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表題作と、攻めの黒城視点の「恋の序章」が収録されています。
挿し絵なし、あとがきあり。
今、自分の中で「前世、輪廻」強化月間?で、
有名どころや検索でヒットしたものを読みあさっています。
本作も、その流れで手に取りました。
同じ「前世、輪廻」というテーマでも、アプローチが作家様によって違って、なかなか楽しい。
中でも、本作は他の作品と趣がかなり違って良かった。
「前世、輪廻」ものって、究極の「運命もの」だと思うのですよ。
生まれる前から全て決定しているという。
そこに、本人の意思なんて、全く含まれない。
誰がなんと言おうと、すごい魅力的な当て馬がでようと、主人公がどんなにキモブサであろうと(そんな設定みたことないけど)、その二人が惹かれ合うことは、絶対的な存在(神?運命?)により、決まっちゃっている。
でも、ちょっと考えてみて?
前世と今世って、別人よね?
生まれる前から運命で決められているって、どうよ?
それって、本当に愛なの?
それは、「誰が」、「誰を」、愛しているの?
本作は、そんな疑問に真っ正面から挑んだ作品。
おすすめです!
表題作「恋の片鱗 記憶の欠片」の長編は綾織(受け)の視点、続編ショート「恋の序章 欲望の覚醒 -黒城の恋の始り-」は黒城(攻め)の視点です。
あらすじにもあるように、前世ネタです。
綾織はバーテンダー。気になっていた常連客・黒城の時計に触れた途端、夢で見ていた「桜田」のセリフを口にして気を失います。綾織は目覚めたら、黒城に昔の恋人である「桜田」の生まれ変わりだと言われて抱かれます。
綾織は本当に「桜田」の生まれ変わりなのか?というミステリ的な展開でなく、「桜田」の代用でしか考えてくれない黒城に綾織は苦しむという内容です。
黒城が綾織に告げるセリフがキーポイントなのですが、上手に誤解を生じさせるような意味のセリフというより、黒城が言葉足らずだったからという感じでした。その辺りは強引なのですが、読んでいて納得できないこともないですし、黒城が誠実なので好感が持てました。黒城視点のショートで補完もされているので腑に落ちないということはなかったです。
「生まれ変わり」設定のすれ違いがお好きな方にはお勧めだと思います。綾織は黒城に抱かれたときは彼氏持ちなのですが、肉体関係はないですし、あんまり良い彼氏ではないので、三角関係や浮気系が苦手な方でも大丈夫だと思います。