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inmon gouman na mahoutsukai to kokuju no nie
わーい、西野先生の新作~!と喜んで一気読み。
相変わらず、とっても読みやすいライトな文章でサクサク進みます。
今回は褐色エルフ、魔法使い、淫紋の呪い、触手生物が登場してエロエロな展開になるファンタジーです。
が、すっごい大まかな話をしちゃうと、良い意味で、本当に良い意味で新しい要素は皆無です。
いつも通りの起承転結。
受が攻と出会って、セックスしなくちゃいけない状況に陥って、セックスしまくって、ときどきライバルとかモブにも攻められてアヘアへしちゃうけど、最終的には攻と幸せになる話です。
マイナーなキャラ設定の違いはありますが、こうなるんだろうなーと思う方向にサクサク流れるのでストレスフリーだし、エロは毎回濃厚だし、物語上どうしても必要な戦闘シーンとかはもう息を飲む速さで片付けられて逆に圧巻。
読後の満足感も十分。
この感じ、何かに似てるなーって思ったら、スーパー戦隊系の脚本演出パターンかも。
仲間を集めて、戦って、ピンチになって、ロボが出て、敵は巨大化して、ロボは合体して。
細かいストーリーは毎回違うけど、大筋は同じ。毎年同じ。でもそれで良いし、むしろそれが良い。
やっぱり敵が巨大化しないのはつまらないし、ロボが合体しないのもつまらないしそんなスーパー戦隊はもはやスーパー戦隊ではない。
それと同じくらいのテンションで、西野先生の作品は、半強制発情とか中出し、モブ攻が今や必須になっていますね。
その上で今回はなるほどこう来ましたか、と答え合わせをするのが新作の楽しみ。
今回はファンタジー要素をしっかり利用した、呪い、触手生物、夢や意識に働きかける超人技が見所でした。
淫紋の解除という大義名分も二人のセックスの共同感を盛り上げるのにもってこい。
いやあ、それにしてもどれもこれもけしからん魔法だこと。
いじわる?っぽいお姉さんやご両親がでてくるところも古くからのおとぎ話っぽい演出で、作品の雰囲気を掴みやすくて良いですね。
こういうベタなキャラは現代モノではなかなか出せないし、浮いちゃいますからね。
逆に繊細で情緒的な脇役家族にしちゃうと魔法やエルフの要素も含め設定が飽和しちゃいそう。
同様に、攻のアドルファスの軟派な三枚目感もポップファンタジーな雰囲気によく合っています。
こんな風にサラッとみせつつ、実は読者が一番かみ砕きやすい極上の状態でエロBLを提供してくれている西野先生の筆力はお見事。
しかも作品間でのクオリティの差が少ないのも魅力的です。
作家買いはまだまだ続きそう~。
笠井先生なのでマストバイ。キャラは嫌いじゃなかったですが、西野先生通常運転、つゆだくだったので、中立よりの萌にしました。本編200頁弱+後日談19頁+西野先生あとがき+笠井先生あとがき。
ダークエルフの王族であるルゼルディア。父王の誕生祝いに使う実を獲りに、姉と二人、闇の魔法使いが実効支配する土地に入ったところ、案の定見つかってしまい…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
プリシラ(受け姉)、サイラス(闇の魔法使い)、受け父の国王等。
++攻め受けについて
受けはキラキラエルフ。幼い頃にサイラスに目をつけられ執着されるほどの美人さん。サイラスからもアドルファスからもやりたい放題やられてます。ああつゆだく。今回、触手もありました。触手好きさんには嬉しいかもしれません。
攻めは受けのことが大好きだった方。あんまり素直じゃなくって、好きな子ほどイジメたいって感じの方に思いました。強い魔法使いさんなので、スパダリ感はちょっとあったかな。ただ「惚れる~」とまではいきませんでした。
キャラにめちゃくちゃ惚れるところはなく、お話は「半分ぐらい滴ってるシーンでは?」と思う内容であまり萌えなかったのですが、笠井先生の麗しい絵ですごく癒され、中立よりの萌という評価になった一冊でした。
西野さん×笠井さんときたらもう買うしかないっしょ!
