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kinki
小説家を志しながら、小説家の三ツ村の弟子として、日々過ごしていた芳(かおる)。
三ツ村が芳の作品を盗作したにも関わらずいわれなき中傷を受ける。
学生時代の親友・園池格(いたる)に誘われるまま、軽井沢の別荘へ!
格のおかげで、ゆっくりと以前のように笑えるようになる。
嵐のような雨が降った日、刀で切られた男(西邑慶)を別荘で匿う。
相手はヤクザだったが、どこかで知り合った気が芳にはしていた。
格の別荘で管理を任されている夫婦に迷惑をかけているのはわかっていたが、慶と離れたくなかった。
慶の身体を拭いたり、芳と身体を気持ち良くするも、最後まではしない。
格の調べによると、二人は兄弟だった。慶は芳を抱きたくても弟の為に抱くのをためらっていた。
しかし、芳の切なる願いに禁断のセックスをしてしまう。
以前、書店で見つけて読んでみたいなとは思ったものの旅先で荷物が多かったために諦めたのです。
ろくにタイトルも覚えてないほどだったのですが、もう一度出会うことができたので読んでみました。
東京でのある事件をきっかけに傷ついた心を癒すために友人の別荘を借りることになった中条芳。
雨の夜、その別荘に刀傷を負った男・西邑が現れて。
何故かどうしても放っておくことができない芳は世話を焼き始めるのだが…。
大正ロマンということで少し時代がかった感じになっているのですが、それがとてもよかったです。
特に芳!
この人の喋り方というか気持ちの発し方というか。
普段はそれほど時代がかってることもないような気もするのですが。
フツーに育った上品な言葉遣いというか。
しかし、それが西邑に対しての想いを口にする時とかはなんというか…萌えます。
芳のやってることはある意味初めての恋に必死なだけでもあるのだけれど、新種の「襲い受」のようでもあって。
自分の感情に素直に
「(西邑の股間が盛り上がってるのに対し)それを鎮めさせてはもらえませんでしょうか」
「しゃぶらせていただけますか」
と口にして。
尋ねてはいるけれど手を出してるのは確かに芳の方で。
なんだかとても新鮮に感じられました。
もちろん、西邑の方もされてるばかりではありませんが。
西邑の方は最初からいろいろ思うところがあるわけですが。
あるわけですが、それで全てが抑えられるわけではなく。
最初の段階である意味、許している部分も多いにあって。
それでも最後まで守り続けた部分もあって。
全てを知っている彼としては苦悩したことだと思います。
最後は無事結ばれるわけですが、ここでも芳がステキでした。
「こんな…っ……こんな立派な……っ……立派なもので……っ」
西邑のモノに対して『立派』連呼の芳。
それなりにBL読んでますが最中に「立派」と褒めたたえる受をみたのは初めてです。
って、それも時代がかってるせいなのでしょうか?
今の言葉だと「大きい」とか「すごい」ってことになるのでしょうか。
でも、なんかニュアンスが違う。
「立派」の方がとても「立派」そう(笑)
そして
「衝いてくださる」
とか。
丁寧語というか受け身言葉というか。
そういうのがとてもステキでした。
時代設定が大正
場所は、軽井沢の別荘
主人公は、かつて小説家を志して文豪・三ツ村の内弟子兼お稚児として十余年を過ごしてきた芳
三ツ村に盗作され、失意の日々を過ごしていた芳は、学生時代からの友人、華族の園池に誘われ、静養のため軽井沢の別荘に来たのだが
もう、設定だけで、お嘆美な、官能男色小説の匂いがぷんぷん。
もう、言葉遣いが、半端なくエロい
愁堂先生なのでそれなりにエロはたっぷりですが、分量よりも、台詞がエロいっす
ラストの「…」と「~くださる」の嵐
「……挿れて……もらえるのですね」
で
「後悔など、いたしません」
で
「早く……早く、来てください」
で
「衝いてくださる……っ……あぁっ……立派な……っ…… ~後略」
ですもん。
ネタ的にはタイトルがすべてを物語っている、としか、、
これは、時代がかった台詞での、誘い受けを堪能するためのお話と割り切って読むと、とっても楽しめるでしょう。