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nihyakunen no chikai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
学芸員の主人公と、ロシアの近隣国で東欧ルーシェ(架空の国)の皇帝。現代と歴史的過去の時間軸をどう繋げるのか興味を惹かれ、即予約しました。宮本先生は個人的に安心感があって読みやすく、近年はそそられる設定に釣られる機会が増えてきております笑
今作は一冊に納めてしまうにはとてももったいないと感じるボリューム満点な内容でした。分冊ででもじっくりと読み耽りたかったです。「現代編」と「歴史編」にわけて現代から過去に遡っていく流れと、過去から現代に向かって進んでいく流れとが、とある時点で出会った時に謎が解ける…みたいな構成でも面白そう。
本編は受け攻め交互の両視点で進むことで時代の隔たりを解消しており、スムーズにストレスなく読ませてくださるんですよね〜。さすがです!ただ、あれやこれや割愛されてる感が拭えないにもかかわらずサクサクと進んでいくので、少々展開に戸惑ったり度肝を抜かれたりしたのも事実。読者としてはページ数の制約を恨みたくなりました…
ファンタジーです。物語は現代から始まり、仕事に一生懸命な主人公・歩の姿が生き生きと描かれていきます。デキる上司や先輩に恵まれ、大好きな画家の次期企画展準備に精を出す歩。やりがいを実感しながら先輩をサポートする毎日は、充実感にあふれていました。
歩が仕事の下調べも兼ねて画家の生誕の地へ旅をするところから時間軸が交錯し、時空を超えた身分差の恋が語られていきます。ですが、歩の旅は期限付き。時空を超えた現代においても、恋の成就まではまだまだ遠い道のりで…。
旅を終えて歩が日本に戻ってくると、前半の明るく前向きなトーンを突き崩すかのように、職場の空気がガラリと変わります。このパートは本当に怖くて、読んでいて辛かった…。でも、彼を守ってくれる人が意外な形で現れてくれるので、心強いです!
せっかくのファンタジーなので、メイン二人の大恋愛に浸るべきところなのでしょうけれど、歩と同じ社会人として働く自分にとっては、学芸員としてミッションにのめり込む彼の情熱的な姿勢に少なからず得るものがありました。働いていると色々ありますよね…。職場の人間関係で悩んでいた時、最終的に「職場の人 相性 スピリチュアル 」とかで検索したことありましたもん笑
仕事で一区切り自分の責任を果たしたら、パッと環境を変えられる歩の柔軟さに、今なら希望を見出すことができます。自分を救えるのは自分で起こした行動力。主人公の潔さ、へこたれない強さには好感しかなかったです。
歩がきちんと現実に向き合っているからか、いきなり壮大なファンタジーに突入しても不思議と受け入れられました。もし自分が中学生くらいのピュアさで本作を読めたのなら、もちろん運命的なロマンスの方に夢中になっただろうなぁと笑
タカツキノボル先生の高貴な挿絵もお話に合っていて素敵でしたし、ロシア近辺の美術や歴史に少しでも興味がおありでしたら雰囲気だけでも楽しめます。あとがきに作中の画家の実在モデルが挙げられているのですが、その名前を目にした瞬間ザワ〜ッ…(←鳥肌)。学生時代に展覧会を見に行ったことがある画家だったので、なおさらこのお話に親近感が湧いてしまったのかも。
宮本さんというとスパダリ×健気受け、のイメージが個人的に強いのですが、今作品の攻めさんもそのイメージを損なうことのないスパダリさん。
が、そこにファンタジー要素が加わることで単なる「スパダリもの」とは一線を画し、一味も二味も趣のある作品となっていたように思います。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公はとある美術館でキュレーターとして働く歩。
子どものころから絵をかくことが好きで、それが高じてキュレーターになったという筋金入りの美術好き。
彼は2年後に控えた企画展のサブ担当を任されることになったが、その企画展のテーマが憧れ続けた画家・グラツキ―ということで気合もひとしお。グラツキ―をより深く知るために、グラツキ―の本国であるルーシェへと足を運ぶことに。
が、初めてルーシェに降り立った歩は、懐かしい既視感に囚われ―?
