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shiraenu koi wa kanashiki mono zo
はー…本当に沁み入るお話。最高に良かったです。
終盤、思いがけず泣いてしまいました。。
久我先生ならでは!の関西弁にも、グッとくる。
明治が舞台、芸術家になる、何かになると言う夢破れ、
故郷に戻って小学校教師をしている智草(ちぐさ・受け)。
よいとこの末っ子坊ちゃんである彼が村の皆から慕われている描写に
胸がほこほこ、温かくなります。
特に女中のみねさん!
勘違いではあったけれど、智草坊ちゃんを守ろうと
しゃもじを振りかざして声を上げるシーン、最高でした。
おかしくて笑ってしまいながらも、坊ちゃんを思う心にじーんとします。
夢破れ、恋していた同性の画塾仲間への思いも破れ、
失意の中ただただ日々を暮らす智草の前に現れたのが、
植木会社勤務で4歳年上の鮫島(攻め)。
もーーーーこの攻めの言動全てに救われました。
明るくて朗らかで、愛をストレートにぶつけてきて、
智草のことを「美しい」「百合の化身」と言ってのける男。
久我先生ご自身もあとがきに書かれていらっしゃいますが、
たおやかな受けと明るく逞しい受け、このカップリングが最高でした✨
攻め受けどちらも大好きになったのですが、
印象的だったのは、やはり攻め・鮫島!
画塾の講師に「君の絵には君らしい特徴がない
(↑ちょっとうろ覚えです、すみません;)」と言われた智草の絵。
それが鮫島の言葉にかかると、
「図鑑の絵に画家の特徴が反映されては困る。
その点、まるで目の前に咲いている花が
そのまま紙の中に移ってきたかのように描く智草さんの絵は
本当に素晴らしい」
と、今までの智草にはない視点で褒め称え、
光を与えてくれる。
読んでいる私自身も勇気をもらえた気がして、
じーん...としました。
何かを一心に目指したものの、志したものにはなれなかった、
夢破れてしまったー
そんな経験がある方には、特に響くのではないでしょうか。
キスすらしたことのなかった智草が、
優しく(時に激しく!)、愛を込めてその身体を開いてゆく
鮫島によって泣いて乱れて蕩ける様もまた、素敵だったー...
年上だけど敬語、情事の最中も敬語で愛の言葉を囁く
鮫島に萌えてしかたなかったです。
暖かい日の光のような攻めの愛に包まれて、
新たな一歩を、鮫島と共に踏み出した智草。
かつての想い人からショッキングな言葉を浴びせられても、
冷静に、そして思いやりを持って寄り添う姿が印象的。
それを実は、鮫島が陰からそっと見守っていた、というのも
きゅん...
きっと、何かあったら助けに出るつもりだったのだろうと
思うけれど…
智草の心の強さ、優しさを目の当たりにして
さらに惚れ直しちゃう鮫島にクスッとしました(*´艸`)
ああ、恋とはかくも愛しき。
タイトルの読み方”かなしき”ではなく、
”愛おしい”気持ちでいっぱいになる、
最高に素敵な読後感の一冊でした✨
なんて素敵なお話なのでしょうか。
2人の姿を追いかけてみれば、自然と心が晴れやかになっていく。
読み始めから結びまで非常に心地の良い作品でした。
どんなお話になるのかなと追っていたら、気が付けば久我先生にトスッとツボを的確に押されて今に至ります。
出逢いから日々の何気ない交流。
そして、恋愛関係に至るまでの過程が素晴らしく良かった。
あー、すごく良かったなあ…!好きです。
季節を感じる風景描写、時代背景と方言も良い味になっていてこれまた素敵。
人生が真っ白のキャンバスだとすれば、生きている内に様々な色が置かれて美しい色合いになることだって、挫折や失敗をしてぐちゃぐちゃと淀んだ色になることだってあると思うのです。
ただ、そんな複雑な色合いを真新しい真っ白なものに塗り替えてくれる人が現れたとしたら?
