支える攻めのお話でしたので先生のお好きな設定なのかなと思いました^^
若干作家さん大好きブーストが入ってしまった甘め評価になってしまった気もしますが、夢中で一冊読んでしまったことは間違いありません!
元々糖度の少なめなシリーズなので、甘々展開を望む方よりも大人の恋愛を読みたい方におすすめです。
書き下ろしは、黒澤・篠口の出会いから初めて関係をもつに至るまで。
本編では弱りまくった篠口が、番外編では初々しくフレッシュで嬉しかったです!
さあ!ここから下巻を読みますよー!
待ち続けていたご本で、ぐわーっと一気に2冊読み、するめのように何度も噛み締めています。篠口、大好きなので神にしました。被害者となって苦しむ受けの心情を読むならピカイチだと思うお話で、雑誌掲載分160頁ほど+公安にきた当初の黒澤と篠口のお話90頁ほどです。
袴田の所から救出、病院で鎮静剤投与され、こんこんと眠る篠口。黒澤は、足繁く見舞いに通い、状態が良くないと言われると病院での付き添いもし、年末年始は篠口を引き取って家に連れて行ったりホテルに泊まったりといたれりつくせりで…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
袴田(くそ、伝聞のみ)、生方(篠口の上司)、神宮寺&遠藤(同僚、伝聞のみ)、後半に浅香(篠口の親しい同期)、公安時代の先輩ぐらいかな。浅香がキラキラしくて泣きそうになってしまいました。
++より内容にふれる感想
あまり紙を手元に残さないようにしているのですが、これは紙で残しておいて、棺桶に入れてもらいたいなあと思う本なのです。何度も紙で読みたい。
何が好きなのかなぁって考えたのですが。
袴田に傷付けられた美しいシャム猫(=篠口)を、黒澤がひたすらじっくりゆっくり見守り、優しく撫で、労り、時には子守唄なんかも歌ってくれるのが嬉しかったんです。それがまず一つ目。
二つ目。犯罪被害者(=篠口)の心理描写にシンクロしてしまって苦しくて。でも負けずに緩やかながら自分の日常を取り戻そうとゆっくり歩み続けるところが好きです。うっかりすると本当に壊れてしまいそうなガラス細工のような篠口なのに、黒澤の助けもあって、前に進んでくれるのが嬉しい。時折憎まれ口を叩く篠口が可愛くてしょうがないです。心配していた時間が長かったから、こんなに気になるのかなぁ…?本当にぎゅうっと抱きしめたい大好きなキャラです。
攻め受けとも好きだしお話もたまらんので、神以外の評価はあり得なかったでした。次は下巻だ。
3/12 追加
番外編の方で、黒澤と篠口の初の色事シーンがあるんですが、これは必読。「殺してやる」って言う篠口の表情を見てみたい。それから黒澤の元嫁に対するその時の思いがちょっとだけ出てきます!!!!!!!!!ううーんたまんない。
もう一つ本編で好きなところがあったので追加。リハビリと称して、ラグジュアリーホテルのプールに連れ出したときの篠口のセリフ「だから今泳いだら死にますって」などというやりとりあたりも大好き。ああ可愛い。
電子版。
墨と雪の続編ではあるけれど、前編の「墨と雪」の完結部分と重なる。
篠口が、袴田に監禁されて右腕を骨折、救助されて入院するところから始まる。
前作を再読した後に「2の上」を読んだので、
かわい先生の文章も、挿絵の円陣先生も上手くなっている違いが分かる。
実は余り期待しないで読んだけれど、続編を読んで良かったと嬉しくなってしまった。
袴田に拉致監禁され、死を覚悟した篠口は、救出された後もPTSDに苦しむ。
医療知識を持つ袴田が、篠口の心に刷り込んだダメージは深い。
苦しみから逃れる為に、自分を壊そうとする篠口の衝動を留めて、傍で見守る黒澤。
カルトの洗脳汚染洗浄のような作業を黒澤は施していく。
墨と雪2は、篠口のPTSDを黒澤が愛で癒していく物語。
著者はこの作品の為に資料を沢山調べたんだなー、と作業に敬意。
はぁ~~~っっっ!!