というお話。
序盤から歩は誰かの生まれ変わりなんだろうな、というのは透けて見えているわけですが、彼は誰の生まれ変わりなのか?を軸に進むストーリーです。
あんまり詳しく書いてしまうとネタバレしすぎてしまうのでちょびっとだけ。
歩の「元」になる人、という書き方で合ってるかな、その彼を愛してやまないのが表紙の金髪のイケメンさん。タイトルやあらすじからも推測できてしまうのでここでも書いてしまいますが、その金髪の彼・ミハイルは皇帝なんですね。歩はミハイルが愛したレナートという青年の生まれ変わりなのだという。
そして、そのミハイルは200年も前の皇帝。
ミハイルは200年前の皇帝。
歩はレナートの生まれ変わり。
ええ、めっちゃファンタジーです。
なぜ200年前の皇帝が、今、歩と関わりを持つことができるのか―。
が、そのファンタジー要素が上手に生きてるっていうのかな。突拍子もない話ですがそれを歩が素直に受け入れることもあって、読者もその設定をストンと受け入れてしまう感じ。
設定としてはシリアス寄りなんですよね。が、全体のトーンとしてはシリアスに振り切った話ではありません。歩が素直で一生懸命で可愛いんですよ。ミハイルの話をはじめから受け入れ、そして自分のなすべきこと、ミハイルのためにできること、それらをこなそうと一生懸命です。
レナートを深く愛したミハイルと、レナートの生まれ変わりである歩の恋の成就のお話。
なんだと思って読み進めましたが、ちょびっと違う。
それが意外性があって面白かった。とある人物の存在があるために、ストーリーに起伏が出来ていて奥行きがある。
ミハイルの持つ「パワー」によって若干ご都合主義的なストーリー展開だったことは否めませんが、それでもミハイルの深い愛情と歩の奮闘ぶりが際立つ、そんな1冊でした。
宮本先生の作品は大好きなので、ここ最近は欠かさず購入しています。
そしてこちらの作品はタイトルを知った時は、タイムリープかタイムトラベル的な物を想像していました。
だから良い意味では裏切られたんですが、ミハイルと歩の未来がとても心配になったのも確かでページを捲る手が止まりませんでした。
歩だけでなくミハイル視点もあるので、ミハイルが何を考えて歩をどう思っているかは安心して読めました。ただミハイルがあれだけの力がありながら革命をどうにも出来なかったのに違和感があったのも確かでした。
そして途中退場になった歩の先輩である相羽ですが、彼の存在がとても中途半端でもっと掘り下げて欲しかったです。どうして彼に前世の記憶が蘇ったのか、そこに理由があったのかとかも分からなくて不自然でした。
更に歩へのストーカー行為がバレて処分された後に、全く登場しなくなったのも呆気なかったです。そこはミハイルが出て来て、お仕置きするくらいの事をして欲しかったと思いました。
結局は歩が仕事を辞めてミハイルの側にいる為に、ルーシェに移住を決めてました。
そこから二人が結ばれるシーンは、もうファンタジーで細かい事は気にしないことにして楽しみました。
そして一番気になる二人の余りに違う寿命問題ですが、ミハイルの気持ちひとつという事が分かって一応の決着はつきました。でも不老の点が残ったままなんですよね。まあミハイルは歩が老いても愛し続けるでしょうが…。
細かい点を気にしなければ200年もの間ずっと待ち続けたミハイルの気持ちは切ないし、とてもロマンチックな生まれ変わり再会ものだと思います。
今回はルーシェ帝国の第13代皇帝と美術館の学芸員のお話です。
生まれ変わりである受様が攻様と再会することで記憶が戻り、
攻様との恋を実らすまで。
受様は小さい頃から絵を描く事、見る事も大好きな子供で
今では美術館の学芸員として働いています。
今は教育係だった先輩学芸員が
2年後に没後200年記念となるグロッキーの企画展に
サブとして関わっています。
受様はルーシュ美術館から借り受ける作品を
現地で堪能するため、夏のルーシュへと旅に出ます。
ルーシェ美術館はかつての宮殿であり、
歴代の皇帝達が国の威信を賭けて世界中から集めた
と言うコレクションが収められています。
受様はグラッキーが活躍した頃のルーシュについても
文献で学んでおり、かつてはここで政治が執り行われ
皇族達が暮らしていたと思うと胸がいっぱいになります。
そんな中、
受様は何気なく目をやった先に小さな部屋を見つけ
なぜだか興味を惹かれて吸い寄せられるように向かいます。
その部屋では長身の男性が壁の絵を見ていましたが
振り返った彼は受様が見とれるほどの美丈夫でした。
彼こそが今回の攻様になります♪
そして攻様も受様を見ると知らない名で受様に呼びかけ
靴音も荒く駆け寄り、受様を抱きしめたのです!!
