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Naalehuno koibito
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
電子書籍を購入。
挿し絵あり、あとがきあり。
なんとなく、読むものもなかったので手に取りました。
ヤクザもので、シリアスな重めの話。
ではなく、
あらすじから受ける印象とは180度異なるコミカル、ほのぼのな内容です。
鬼畜、辱陵、強姦なんてキーワードがピッタリで、受けが悲惨な目にあっているのですがねぇ。
なぜかクスリと笑みが浮かんでしまう。
とりあえずの1巻の購入だったのが、そのまま明かされない謎が気になって残りを全て買ってしまいましたよ。
登場人物はすべて癖あり。
だけど、みんな好きかも。
すっかりこの作品のファンになってしまいました。
もっと読みたいな。
謎めいた美貌の喫茶店のマスター・清野。
彼が負い目を感じている、幼馴染で数多の因縁の相手上総は
ヤクザの組長にして目下収監中。
その彼が仮釈放で出てくることになって……
シリアス……のように見せて、実はコメディという谷崎節。
この全4巻の作品も、そんな谷崎さんらしい作品だった。
1巻目では二人の関係はよくわかったが、
その他はよくわからないことだらけで全容は見えない。
上総は『しあわせにできる』の久遠寺タイプの
ハイスペックながら全然人の話を聞かない超絶執着攻め。
清野は彼と保育園で出会い、15歳で再会して以来
ストーカーのように追いかけ回され、
既成事実を作られ(これも強姦ありです、苦手な方ご用心!)
逃げ出したイギリスで「何か」に巻き込まれ、結果今に至る……らしい。
何気に鍵を握ってそうな押しかけバイトの土屋も
ちっとも人の話を聞かない。
真面目に読むとはあ?!と呆れたりイラっとしたりするだろうが、
いやいや、これはコメディ。
シリアスっぽい舞台設定の中の、ドタバタコメディと思って
謎の種明かしを含めて、肩の力を抜いて楽しむべき一冊。
タイトルの「ナアレフ」は、喫茶店の店名。
コナコーヒーを出すこのお店、ハワイ島の町の名前から命名とか。
喫茶ナアレフ、そこがお話の舞台。
スタートしてしばらく三人称の表記は、受けが『主人』、攻めが『男』とされています。
ふたりが再会して名前を呼び合ってから、普通に表記されていきます。
その辺り、ちょっとドラマティックです。
受けは、珈琲一杯千円、しかもメニューはそれだけという、ヤル気皆無の喫茶店マスター、清野。
魔性の男といった美しい容姿に、人を中まで寄せつけない冷たさを同居させます。
攻めは元・上総組組長の上総。
カリスマ的存在でありながら二年の服役を機に、組を解散。
清野とは幼馴染みで、15歳の頃から関係を無理矢理結んでいます。
相変わらず地味かつ、タイトルで中身を判断するのが難しい谷崎作品。
それでも好きなんですけどね。
こちらは確か四巻まであったと思いますが、とりあえず一巻だけ買い、読み出したは良いのですが…ぶは!っと吹いてしまい(お猿のお尻教授って)即、既刊も購入決定でした。
谷崎さんの作品はこういうシリアスと見せかけ(というかシリアスではあるのですが)、笑える要素がある物も多いのが嬉しいです。
重くなり過ぎないのが、絶妙です。
そして津軽(上総の舎弟)が上総と出会った頃を書いた『若頭エレジー』も笑える。
もう、上総と津軽(舎弟)のフルネームが並んだだけで吹き出せます。
なーんてそんなことで笑ったのも束の間、ふたりの過去の関係はなかなかにハードでございます。
でも、谷崎さんのハード系作品を読まれる方には問題ないですよね。
同じ丸ヤでも『真音』とか『最後のテロリスト』よりも普通かと。
それに過去はハードなんですが、とにかく上総は清野命!なんですよ。
清野曰く、数々の嫉妬遍歴を持つ男。
清野はノーマル(顔は魔性だけど)だし、普通に暮らしていたら女性と結婚して平凡に暮らしていそうなというか、それを望んでいたんですよね。
でも先手をしっかり打って、清野を自分からは逃さない方向へ上総は持って行くという執着系。
潤滑剤を買っておいた清野に「絶対対面販売のところで買うな」とかもう、必死過ぎて笑いさえ起きるという。
イラストは藤井咲耶さんです。
うーん、なんでしょう、カリスマ丸ヤのわりに上総の線が細過ぎますし、その為に上総と清野にあまり違いがなく不自然でした。
絵の好き好き(個人的にはあまり好きではない作家さんですが)よりも、学生やもう少し若い年齢を描かれた方が素敵なのでは…
ちょっと迫力不足で残念ですね。
編集さんには、やっぱり内容にあったイラストレーターさんを採用して欲しいです。
あと、けっこうタイプミスや名前の逆転があります。
こういう時のための編集さんなのでは?
まあ、意味は読みとれましたけどね。
攻・上総藍良 元組長 現「ナアレフ」オーナー
受・清野初音 元外交官 現「ナアレフ」マスター
・ナアレフの恋人
やる気のない美人(男)のマスターと美味しいコーヒーの喫茶店。
その日常に、一つの波紋が。
迎えにやってきた強面の運転するベンツに乗り込んでやってきたのは、刑務所。
「出所してきたら、あいつの望み通りにするつもりだ」
という彼。
銃刀法違反で服役していたのは、上総藍良。
元上総組の組長で、マスターである清野の幼馴染で…恋人?
出所してすぐに清野を抱く上総の執着っぷりはスゴイが、清野はどうも素直に恋人の出所を待っていたという感じではない。
全てに諦めている様子で…。
・若頭エレジー
元上総組若頭、現代行の津軽の視点で語られる上総と清野。
上総の突拍子のない行動や清野への執着が第三者の視点から語られると…清野が不憫で不憫で(苦笑)。
同じマンションに住んでる他人が清野に色目を使うからと、清野に無断で勝手に引越しを決行するって…。
清野を毎回強姦している自覚のある上総…それでいいのか?
・からすみブルース
上総の顧問弁護士の三島郁美×警察庁キャリア官僚の川端隆紀
このカップルの出会いと恋、そして清野が外交官であったコトが語られます。
外交官時代に何らかの諜報戦に巻き込まれ、その結果が現在の状態であるらしいというのも…。
三島と川端は敵対関係にある組織に所属していますが、出会ったときは互いに素性を知らず、また川端は離婚経験者のノーマルな男でした。
三島がベタボレで、押せ押せなんですよ。
そのくせ川端に平伏してる。
川端が大人なのでしっとりしてますが、他者から見たら結構バカップルかも。
「ナアレフの恋人1」の時点では、まだまだシリアス調なのです。
(上総が「ホモの結婚報告ハガキ(もどき)」を各方面に送りつけるといったおバカで笑えるエピは沢山ありますが、まだまだシリアスなんですよ…)
沢山ある謎がどうやって明かされるのか、その後はどう決着がつくのか…先が気になって気になってしょうがない!
次巻をジリジリして待つのは辛い作品です。
完結してから入手できた私は幸せかも。