画家を志すも夢破れ、智草の閉じていた世界に突然びゅんと入ってきた鮫島という魅力あふれる新しい風。
彼が智草の心にするりと入り込んでは、何気ない素直で真っ直ぐな一言で色をつけ、知らなかった世界を教え、智草のキャンバスをカラフルに彩っていく。
果たして彼は太陽なのか?栄養抜群の土なのか?なくてはならない水なのか?
誰しもを明るくさせ花を咲かせてしまいそうな、少年の心を持った植物を愛する男・鮫島の人柄とものの考え方がとても好ましくて。
声が大きいとは一言も書いていないはずなのだけれど、声が大きそうなところも好きです。
鮫島と出逢い、次第に前向きに変化していく智草の心理描写も、ひたすらに甘い恋愛面もたまらないものがありました。
この2人、本当にかわいらしかったなあ。
なんでしょうねえ。攻めにも受けにも好感が持てて、それでいて2人の相性がぴったりと合っていて気持ちが良かったんですよね。
派手か派手ではないかでいうと派手なお話ではありません。
しかしながら、しっかりと癒し、しっかりと救い、しっかりと恋を育み、しっかりと萌えさせてくれます。
雪が溶けて次第に胸がぽかぽかと暖かくなる、春の陽気のような素敵なお話でした。
隅から隅まで神!この爽快感!こういうのが読みたかったんですよ!
太陽と百合の蕾?
タイトルに愛しきのふりがながかなしきとあったのでドキドキしてました。
病弱で絵を描くのが好きで高等学校を出て東京の画塾で西洋画を学んでいた智草。
才能がなく生活にも疲れ片思いの稲尾もイタリアへ留学し郷里へ帰り小学校の教員として暮らして一年。夢破れ嫉妬に失恋に苦しみ前を向けなかった智草。
そんなところへ現れた鮫島。
とにかくお話全部良かったです!盛りだくさんですね。
鮫島の太陽のような明るさ強さ正しさに、智草も前向きになれ新しい道を見つけ。
また時代も良かった。まだ江戸時代が人の記憶にある明治で。地元の名家や薩長の出身や日本史好きならググっときます。
太陽に見つかって愛されたら可憐な百合の蕾は太陽に向かって花を咲かしますよね!
鮫島のひたむきさ、手の早さ?溺愛に、うちの智草をよろしくねって言いたいくらいですよ。
智草もすっかり元気になって強くなりましたね。変わってしまった稲尾にも毅然と話せて。
僕の恋人は可愛くて美しくて賢くて強くて淫らでいやらしくて、百合の精か梅の精のようで。最高だな!
久我さんのエッチ描写がいつも愛に溢れて幸せそうで気持ちよさそうで好きなんですよね。鮫島の知識と経験はどこから?と気になるけど智草の身体まで花開かせちゃって。エッチでの智草の関西言葉での破壊力!きゃっ♡ですね。
夢破れた受けの再生
夢破れて郷里に帰った画家志望の受け
子供のように無邪気に好きなことに邁進してしまう攻め
留学する権利を得られず、才能がないから諦めて郷里に帰るようにと画塾の先生に言われ、郷里に帰った智草(受け)。すっかり意気消沈し体調も崩してしまいやっと床上げして目的もないまま図画の教師をしています。心が虚なまま毎日を過ごしている智草の庭に東京から花卉を探して回っているという鮫島(攻め)が入り込んでいます。
庭に咲く百合がとても素晴らしいと熱弁する鮫島が画塾の友人に似ていて驚き、その遠慮のない行動に苛ついた智草でしたが、憎めない鮫島に次第に心を開くようになります。
そんな時、智草の実家が所有する山に入り込んでいる輩が出、鮫島が疑われるにですが‥
智草は庄屋の未子で現在の当主の弟という比較的恵まれた生まれです。
ただ、あまり体が強くないため絵を描くこと好み、画家になるため東京に上京して画塾に入っていました。結局夢破れて戻ってきてからも心身を壊し、やっとできる仕事を斡旋してもらい無気力に生きていたところでした。
多分外側から見ればとても恵まれているのだと思います。裕福な家に生まれ惜しみなく愛情を与えられ、体は弱くとも金に糸目をつけず治療してもらえ、上京もさせてもらえる。
