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yoki ouji no tame no uragiri no fugue
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
個人的ツボに、憎むべき相手を愛してしまうと言うのがありまして。
そんなワケでもうこちら、あらすじの時点でめちゃくちゃ滾ってたんですよね。
帯の「いつか殺すべき人を愛した×嘘だと知りながら愛された」に至っては、鼻血を出さんばかりに興奮しちゃってたんですよね。
まぁそんな感じで、期待大で読み始めたのですが、これが期待を上回る形で深みがあるし骨太だしめちゃくちゃ面白いしで、もう一気読みでした。
これね、どシリアスだし、めちゃくちゃ痛いし、胸がつぶれそうに切ないんですよ。
でも、すごくすごく心を打たれるんですよ!
終盤なんて、涙で文字が見えなかったですもん。
ちょっ、二人で幸せにならなきゃダメなのにーーーー!!と、悶絶しましたもん。
ラストの幸せな二人には、また大泣きしちゃいましたもん。
もう本当、めちゃくちゃ素晴らしい作品だと思う!
で、内容です。
腐敗した王政の打倒を目指す、反体制派の中心人物であるルカ。
王宮の隠し通路を探る事を目的に、身分を偽って第五王子シセの侍者となるんですね。
すぐに侍者が入れ替わる事から、素行が悪く傲慢だと悪評高いシセ。
しかし、自分の偽りの忠誠に心を開き、孤独で思いやり深い本当のシセの姿を知るに連れ、彼にどうしようもなく惹かれてしまいー・・・と言うものです。
と、まずこちら、見処となるのが、攻めの心情の変化だと思うんですけど。
ルカですが、最初はシセを毛嫌いしてるんですよね。
市民が貧困に喘ぐなか、贅をこらして遊興にふけるバカ王子と言う噂のみでシセを知っていて。
それが、侍者として彼に仕えるようになると、噂とは違う質素で落ち着いたシセの暮らしぶりに、出鼻をくじかれる事となる。
こうシセですが、王子として侍者であるルカに対して傲慢に振る舞うどころか、どうでもいい用事ばかりをさせて彼を遠ざけよう遠ざけようとするんですよね。
自分の身の周りには近寄らせず。
それでもルカが強引に近付いて行くと、今度は少しずつ少しずつ心を許すようになる。
そこでルカですが、彼の王宮での孤独な立場や、時おり王宮から抜け出して貧しい協会へ出向き、何をしているか等、意外な姿を知る。
シセが侍者を遠ざけようとする理由とは?
また、憎むべき相手でありながら、そうはさせてくれないシセの本当の姿。
果たして、ルカは使命を果たせるのか?
とこの部分が、キモになってくると思うんですけど。
これね、王族として憎しみしか抱いていなかったシセの本当の姿を知るに連れ、彼にどうしようもなく愛しさを覚えてしまい、葛藤するルカ。
しかし彼の肩には、大勢の仲間の命運がかかっており、この計画を止める事は最早出来ない・・・。
このね、ルカの自身の立場とシセへの愛の間での苦悩が萌えるのです。
またこちら、主役二人の両視点で進みまして。
シセですが、バカ王子どころかとても聡明なんですよね。
そして、めちゃくちゃ不憫。
母親が元娼婦で既に亡くなっている彼の立場ですが、王宮では無いも同然。
兄王子達にオモチャにされつつも、妹王女の安全の為に堪え忍ぶ日々と言うんですかね。
当然、そんな彼の元に近付いてくる人間は居なかったんですよ。
そう、最初から、ルカに対して何か目的があるんだろうと見抜いていた。
それでも、側に寄り添い、自分の為に真剣に怒ってくれる彼に、いつしか心を奪われてしまった・・・。
切なっ!
この二人、もうめちゃくちゃ切ない・・・!と。
愛しあってるのに、二人が共に生きる未来は存在しないんですよ。
互いの立場故に!
