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fujiyu na natsu ga koi wo oshieta
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書きなれていると思ったら、「森かおる」名義で受賞歴ある作家だった。
★「攻の顔が好きすぎて逃げまくる受と追っかける攻の攻防」
★「うまくいきそうにない二人がど田舎で出会い 閉鎖的な環境を抜け出したくてもがく話 ⚠️攻め視点⚠️ 」
・・の著者自身による説明を読み、読んでみた。
著者初めての長編。「読後感を大事に書いた」のだそう。
長編というより、長めの短編といった感じ。
息がつまるような詰将棋のような心理描写。
伏線回収は、かなり後半にある。表紙の「プールでの濡れ場」まで、我慢して読めば苦しい焦れから解放される。
サンプル➡https://privatter.net/p/8295773
次作に更なる期待。
主人公が映画監督だからという訳ではないだろうが、一編の映画みたいでした。
多分これこのまま映画に出来ると思うな。映像がすごく浮かびました。でもBL映画じゃなくて、一般の映画で同性愛が出てくるという感じになる気がする。
人物の内面描写と肉付けがめちゃくちゃ上手い。キャラが生きてる、を越えて、太一と環がそこにいました。
多分本編に書いていない小さいエピソードや人物設定がもっと沢山あるのではないだろうか。脇役もみな魅力的だし、伏線と回収も見事だった。ああ、ここに繋がるのか、と気持ちよくピースがハマっていきます。
最後まで一気読みしましたと言いたいところですが、読み終わるのが惜しくてワザと間置いたりしました。
プロローグ、1~6、エピローグとあり、4の段階では「萌2」かなと思っていたのですが(理由は後述)、しかし5を読んだら「神」しか無くなりました。
濡れ場もBL小説っぽく無くて、それが逆にすごく良かったです。この人もともと一般書いてる人なんじゃないかな?と思ったら碧雲さんが書いてくださってますね、やっぱりと納得しました。
他にコミック原作として一本ありますけど、小説もこれ一作で止めて欲しくない。是非つぎを書いて欲しい。読みたいです。
最初「萌2」だった理由はですね、ご・誤字~…だ・脱字~…(泣)こんないい話なのに~!!!…それだけです。
校正まで行かずとも、編集さんが確認としてキチンと読んでくれたらそれで回避出来るレベルなんですが、それがしてもらえないのか、するだけの余力が編集側にないのか、どっちにしても悲しくなってしまったのだ。
しかしそれでも「神」にしたくなるお話でした。
映画監督の太一はこのところスランプ気味で
もがくほどにハマっていく沼のごとく、そこから抜け出せずにいた。
思い切って2ヶ月間の休養を取ることに決め
処女作データを回収するため帰省した太一が地元で出会った、掴みどころがなくどこか不思議な雰囲気を持つ青年・環とのお話。
太一の地元「みさき町」は、かつての思い出を探すことさえ難しいほど再開発が進み、亡き父とよく通った映画館もパン屋もなくなっていて。
記憶が曖昧になったような切なさを感じていた太一は、その感情をまさか環と共有できるなんて思わなかったんだろうな、と。
思い出を共有できるということはどんなドラマチックな出会いよりも
ふたりの距離を近付けるものなのだなとしみじみ思いました。
環の家族との確執は簡単に解消されるものではなく、想い合うようになったふたりには大きな障害となり…涙ながらにプールで抱き合うシーンは本当に苦しかった。
でも解決しないまま逃げ出すことを選ばなかった環の決意は離ればなれを選ぶものではなかったのだと知らせてくれるラストには心が震えました。
ふたりの出会いは本当に偶然だったのに
全てが組み込まれていたように感じる展開に
運命ってこういうことをいうのかなと思いました。流れに無理矢理感がないからこそ、そう思えたのでしょう。
情景が目に浮かぶような描写も素敵で、読み終わる頃にはみさき町が
私の頭の中ではひとつの町としてしっかり完成していました(笑)
あらすじを読み、気になっていた作品で
普段あまり小説は読まないのですが、購入してみて本当に良かったと思える素敵な作品でした!
合う色より、好きな色で選んでいるのが、どこかちぐはぐでいじらしい。
中編ですが読み応えありました。
全体の半分にきても男同士や環境に悩んだりしていて、そういったものを久しぶりに読んだので良かった。悩んでいるのが長かった分キスシーンが滾った。
1ページ目から脱字でびっくりしたけど…
太一の長年の製作の原動力が父だったり、環との再会のきっかけだったりがドラマティックになり過ぎず、でも人を思い出す時ってそういう時だよねと共感出来て好きでした。
寂し気なプロローグから始まる、静かな作品。読みづらい導入部に不安を覚えるが、ラストに向かうにつれどんどん引き込まれていった。切なさ・苦しさ・不安とともに、最後までドキドキさせてくれる。読後の余韻もとても良かった。
スランプ中の映画監督太一と、人生スランプな環のお話。太一は自主的に休暇を取り、小さな町に帰省する。その町の大金持ちの息子が環で、田舎という舞台設定が絶妙な窮屈さを演出し、厄介なドラマになっていた。
恋愛童貞な太一とゲイを自覚する環が惹かれ合う過程はゆっくりじっくり。お約束の絡まれて助けてなシーンはありつつも、地味な遭遇からの交流を繰り返して徐々に仲良くなり、気付いたときには……という流れが良い。
さらには両想いであっても、スムーズにいかない環境がもどかしくて面白い。簡単には逃げられない、親の強大な権力と財力。対抗手段は悲しいとしか言いようのないものだったけど、ここを大団円の綺麗事で終わらせなかったのがすごく好き。
再会の条件に挙げた自由と無敵に関しても、完璧な答えは出てなくて、途上の二人のままで再会する。その不安定さも、二人で答えを出していく感じも、心に刺さるものがある。エピローグは幸せそうで安心できて良かった。
気になっていたのは太一の父の言葉。「俺が撮ったのより、悲惨だ」と言っていたので、どこかで父の作品が出てくるのかと思っていた。特に伏線でもなかったみたいで出てこなかったが、父はどんな映画を撮っていたのかな。
恋愛描写が障害だらけなぶん、お仕事方面はファンタジー的に上手くいき、バランスが良い。ストーリーだけを見れば自分的に神評価かもしれない。
ただどうしても比喩表現が合わなくて、なぜここでこんなダサい表現を!?と驚き、何度か集中が途切れてしまった。文章萌えがマイナスすぎて★4。