ということであらすじも確認せずに予約していました。
今作品の笠井画伯の表紙はですね、ええ、受けちゃんが足をぱっかんと開いていまして。帯で隠れそう…、で隠れていないので、リアル書店で買われる方はやや勇気が必要かもです。そしてこのタイトル。エロ度が高い作品なんだろうなあ、と思いつつ読み始めました。
主人公はエルフの里の王子・ルゼルディア。愛称はルゼ。
だが彼は過去のとある出来事により王子として敬われることはおろか家族からも見放されている。
そんな彼の唯一の話し相手は姉のプリシアだけだった。その姉に誘われ、彼は闇の魔法使いと言われているサイラスの敷地に入ってしまう。そのことをサイラスに見とがめられ、そして姉をかばってサイラスが放った術をルゼは受けてしまう。
その術によってルゼが受けたのは淫紋だった。
魔力を帯びた男の精を受け入れなければやがて死んでしまうという。その淫紋を消すために自分に抱かれろとサイラスに言われるが、ルゼが頼ったのはサイラスと同じ魔法使いのアドルファスだった。術を解除するために意にそわない行為を受け入れざるを得ないルゼではあったが―。
というお話。
西野さんらしいエロたっぷりなお話ではあるのですが、そこにルゼのアドルファスに対する複雑な感情が交差することでエロに特化しただけの作品とは一線を画すストーリー展開でした。
ルゼが家族たちから疎まれている理由。
あまり書いてしまうとネタバレしすぎてしまうので詳細は書きませんが、サイラスのルゼに対する執着心から、ルゼは生まれたときからケチをつけられちゃってるんですね。淫紋しかり、サイラスはルゼを手に入れるために手段を択ばない。
で、それならルゼが助けを求めたアドルファスがナイスガイかと言われると、彼もなかなかの曲者でいわゆる「スパダリ」という立ち位置にいる攻めさんではありません。西野作品には必須と言える、受けちゃん大好きなイケメンスパダリ、ではなく、受けちゃん大好きすぎて意地悪しちゃう系の攻めさんなのでもしかしたら好みが分かれる攻めさんかもしれません。
過去のアドルファスの意地悪をきっかけに、ルゼはアドルファスを心から信頼はしていない。でも、ルゼはアドルファスのことが好きで好きで仕方がない。そのルゼの葛藤が可愛いし萌える。
序盤登場するルゼのお姉ちゃんも、保身のためにルゼを裏切ったりしますし、ルゼの家族たちも一様にクズっぷりが激しくってですね、そんな家族の中で育ってきたルゼが可哀想で仕方がなかった。
が、ルゼはやられっぱなしの男の子ではありません。
(男の子、と書きましたがルゼは70歳の模様。でも見た目は20歳そこそこ、という描写があるのでまあ男の子、でよろしいでしょうかね)
王子としての責務を果たそうとしますし、弓が得意とか、カッコいい部分も多い。多いのですが、表紙の彼(銀髪の彼です)を見たら納得の美少年。しかも褐色の肌ときた。
サイラスにしろアドルファスにしろ、ルゼに執着してしまう気持ちがよくわかる。
触手(というか何というか)プレイあり、あんなこんなな破廉恥な濡れ場が多くってめっちゃエロいのですが、笠井画伯のイラストが素敵すぎてもはや濡れ場すら芸術の域に達している感じがしました。笠井さんはやっぱり天才だなとしみじみ感じ入る。笠井さんの挿絵が萌え度を確実に上げています。
「淫紋」というキーワードになっている作品ではありますが、その淫靡なキーワードを軸に描かれているのはアドルファスとルゼのお互いを想う愛情とすれ違い。
薄幸受け、魔法使い、そして褐色の肌を持つエルフ。
バックボーンはてんこ盛りですが、それらがきちんと絡みつつ進むストーリーでめちゃめちゃ面白かったです。