と、この時点で運命の意地悪さに身悶えしちゃうのです。
が、ここから更に過酷な展開。
頼んでいた調べがついて、ルカの正体を知るシセ。
そこに革命が起こり、シセは王族として捕らわれて・・・と続きます。
実はここからですが、もうあまりに切ないし痛いしで、涙無くしては読めないんですよ。
いやマジで盛ってるワケじゃ無くて、本当に涙で文字が見えなくて。
これな、ルカの正体を知ったシセがとった行動と言うのが、あまりに悲しいんですよね。
彼は王族でありながら、実は誰より王族を憎んでいたんだろうなぁと。
そして、生きる事を諦めると言うより、その事に疲れていたんだろうと。
彼のこれまでの経験を思えば、それも理解出来てしまうし。
そして、一矢報いる事を、ルカに託そうとしたんだろうと。
またこれ、ルカのとった行動にも、胸アツでして。
もうホントね、怒涛の展開なんですよ。
最後の最後まで苦しいエピソードの連続で、二人は果たして幸せになれるのか!?と、残りのページ数を確認しながらヒヤヒヤしちゃって。
こう、互いが互いを守る為に必死で、相手の為に自分を犠牲にしようとする所なんか、悲しくて悲しくて胸がよじれそうなんですよね。
ダメなのよ。
二人で一緒に幸せにならなきゃダメなのよ。
例え自分が助かっても、それが相手の犠牲の上でじゃ、ちっとも幸せじゃないのよ!!
と、二人に降りかかる理不尽な仕打ちや自己犠牲の悲しさに、一人で熱くこぶしを握っちゃったりして。
いや、ここまでお話の中にのめり込ませてくれるって、本当に凄い。
とりあえず、そんな感じめちゃくちゃ辛いですが、最後はハッピーエンドなのでご安心下さい。
私はラストでも、またダーっと泣いちゃいましたよ。
ああああ、良かったーーー!と。
と、とにかく深いし骨太だし壮大だしで、素晴らしいお話だと思います。
実はデビュー作も読ませていただいてて、そちらは色々詰めが甘いと言う印象だったんですよ。
いや、偉そうに申し訳ないけど。
今回、細部までしっかり作り込まれてます。
凄いと思う。
初読みの作家さまですが、みずかねさんホイホイされてお買い上げ。
不憫で薄幸な受けさんが個人的にドツボなのですが、今作品の受けさんはいい…!性癖ドストライクに突き刺さる健気受けさんでした。ネタバレ含んでいます、ご注意ください。
主人公はルカ。
貴族・レジオン家の子息で、現国王の第五王子のシセの従者としてシセのもとにやってきた青年である。
腐敗しきった王族は国民たちから嫌われているが、シセも同じ。
傲慢で、利己的で、従者が1か月ともたずに辞めていく。そんなシセのもとに、ルカはとある思惑を秘めて近づくが―。
んー。
これ、あらすじにも書いてあるので書いてしまいますが、
以下、壮大なネタバレがあります。苦手な方はここで回れ右してください。
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ルカはレジオン家の子息ではなく、ジャラシュ家の息子。
悪政を国民に課す現王制を倒すために、レジオン家の協力を得てレジオン家の一員に成りすまし、王宮に忍び込む通路を見つけるために潜入したのだった。
けれど実際にシセと共に過ごすうちに、シセの人となりを知るようになり、ルカはシセを裏切ることに葛藤を抱くようになっていくんですね。
ストーリーとしては目新しさはなく王道と言って良い展開かと思われます。
が、何が良いって、シセという王子の存在。
彼は王子という高貴な身分でありながら、かなり過酷な環境に身を置いています。けれど彼はそれを受け入れ、自分でできうる限りのことをしようとする。彼が優先するのは、いつも自身以外の「誰か」。
大切な人を守りたい。
優しく、誠実な人を守りたい。
そんな彼の強さに、もう落涙しっぱなしでした。
彼は常に淡々としていますが、彼の過去や現状もきちんと描かれているために、なぜ彼が「そう」なってしまったのかがきちんと読み取れる。
強く、優しく、そして美しい。
