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mune no kemono
そうよ!これよ!
こんな、対等な関係を求めて、丁々発止とやり合うような話が読みたかったのよ!!
と、思わず膝を打つような、ツボをつく作品でした。
表題作は、飯島と具志堅がプールサイドで出会って、獣のような駆け引きの末初エチまでで。
ここで終わりなら、私の嫌いな俺様な攻めと、気の強いMネコちゃんのお話。
せいぜい「萌」レベル。
でも、この本は、ここまでが前振りで、この倍の分量のメインとなるお話が
『つがいの獣』
順調につきあっていた二人の前に、知念という、具志堅狙いの若者が現れて、飯島に宣戦布告してきたところから話は始まります。
具志堅が知念と寝たと告げる事で、自分を支配しようとしているのに気付いた飯島は、具志堅に支配されるのではなく、「つがい」として対等な関係になりたいのだと決心します。
この後、飯島は同僚の小堺頼子を巻き込んで、獣同士の駆け引きが…。
この、小堺と、小堺の婚約者・青田も、飯島や具志堅と同じタイプの、ただ従属するのをよしとしないタイプなの。
なかでも小堺が、知念に売られたケンカを、女の戦い方で渡り合うシーンとか、ゾクゾクするほどおもしろい。
具志堅は、自分の魅力を十分に心得た、俺様タイプのキャラですが、飯島が、けしてそれに屈しないと、対等な関係を望む男なので、この話、非常におもしろいです。
黙ってやられっぱなしになるなんて思うなよ!
って感じです。
また、この獣の恋のお話に、男臭い石原理さんのイラストがとってもあっています。
二人してが、きつい目でこっちを睨みつけるような表紙絵に惹かれて手に取りましたが、これは表紙買いが大当たりでした。
胸の獣 (f‐ラピス文庫)
火崎 勇
純愛:☆☆☆
H度:☆☆☆☆
オススメ:☆☆☆
登場人物 飯島 具志堅
アダルトラブです・・。しかも肉食系!!野獣系といってもいいかも
泳ぎが鮫ですよ。
クールに見えて独占欲が強い。
ひとつ間違えばかなり、ヤバイ人たちです
肉食獣同士の恋愛で、対等な立場を求める男と男の恋愛って所がよく出ていました。
受け受けしくない受けをお探しの方に、お勧めです。
攻めが浮気をするのが苦手な方は、ご注意。
火崎勇さんの本の中でも、異色作という印象を受けました。
新書版で発行されていたものを文庫化したもので、時代に合わせて内容を少し修正しましたが、収録作品の違いはないです。石原理さんの挿絵が作中人物像と絶妙にマッチしています。
具志堅一成 俺様攻め×飯島直樹 プライドが高い受け
苦手な水泳を克服しようとして入ったスポーツクラブで、格段に泳ぎが上手く肉体が綺麗な具志堅に出会う。
意識しているんだけれども、声はかけられない。じりじりするような焦燥感が伝わってきました。
偶然から名前を交換して話すようになれても、まだキッカケをつかめない。
いまにも襲い、襲われそうな緊迫感。手をどちらも出さない感じが怖いというか、ドキドキしました。
関係を持つようになってから、攻めの口からあっさりと浮気を告白されて、そこからの展開が通常のBLと違いました。
他の男に挿れるのは気に障るけれども男の生理の問題だから仕方ないと。それでも気に障るのは、自分の気持ちの問題で。
どちらも主導権を握るのは俺だと言う思いから、屈服しない。相手を先に屈服させようとしての駆け引きに、スリル感がありました。
浮気されて、自分もめげずにプライドをかけて、女の恋人を演出したりと、負けず嫌いな受けの自尊心がカッコよかったです。
エロ:★3 シャワー室で立ちで初H、受けも積極的なH
総合:★4 どちらも肉食獣なタイプが個人的に苦手なだけで、好きな方なら★5で。
カッコイイ攻にカワイイ受とかではなく男×男というか牡×牡を目指したんだろうなっていう方向性はわからなく
もないんですが……
ゲイでもなんでもないのに、スポーツクラブで見かけた超いい身体の兄ちゃんに一目惚れってどうなんだろうなあと思ってしまった。
男同士の恋の駆け引き……以前にその恋はどこから始まったの??
入り口からけつまづいたせいで、お話に入り込むことが出来ず。
急激に惹かれ合うなら惹かれ合うで、その理由となる何かが見たかった気がします。