攻(黒澤さま)の愛がデカすぎて受け止めきれね~~~~!!!
と萌えすぎて苦しくなりました。
前作では受さんが変態に拉致られて…事件の顛末がほぼほぼの内容だったので、「もっと攻受の絡みをガッツリ読みたいよ~」と思っていた私の希望通りの展開がこの「2」でした。ありがとうございます!
キャラ設定が好みすぎるので、二人のLOVEメインな世界観が読みたかったのです。円陣先生のイラストも控えめに言って最高…もう”神”評価に迷いなしです。
数年越しの続刊ですが、内容は前作の直後から始まります。身体以上に心に大きな傷を負った受さんへの攻さまの献身っぷりが美しすぎて震えが…。
どちゃくそ甘やかして融通して、超人レベルで周辺を配慮しているのに、”やってあげてます”感が全然ない、
激務の合間をぬって会いに行っても相手に気を使わせない、さりげない男の優しさにあふれまくってて、、
最高すぎるんですけど!?
受さんが安心できる環境を全力で提供し、受さんを守るために全職権駆使する…理想の攻です(バツイチだけど)。PTSDに悩まされる受さんが、攻さんの気配を感じてよく眠れるって、、もう涙出ちゃうで。。でもまだ受さんは、攻さまの愛に覚醒してないんですよね。それでもじっくり見守り、寄り添う攻さまの男としての大きさ!!!エロは少な目ですが、こんなに愛しか感じない展開は新鮮でした。
同時収録の書き下ろしでは、二人の出会いの頃(セフレに至る道)が描かれていて、受さんの本来の魅力が堪能できます!普段の容姿端麗で優等生な言動に反して、オフモードの下半身はちょっとゆるいギャップ萌え、、
愛をもとめるビッチ時代の篠口の感受性の豊かさやゆらぎ、そこから垣間見える危うさに魅せられてる黒澤さま。きっとここから、”全力で守る!”の父性スイッチ入ってしまったんじゃないの、、とムフムフせずにはいられませんでした。
下巻は週末に身を清めてゆっくり堪能します。
こちらの続編も凄く良かったです。
淡々としながらも前作に足りなかった部分が書かれていました。
そして当事者にとっては拉致監禁から救出されて、めでたしではない事を改めて痛感させられました。
肉体の傷は治っても心の傷はなかなか癒えない…、篠口の苦悩とそれを包み込むような黒澤の愛情に萌えまくりました。決して無理矢理じゃなくて、あくまでも篠口に選択肢を与えるスタンスが素晴らしいんです。前作からですが更に黒澤ファンになりました。
そして「ストームグレイの行方」では、2人が身体の関係になるキッカケが書いてありました。最初はお気に入りってだけで、黒澤には篠口に対する愛情がなかったんですよね。
前巻と違って事件後なのでゆっくりゆっくり進むのが、篠口の再生物語として良く出来ていて夢中になって読みました。
待望の、と言いながらも私は完結してから読んだ人間なので待ってません(笑)ですがリアルタイムで読んでいた方はさぞ、待望だったことでしょう。あとがきでも先生が仰っていましたが、6年後の出版だったようです。私だったら6年間、あの状態で待てができたかと思うと、リアルタイムで追っていた方には尊敬の念を送ります。と、前置きはさておいて…。
前巻で袴田に拉致監禁されていた岬の屋敷から救出されての入院期間(正月の外泊)がこの墨と雪2上の内容にあたります。
ホラー映画のような鎖で繋がれ、逃げることも出来ず、いつ酷い暴力を振るわれるか分からない監禁生活というのは1週間で済んで良かったね、という生易しいものでは無いようです。入院直後は安定剤投与でほぼ眠りっぱなし。安定剤が抜けるとフラッシュバックを起こしパニックに。