そんなシセがとにかくカッコよかった。
そしてルカも。
彼は信念をもってシセのもとを訪れますが、それには彼の育ってきた環境も大きく関わっている。彼もまた、自分の大切な人に報いるために自身でできる最大限のことをしようとする。
だからこそ、ルカの葛藤が上滑りせず読者の胸に迫ってくる。
果たしてルカが選ぶ道は―。
偽りの愛と知りながら、それでもなおルカを愛し彼のために尽くそうとするシセの愛情と、恩を返さなくてはならないという思いとシセへの想いに揺れるルカ。
めっちゃ良い…。
ストーリーも面白いのですが、とにかくキャラが魅力的。
なんて言うのかな、映画を一本観終わった時の充足感に溢れた読後でした。
受けちゃんがかなり薄幸で、そして痛い目にもかなり遭います。
ほのぼの、甘々なお話を好まれる方にはかなりハードルが高い作品かと思います。
が、個人的にはめっちゃドツボな作品でした。
そしてね、何が良いってみずかね先生の挿絵。
美しく、儚く、けれど強い信念を持った男たち。
この作品の持つ、その世界観を見事に描き切っています。
ルカの弟のネスタ。
彼も良かった。ネスタはルカに対して恋愛感情を抱いていたんじゃないかな。と思うのですが、どうでしょうね。
ネスタ視点のスピンオフを書いてほしいなあ…。
そしてそこで、幸せに暮らすルカ×シセの姿も見たい。
ということで、続編を激しく所望します。
文句なく神評価。
素晴らしく萌えをたぎらせてくれる、そんな1冊でした。
みずかねりょう 先生の挿絵が美麗。
主従もの
[フーガ] 「Fugue」とは、模倣対位法(対位法)による音楽書法および形式。
〈逃げる〉を意味するラテン語fugereに由来する遁走曲
fugere「逃走/駆け落ち/遁走」
・・・題名の「フーガ」の形式通り、揺れるシセとルカの心理描写がおりこまれて展開、そして駆け落ちする物語。
身分を偽り第5王子シセの侍者になったルカは、革命組織が送り込んだ密偵、
王宮の隠し通路を探すことた使命。
ところが、国民の評判と違って、シセは賢王の資質を備えた好人物だった。
隠し通路を見つけたけれど、双方の板挟みになり、常に最後まで揺れるルカ。
一方、シセは達観そして諦観しており、落ち着いている。
四分の三が、伏線仕込みで、残りで一気に伏線回収。
面白い展開だと思うのですが、『いつかあなたに逢えたなら』もそうでしたが、
伏線回収が短いのと描写がそっけない。
「俺を殺してくれないか」という場面は山場の一つですが、あっさり。
これは紙面の都合というより、「何はともあれ何があってもハッピーエンド」がポリシーの著者さんの描き癖なのかもしれない。
電子版書き下ろしに、二人のその後が少しある。
会社勤務の傍らの執筆活動は大変だと思いますが、次作に期待。
「善き王子のための裏切りのフーガ」って、なんてオシャレで内容の奥深さを内包したタイトルなんでしょう。
コレは声に出して読みたい。
内容のほうですが。
腐敗した王政のもと、傲慢と噂される第5王子と、その王政を転覆しようと画策する組織の一員との、まさにロミジュリ的ストーリーです。
王子であるシセが、いろいろなことに我慢や諦めをしているんですよ。
立場や境遇から、それは仕方ないこととはいえ、読んでいて切ないし、もどかしい。
でも、萎れているわけではなく、毅然と顔を上げている様子に心打たれます。
そして、そのシセに振り回されながらも惹かれていくルカ。
シセを守ると決めてからのルカの行動力と度胸が、勢いがあって頼もしく感じられたのも良かった。
華やかさはなかったけれど、切ないLOVEをいっぱい感じることができて、秋の読書には最適な1冊でした。
「いつかあなたに逢えたなら」に続いて2作目になるそうです。
架空の時代のお話ですが、前作よりはとても良くなっていたと思います。
とても丁寧にお話が作られていて、前作のような荒唐無稽さはありませんでした。