それでも何か成そうとして成せなかった喪失感は酷いモノだったのでしょうね。
子供のように無邪気な鮫島に少しずつ心を寄せていく様子が、外からの刺激に硬い蕾が少しずつ花開くような感じだったのではないでしょうか。
中編2編でできており、前半は2人が心を通わせるまでと山を荒らす不届き者の顛末。
後半は自分の可能性を広げ、かつての自分を彷彿させる友人の状況を冷静に分析して自分の経験からアドバイスできるように強くなった、鮫島がそばにいることでここまで強くなった智草の話でした。
この時代の話はとても華やかなワクワクするような雰囲気がとてもすきです。
これからの2人の活躍が楽しみになるような話でした。
こんなにいい話なのにレビュー2つしかないんだ……と思って良く見たら、私もレビューしていなかった……。
(前半は小説Dear+ 2020アキ号の掲載作品なので、小説Dear+のほうにレビューしてたので勘違いしていました。)
ちなみに小説Dear+のレビューでは
「ファンタジー特集だけど、ファンタジーではない。
でも良い!!発売されたら絶対に買う。
花大好きというより花馬鹿に近い植木商の攻めの大らかさ。
画家を目指すも心が折れてしまった坊ちゃん受けが、攻めと出会って自分の道を再び見出すまでの様子がとても良い。」
と私は書いてます。
溢れる気持ちを数行に濃縮した後に、再び還元するという技が私には無いので同じことの繰り返しになって申し訳ないのですが…
攻めの鮫島は、植物ハンターというんでしょうか、珍しい植物を追い求めてあちこち野山を駆け回ってる人で、少年がそのまま大きくなったような感じ。
(勿論ガキっぽいというわけではなく大人の魅力も兼ね備えている)
洋服が汚れることも厭わずに泥だらけになりながら嬉々として花を愛でるみたいな。
西洋帰りということもありスケールもデカく、鷹揚で、おおらかで、お日様的な感じ。
一方の智草は、画家の道の目指して上京するも井の中の蛙でしかなかったことを思い知らされ、失意のまま郷里に戻り、鬱々としている。
痩せてカチカチの土のようになってしまっていた智草の心が、お日様的存在の鮫島に出会い、水を与えられ、耕され、肥料を与えられ、ポカポカ照らされて、やがて自分だけの花を咲かす。
派手じゃないけど、誠実でいいお話だと思います。
久我先生のお書きになる関西言葉がとても好きです。
現代ものの、ちゃんと丁寧な関西言葉もいいですし、この作品のような、ちょっと昔の、明治時代の関西言葉も趣深いです。
特にこの主人公は、ちょっと田舎の、村の中での上の階級の家のお子で、それが東京で数年暮らして、夢破れて実家に戻っていて、そんな曖昧でぼんやり日々を過ごしていたところで、東京から来た、外国帰りの、ぐいぐい来る男性と会話するわけですから、丁寧さや訛り具合が非常に繊細で絶妙で、とても萌ます。
これって、その方言ネイティブじゃないからこその萌かもしれませんが、久我先生にはいつも貴重な萌を頂いているのですよ。
セルフツッコミ
最近、小説はみんな電子書籍で読んでいます。
電子書籍は紙の本のように場所を取らなくていいけど、情報登録するには、やっぱり紙の本の方が楽なので、情報登録は誰かお願いします。っていう、言い訳。
久我さんの関西弁受け。時は明治、場所は大阪近くのとある村。受けの郷里が関西で攻めは関東の人です。草木の苗を販売・輸出する仕事をしている攻め×画家の夢破れ田舎で教師をしている受けです。
最初は卑屈で暗かった受けの心をどんどん溶かしていく太陽みたいな攻め。優しさ全開でストレートに攻めてくるタイプでした。DTだった受けと体を繋げてからはちょっとだけ変態ちっくになりましたが。受けはどんどんエロくなっていきます。使われる関西弁がちょっと昔風で綺麗な言葉なのがいい。美(うつ)やかとか。
久我さんの大河ドラマ風というか朝ドラ風というか、時代物でも安定の面白さのBL、さすがです。