驚く受様に攻様は第13代ルーシュ帝国皇帝だを名乗り
生まれた時から持つ不思議な力で1780年に生を得てから
今日までここでこの国の歴史を見守り続けてきたと言い、
受様はかつて攻様の世話係を務めた
青年の生まれ変わりだと言うのです!!
果たして攻様本当にルーシェ帝国の皇帝その人なのか!?
そして生まれ変わった受様との再会が意味するモノとは!?
不思議な力をもつ帝国最後の王である攻様と
攻様の元世話係で日本人として転生した受様の
輪廻転生ファンタジーになります♪
激動の時代に皇太子として生まれた攻様は
神より強く願った事を叶える力を
与えられていていましたが
浅慮で愛する者を失っていしまった事を
心から謝罪するため、もう一度愛した彼に会うために
その力によって不死となっていたのです。
受様は過去を覚えてはいませんが、
攻様の話を疑うことなく存在を受け入れるのです。
時を超えて生きている攻様と
旅人としてルーシェを訪れたの受様が
再び恋人どうしになるのはかなり高いハードルが
いくつもあるように見えます。
受様が過去を思い出すのか? どう対するのか?
不思議な力はあるものの土地に縛られ不死の攻様に
現代日本人である受様と恋ができるのか?
そんな2人にさらに彼ら同様
前世の記憶を持つ人物が絡んできてハラハラ&ドキドキ、
攻様と受様が心身ともに結ばれるまで
楽しく読ませて頂きました (^-^)v
恋人の転生を待ち続けた攻様の強い愛と
そんな攻様をかつての自分と同じように愛した受様の
恋が実ったのは良かったと思いますが
今を生きる者に過去世とはそれほど大事なモノなのか?
良くも悪くも人の性根とは永遠に変わらないモノなのか?
という点がかなり引っかかってしまいました。
完全に好みの問題ですが個人的には
大切な人との過去世でもそれに飲み込まれるのではなく
乗り越えて今世の人達との関りを大切にしながら
未来へと繋げていって欲しいです。
ヒストリカルロマンス
絵画に宿った魂。
随分、美術館の展示興行について、つっこんだマニアックな内容だった。
著者が、美術関係の資格取得の際に知った「キュレーター」の仕事。
これをどうしても書きたくなったのが執筆の動機。
架空の国、人物、建物には、モデルが存在。
それを踏まえて読むと、空想世界に広がりが増します。
学芸員の三倉歩は念願の企画展のサブ担当になる
架空の帝国「ルーシュ」の旧城の美術館に収められている絵画の展示を三倉が企画。
ルーシュの城で、前世の自分を知る帝王の亡霊と遭遇、200年前に遂げられなかった恋愛の成就を体験する。
帝王の妃が生んだ不義の子も、三倉の傍に再生して妨害する。
無事イベントを終えて、三倉はルーシュに移住する。
不死不滅の亡霊と化した帝王が望む夢が本当に叶うのか??
・・無事に魂の融合が出来たらいいなと思うお話。
結末が曖昧な思わせぶりな〆だったので、萌。