王宮で理不尽な目に遭いながらも弱者たちへの優しさを失わないシセと、自らの使命とシセへの情との板挟みに苦悩するルカの関係に萌えました。
シセが兄王子達にされたこと込みでシセを愛するルカはとても寛容で、優しすぎる男なんです。
それは後にルカの義弟のネスタも言ってました。
だから優しすぎる故にいつも行動がギリギリになってしまうし、生命の危機にも遭ってしまうスパダリにはほど遠い攻めでした。
一方でシセはその生い立ちから諦観に満ちていて、妙に肝が座っている受けでした。
大きな矛盾は感じないけれども王宮から逃亡する際の追手が追い付いた時も、逃げた街で強盗から受けた傷で床に伏して絶体絶命の時も、想像通りの展開だったのが物足りないと言えばそうだったかもしれません。
絵師様もyoco先生に続きみずかね先生なので、片岡先生はとても期待された作家様なのだと思います。次回作に期待したいと思います。
みずかね先生ホイホイで購入。タイトルから予想された通りのどシリアスで、もうちょっと軽やかさとか甘さがあった方が好きなため、中立にしました。シリアス好きな方には良いのでは。本編260P超+あとがき。
200年以上国を治めているスワルド王家の第5王子シセ。「王と娼婦の間に出来た、利己的で学が無く、侍者がひと月もたたずに辞めていく王子」という噂を聞いていましたが、訳あって仕えることとなり・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ヤハド(攻めの義父)、ネスタ(攻めの義弟)、ランヴィル(神父)、アイシス(教会で面倒みている子)、アルマ(第2王子)など他の王子少々。
++攻め受けについて
受けは人生諦めてる感が強い、不憫美人王子さま。王家が民衆のことを考えず悪政を敷いているのですが、それに対抗してどうこうしようなんて考えている訳ではなく、ただひたすら時が過ぎるのを待っているような印象です。兄王子からも手酷い仕打ちを受けてて、なんだかツライなあ。
攻めは打倒王家!と強く思っているようにも、王家に憎しみを持っているようにも思えず、国をなんとか立て直すために・・という程度の意気込みしか感じられず。熱血派!という印象でもないんですよね。
攻め受けとも、すごく淡々としているように読めてしまって、盛り上がりに欠けてしまったんです。酷い目にあっているところで気分が下降線たどる一方で、アゲアゲになるところが無くって。どちらかというとぎゃはぎゃは笑うとか、ニマニマするお話の方が得意なので、今一つシンクロしきれなかったお話でした。うーん。先生ごめんなさい。
いつか殺すべき人を、愛した。
嘘だと知りながら、愛された。
こんな素敵な帯がついていたので、思わず購入しました。あらすじを読んでみてもいい感じ!嘘と偽りにまみれた切なく甘いラブストーリーは大好きですからね!…と意気込んで読んでみたんですがあまりにも盛り上がらない!!!例えば大きな壁を乗り越えるために前段階として小さな障壁をクリアしていく、なんて言うのは物語のセオリーですが、今作は小さな障壁の連続で山場がなく、全く盛り上がらなかった。物語の道筋もそのためかよくわからないまま終わりました。私としてはそんなにシリアスでもないしむしろ都合良く進んだ、という印象です。
その原因はいろいろあると思うのですが、まず設定が活かしきれていないのでないかと思います。
兄二人に犯されている受け、そして媚薬を盛られて帰ってきた。その受けに断りもなくキスする攻め…え〜デリカシーなさ過ぎでは?まあ受けも嬉しそうにしてたのでいいのですがその時点であまり性行為というものに受けはトラウマは持っていないのだな、と。その後もあまり葛藤もなく自分から体を売ろうしたり…だったらこの設定いるかな??って思ったり。あと王政打倒を掲げ、受けを裏切ってきた攻めですが、その肝心の王政打倒もほとんど描写なく呆気なく終了してしまい、んー!?山場どこ??ってなってしまいました…
納得できないことが重なってこの評価になりました。