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risou no shouzou
自らの危険を顧みずに少女を救った消防士と、彼を取材する地元紙の記者である主人公の短編ラブストーリー。
主人公はゲイである事を隠し、厳しい親元から離れて地方紙の記者をしています。が、いずれは全国紙の記者になって親から認められたいとも思っています。
そんな彼にとって、地元の英雄の話は大きなネタ。
なので追加取材を試みるのですが、ハンサムな上に勇敢で、しかもヒーローぶらない誠実な消防士に主人公はどんどん惹かれていきます。
そんな中、彼がオープンリーゲイだと知って…という。
割と少女マンガっぽいというか、憧れのヒーロー、憧れの王子様に舞踏会に誘われ、閉じこもっていたクローゼットから一歩踏み出す主人公、みたいなラブストーリーでした。
海外BL、割とドラマチックなものが翻訳されている印象があったので、王道少女マンガっぽさが逆に新鮮でした。
短くてサクッと読める可愛いお話でした。
記者と取材対象になったヒーローの短編。
隠れゲイのポールが、カミングアウトしていない男とは付き合わないドリューに惚れてしまい、変わろうとするところまで。恋愛色はあまりなく、関係を持つためにどうしていくかを現実的に考えていく感じだった。
ポールの事情は、仕事も家族もカミングアウトできない条件が揃っている。対するドリューは正反対で、全てを受け入れてくれる環境を築いていた。
このページ数でさらさら~っと書いてしまうのは、身近な問題だからなんだろうな。ゲイやカミングアウトが、ではなくて、自分を曝け出したり家族に打ち明けたりすることが。人と人とのつながりが濃く、クローゼットの生き辛さは半端ないだろうと思った。
オチ?というか、相手はあんただよ、というベタなキュンポイントが可愛かった。今後二人がどうなるかさっぱり見えないが、終わってしまったとしても綺麗な思い出になりそう。というか本人たちも初めての朝に別れた後の話までしていて、なんかそこがとても好きだった。
ゲイヒーローを作りたがったり、レインボーフラッグをアピールしたり、今現在のLGBTを書いてる感じ。個人的にはカミングアウトや性指向アピールをあまりに正しいことのように描き過ぎる偏りが疑問なため、ちょっとマイナス。今はこれを良しとしてるけど、不変の価値観じゃないんじゃないかなあ。
軽く読めて面白かった。
短く、分かりやすく、道徳的で、的確にまとまった力強い作品でした。巻末に作者がイギリス在住と記載がありましたが、海外BL作品にありがちな皮肉やジョークは少なめ。ほぼ会話で話が展開していくのに、ここまで少ない海外BL作品は初めて読んだかも。といってもモノクロームロマンス文庫が自分の経験値の全てですが。
性的な描写はバーでのキス止まり。ゲイバーのシーンまであるのに、健全すぎるほど健全といってもいい。読者によって読みやすいと感じたり、物足りないと感じたりそれぞれかしら。
それにしても雑誌に載ったのが3年前で、恐らく原文はもっと前に書かれたものなんだろうけど、ゲイに対する世間の偏見はまだこんなレベルなのだろうか。
海外BL短編。
恋愛ものというより、生きる事のほろ苦さについての物語だと思った。
主人公は、地方紙の記者・ポール。
ある晩、編集長に叩き起こされて事故現場に駆けつける。
そこでは大きな自動車事故が起きていて、まだ少女の救出中だという。
固唾を飲んで待っていると、一人の救命士が少女を抱きかかえて出てきた…
ポールはヒーローとしての救命士・ドリューを記事にしようと家に追加取材に赴き、ドリューがオープンリーゲイだと知る。
クローゼットとして生きているポールはドリューに惹かれていくが…
周囲の環境、家族との関係、職場…どうしてもカミングアウトの勇気が出ないポール。
一方、クローゼットとは付き合わないという主義のドリュー。
どう歩み寄っていくのか、も読みどころだとは思うけど。
ドリューは確かに立派です。そして強い。
でもやはりそういう人ばかりではないですよね。ポールの苦しみはもっともです。
ドリューに惹かれて、ドリューの生き方に触れて、自分を変える一歩を踏み出そうとするポール。
これから何度も心が折れる事でしょうね…
ドリューや、ドリューの仲間たちが支えてあげてほしい。
今は誇りあるゲイたちも、かつては傷ついたひとりだったはずだから。