そんな篠口の心理面を誰よりもしっかりと支えてくれるのが黒澤。PTSDで不眠の症状があると聞くと病室に泊まり込み、正月の外泊は誰かがいないと心配だと聞くと名乗りを上げ。ひたすらに篠口に負担のないように甘やかす日々。
いや、他のシリーズではめちゃくちゃ嫌われ役だったのにスパダリじゃん。そう、職場での立場はもちろんエリートコース、経済力も頭脳もずば抜けていい(性格はやや難あり笑)から間違いなくスパダリなんですよ。
前巻の墨と雪ではとにかく辛い展開が続いていただけに、黒澤の「大人な甘やかし」が激甘なのに丁度よく感じられました。
シリーズ物とは知らず、同じタイトルの3冊だけを読みました。
最初にたくさんの人の名前(今までの作品の方々なのでしょう)が出てきて少し戸惑いましたがこの3冊だけでも十分楽しめました。
そして、黒澤さんの深い愛情(執着?)に悶絶しっぱなしでした。
お話には痛い場面もしんどい場面もあるのですが、途中から黒澤さんはどうやって守ってくれるのか、どうやって助けてくれるのか、どうやって手中におさめるのか期待しながら読んでしまいました。
他の作品のレビューを読むとシリーズ作品を読んでいた方が楽しめたようなのでこれから読破します。
ただ、電子だとイラストなしとなっていて少し残念です、、。
無印巻から引き続きメイン・キャラの篠口、黒澤が魅力的だけに物語の吸引力に抗えず、一気に読んでしまいました。
やっぱりBLものはキャラにハマった時の威力がすごいなーと実感しました。
「墨と雪」の上巻では、無印巻で事件の被害者になり、心身ともにズタボロになった篠口がセフレ(?)の黒澤により少しずつ心を開いて再起していく過程が描かれていました。
篠口の心の揺れ動きや葛藤が丁寧に描かれ、特に劇的な大きな変化はないものの、淡々と被害者の立ち直るまでの日常の機微が描かれていて、まるでああいった被害者の事件後の再起を描くドキュメンタリー映像を見ているかのような現実感が漂っていました。
こういう題材をじっくり読めるのはBL小説ならではの贅沢さがあります。上巻では、少し光が見えてきた…という所で終わりました。
これからという所で終わってしまい、気力が抜けましたが、同じ巻に収録されている「ストームグレイの行方」は「墨と雪」の陰鬱なムードとは一転、とても面白く萌えまくりました。
篠口と黒澤の馴れ初め、二人の距離の縮まったきっかけ、篠口ので公安生活が事実上短かった理由等それぞれのエピソードが最高でした。
篠口も黒澤もキャラが立っているだけに二人のカップリングに萌えて萌えて…。
もともと公安物には惹かれる要素が多いですが、この小説では短いながらも公安の実態や警察組織のことなどの説明が分かりやすく説得力があり引き込まれました。
非常に質の高い濃縮した短編で楽しめました。
公安に配属された篠口に対して、もし黒澤のように気にかける人物がいなければ、篠口が公安の中でどうなっていたか…と思うと胸が痛みました。
適性がなくても嘆くことはないんだなーと、自分を活かせる、自分に見合う場所を見つける事が大事だと思いました。
それにしても篠口が他のメインシリーズでは、当て馬の扱いを受けていたとは信じられないです。主役の王格があるのに…。
時には脇キャラやサブキャラの方が王道な主役キャラ達よりいい味を出している時があります。サブキャラの魅力を最大限に引き出されるスピンオフは大歓迎です。
最近WEB小説や海外小説を読むことが増えましたが、日本の大御所作家さんの貫禄と偉大さを感じる一冊でした。