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君は必ず帰ってくると信じていた
mugen no ikai no byakko to suzaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
小山田さんホイホイされてお買い上げ。
真式さんの新刊はファンタジーもの。ちょっと某国を彷彿とさせる街並みの雑踏とか闇な感じがとてもツボでした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は推定26歳の京。
「推定」、というのは、彼は16歳ころに全く記憶を失った状態で倒れているところを発見されたから。記憶も、持ち物もなかった彼は、「16歳くらいだろう」という推測がなされ、見つかった場所にちなみ「東野京」という名をつけてもらい、以来過ごしてきた。
記憶を失った状態で発見されてから10年。
ある晩、チンピラに絡まれリンチを受け、気づいたらそこは今まで住んでいた場所とは全く違う場所にいた。「霧幻城」と呼ばれる場所に。そしてそこで京は麗静という男性に会い、自分は失踪中だった彼の恋人の廉だと言われ困惑するが―。
ちょっと不可思議な世界観のお話ですが、真式さんの読みやすい文章で描かれているためにすんなり理解できる展開になっています。
霧幻城には4人の長がおり、麗静と京、もとい廉はその4人の長のうちの2人、なのだと麗静は京に伝える。けれど、当然のように京にはそれを信じることはできなくて。自分は異世界トリップしてしまっただけの人間。麗静が愛する廉とは別人なのだと。
読み進めていくうちに霧幻城の内情だとか、彼らの関係性だとか、そういうものが読み取れて来て全体像が見えてきますが、一番の萌えどころは麗静が廉に向けるひたむきな愛情かと思われます。
麗静が廉を失った後。
廉が、戻ってきてくれたことの喜び。
そういったものがダイレクトに読者に流れ込んできて、だからこそ事情が分からず困惑する京(以下「廉」と書きます)の心情に共感してしまう。そのストーリーの描き方がとてもお上手です。廉は麗静のことを思い出すのか、そもそも京は本当に廉なのか。
しいて言うのであれば、廉と麗静の過去の話をもう少し描いてほしかった気がしました。
麗静が廉を想う、その想いの深さに今一つより添えないっていうのかな。彼らの過去が描かれていたらもう少し感情移入できた気がします。
が、作中に漂う異国の雰囲気と、小山田さんの描かれた美麗イラストがぴったり合っていてとても良かった。結構ハラハラする展開もあったりしますが、全体的な雰囲気としては非常に優しく温かい感じ。
受けさんを溺愛する懐の大きい攻めさんがお好きな方にぴったりな、そんな作品でした。
小山田あみさんの美麗すぎる表紙にずっと気になっていました。はぁ…最後までタイトルも中国読みも覚えられなかったし、説明に次ぐ説明で熱くなれませんでした。
平社員の京が雑多中華風な異世界トリップしたら、10年越しの再会だと長髪美形貴族から熱烈な歓迎を受けるお話。
この長髪貴族は麗静といい、普段は人間味の薄いクールな人間なのに、側近曰く京(廉と呼ばれる)に対しては
「時々こっそりさみしそうにしています。もう恋に足を捕われたうぶな男みたい」
と普段と恋する男のギャップがとても良かった!
主人公目線だから10年ぽっかり空いてますが、麗静目線だったら無事か戻るかわからない恋人をひたすら待ち続けた滅茶苦茶苦しく一途なお話ですよね。
でも自分は麗静の愛する廉じゃない、と麗静に心を寄せつつ切なくなる京、という二人なのに三角関係みたいなラブが良い。
ただ、恋愛以外のお話は中盤までほぼ動かず、エピソードの無い説明や世界観描写ばかりでした。凝った世界観のようでそういったものが好みなら良いのかもしれませんが、リビングやら深いお辞儀(中国ってお辞儀しないよね?)、ジェルチューブやらでうーん現実との混合具合が個人的には余り好みでは無かったです。
結ばれた二人のシーンは最後に一回なものの「あんたはおれが欲しくないのか」「欲しいね、十年分」と甘々で良かった。挿絵が最高でした。
16歳の時(多分)記憶を失った状態で保護され、施設で教育を受け新たな名前を貰い、曲がりなりにも社会人としてやってきていた東野京(受け)。
ある日の飲み会の帰り、チンピラ数人に絡まれている女性を助けた結果、代わりに殴る蹴るに暴行を受けてしまいます。そして気がついたら見知らぬ場所にいてもっと怪しい人間に囲まれているにいうよく分からない状況に。
その地域の管理人の代理人いう少年に助けてもらいことなきを得ますが、次に現れたのは白虎と称するこの地域の4人の支配者の一人・麗静(攻め)でした。
麗静は京のことを廉と呼び、2代目朱雀であり、自分の恋人だというのです。
絶対人違いだという京の話を全く取り合わず、廉として自分を大切に扱われ戸惑う京でしたが、元の世界では根無草のような空虚な生活から自由になったという喜びで、廉じゃないと申告しても廉だというのなら代わりをしてみようと思うのでした。
白虎と朱雀というから獣人かと思ったらただの役職だった。ちょっとがっかり。
霧に包まれた猥雑なこの地域は霧幻城と呼ばれ4人の支配者(朱雀・白虎・玄武・青龍)が均等に治めており、京は2代目朱雀だというのです。
東京からみると霧幻城は危険で猥雑で混沌としていていつ崩れるかわからない危うさを持った街でした。
そこに少しずつ馴染んでいく京でしたが、記憶が戻らないことを時々麗静に尋ねられ、自分は異世界から来たのだから戻るわけがないと何度も突っぱねます。それでも、2代目朱雀として頑張るうち、麗静のことをどんどん気になっていくのですが、自分は廉ではないということが苦しくなります。
本当に京は廉なのか。
頑なな京がどうにも好きになれず、のめり込めなくて時間がかかってしまいました。
東京であんなにやる気なかったのは何故なのか。
なぜあんなにもかなくなに自分は廉じゃないといいはるのか。
最初は殴られ蹴られと散々だったのに、いきなり腕っ節が良くなったのも不思議だし、それに対して自分で疑問に思うわけでもないし、どうにも魅力に欠けます。
対して、10年もずっと廉を探し続けた麗静の一途さに頭が下がります。
玄武と青龍が不穏な動きをし、ピンチに陥った時やっと京が人間になったように感じました。
2人のハッピーエンドで終わって本当によかった。
とはいえ、どうにも読み進むのが苦痛に感じました。
最後の方はよかったのですが、2/3までが長かった。